読み終わりました 『リア王』

松岡和子訳『リア王』(ちくま文庫)

シェイクスピア4大悲劇の最高峰といわれる『リア王』、読み終わりました。

いやあ、何がすごいって、リア王次々とつきまくる悪態、すごいですねぇ〜 あんなひどい悪態、落語にだって出てきません。リア王は悲劇のヒーロー? ということになるのかも知れませんが、末娘コーデリアを口べただというだけでいきなり勘当してしまうあたりは、我が儘すぎます。そして、ゴルネリとリーガンがいきなり手のひらを返したように父王に冷淡になったり、いろいろご都合主義的なストーリー展開。

それでも、諌言のために追放されながらリア王を守るケント伯爵、エドマンドの計略で乞食に身をやつすエドガーと失明させられたグロスター伯爵、などなど、魅力的なキャラクターがいっぱい登場して、飽きさせないところはさすがシェイクスピアです。狂気におちいったリア王と道化の掛け合いはほんとにおもしろかったです。

笑わせるところは笑わせて、泣かせるところは泣かせる――。さしずめ、藤山寛美の松竹新喜劇といったところ。←年取った関西人にしかわからない (^_^;)

訳者あとがきで、松岡和子氏は、シェイクスピアの「女」そのものへの不信や憎悪を書かれていますが、そのシェイクスピアはコーデリアという女性も描いているわけで、けっして単純に女性を憎悪している訳ではないのではないでしょうか。それを例外扱いしてしまっては、ちょっとシェイクスピアがかわいそう。オテローには、夫イアーゴに黙れと言われても一歩も引き下がらず、夫の悪巧みを暴くエミリアが登場します。

解説(河合祥一郎氏執筆)で、17世紀後半からすでにハッピーエンドの「リア王」がつくられていたというのに驚きました。僕も読みながら、なにもコーデリアやリア王まで死なせなくても、これでは救われないなぁ〜、と思ってしまったほどなので。

ということで、こんどは『ハムレット』にとりかかっております。

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