東北から見ると、律令国家の正体がよく分かる

鈴木拓也『蝦夷と東北戦争』(吉川弘文館)

鈴木拓也『蝦夷と東北戦争』(吉川弘文館)

先日読んだ坂上康俊『平城京の時代』でしばしば言及されていたので、続けて鈴木拓也『蝦夷と東北戦争』(吉川弘文館、2008年)を読んでみました。

坂上田村麻呂の名前ぐらいは日本史の授業で習いましたが、それ以上はよくわかないという人は多いでしょう。古代蝦夷というと、むしろ高橋克彦氏の『火怨』のような小説の題材というイメージが強いかも知れません。本書は、和銅2年(709年)から弘仁2年(811年)までの「征夷」(律令国家のおこなった「東北戦争」)を取り上げ、限られた史料から「征夷」戦争の具体的なプロセスや、蝦夷(えみし)の実態、そしてそもそも律令国家はなぜ征夷をおこなったか(おこなうことを必要としたか)という問題を丁寧に明らかにしています。

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