共産党が原発からの速やかな撤退を求める「提言」を発表

日本共産党が、13日、「原発からのすみやかな撤退、自然エネルギーの本格的導入を」と国民的討論と合意を呼びかける提言を発表しました。

原発からのすみやかな撤退、自然エネルギーの本格的導入を 国民的討論と合意をよびかけます 2011年6月13日 日本共産党

なるほどと思ったのは、「1、福島原発事故が明らかにしたものは何か」で、原発依存のエネルギー政策から戦略的に撤退し、「原発ゼロ」をめざす政治的決断を呼びかける理由として、以下のように順序だてて、「原発ゼロ」をめざす必要性を明らかにしていることです。

  1. 原発は、ひとたび重大事故が発生して放射性物質が外部に放出されると、もはやそれを抑える手段は存在せず、被害がどこまでも(空間的にも、時間的にも)広がる危険があり[1]、その地域社会をまるごと崩壊させかねない。これは、他の事故にはみられない原発事故のもつ「異質の危険」である[2]
  2. いまの原発技術は、本質的に未完成で危険であること。原子炉内で発生する放射性物質を、どんな事故が起こっても安全に閉じ込める手段を持たない。冷却機能が失われると、とたんに炉心溶融に向かう「軽水炉」特有の弱点。「使用済み核燃料」を後始末する方法が見つかっていない。かりに「再処理」できたとしても、その後に残る「高レベル放射性廃棄物」をどう処分するか、だれも答えを持っていない。[3]
  3. そういう危険な原発を、世界有数の地震国、津波国である日本に集中立地する危険性。
  4. 歴代政権が、電力会社経営陣と一緒になって、「日本では過酷事故は起こりえない」とする「安全神話」をふりまき、くり返しの警告を無視して重大事故への備えをとってこなかったこと。
  5. 同時に、仮に「安全神話」を一掃して、原発事故の危険性を最小限にする最大限の措置をとったとしても、安全な原発というものはありえず、重大事故の危険性はなくならないこと。

具体的なプログラムとしては、まず原発からの撤退の政治的決断をおこなったうえで、5〜10年以内を目標に原発から撤退する計画をつくること、同時に、危険がとくに大きい原発や老朽化した原発、住民合意が得られない原発はは色にすること、そうした上で、自然エネルギーの本格的導入と低エネルギー社会にむけて取り組むとしています。

自然エネルギーの導入がどれぐらいできるかは、これは技術の問題ですから、一政党が「こうすれば100%うまくいく」といえるようなものでもないし、言うべき筋合いのものでもないでしょう。また、現在の技術水準だけをもって「自然エネルギーでは足りない」と決めつけることができないことも言うまでもありません。だから、僕自身は、前々から、いろんな人が「太陽光でこれぐらい、風力でこれぐらい、等々で、これぐらいの自然エネルギーが確保できるから、原発を辞めても大丈夫」と議論することは大いに結構だけれども、そういう自然エネルギーによる代替にめどが立たなければ「原発からの撤退」はいえない(あるいは、「原発からの撤退」で合意するためには、そういう代替エネルギーのめどをできるだけ詳しく明らかにすべきだ)という考え方には反対でした。問題は、原発からの撤退できるだけの代替エネルギーが確保できるかどうか、ではないからです。

その点で、提言が、原発からの「撤退という決断をしてこそ、自然エネルギーの開発・普及と低エネルギー社会に向けた本格的なとりくみをすすめることができます」と指摘しているのは、本当に大賛成。そういう立場から、まず原発からの撤退を決断することが求められているのだと思います。

  1. 地表に降り積もった放射性物質を洗い流しても、下水の汚泥にまるまる放射性物質は残るし、汚染された草や木を燃やせば、灰になったり、大気中に放射性物質が撒き散らされる。汚染水を浄化しても、放射性物質はこんどはフィルターなどに吸着される。自然崩壊して減っていく分を除けば、放射性物質はどこまで言っても減りもしなければ消えもしない。 []
  2. つまり、「餅を詰まらせて死ぬ人がいるから、餅をなくせという人はいない。自動車事故があるからと言って、自動車を使うなという人はいない」というビート武のような議論は成り立たない、ということ。 []
  3. つまり、「本質的に未完成」というのは、いつか完成するであろう技術が、いまはさしあたり未完成だ、という意味ではなく、「どこまでいっても何時までたっても原発技術は完成することはない」という意味です。 []

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