九電「やらせメール」事件:「朝日」は情報をつかんでいたのに報道しなかった!!

九州電力が、玄海原発の再稼動問題で国がおこなった説明会を報じた番組に「やらせメール」を送るよう、子会社社員に指示していた問題。これは、もともと、共産党の「しんぶん赤旗」7月2日付が暴露したスクープです。

九電が“やらせ”メール/玄海原発再稼働求める投稿/関係会社に依頼/国主催の説明会:しんぶん赤旗

昨日、日本共産党の笠井亮衆議院議員が質問し、九州電力社長が急遽記者会見して謝罪したことから、今朝の新聞各紙に大きく取り上げられることになりました。

そんななか注目されるのが「朝日新聞」。一面には、こんな記事↓を載せています。

子会社社員に原発再開賛成メール促す 九電、番組向け:朝日新聞

が、問題は39面に載ったこの記事の続き。そこには、次のようなくだりがあります。(残念ながら、この39面の記事はウェブ上には出ていないようなので引用しておきます)

 朝日新聞は「説明会の件で、九電が社員に『賛成・安全という議論をネットでわき起こせ』と指示していた」との情報を入手。6月下旬に事実関係を尋ねたが、九電広報は「メールで指示することは考えられない」と否定していた。

つまり、「朝日新聞」は、「しんぶん赤旗」が報道する前に、九州電力の「やらせメール」の情報をつかんでいたのです。それにもかかわらず、報道しなかったのです。九電が「考えられない」と否定したと書かれていますが、取材相手が否定しても報道した事件はいくらでもあるのですから、「やらせメール」事件を報道しなかった理由にはなりません。結局、広告主である電力会社をおもんばかって、記事を握りつぶしたとしか考えられません。

九電が“やらせ”メール 玄海原発再稼働求める投稿

[2011年7月2日 しんぶん赤旗]

関係会社に依頼 国主催の説明会

 九州電力玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)2、3号機の運転再開に向け、経済産業省が主催した佐賀県民への「説明番組」で、九電が関係会社の社員らに運転再開を支持する文言の電子メールを番組に投稿するよう組織していたことが、1日までに関係者の証言や内部文書などでわかりました。県民の原発への疑問や不安に答える番組で、九電が“やらせ”メールを組織することは県民の世論をゆがめることになり、重大な問題です。

 地元ケーブルテレビやインターネットで視聴できる説明番組「しっかり聞きたい、玄海原発」は6月26日に生中継で行われました。番組は、同省原子力安全・保安院や資源エネルギー庁の職員4人と大学教授が、国側が選んだ県民代表7人に安全性の説明や疑問に回答するというもの。
 関係者の証言などによると、番組前の23、24日に九電の関係会社の社内ミーティングや社内文書で、「九州電力から、このようなお願いが来ている」として、「(原発の)運転再開に賛成する電子メールを放送時間中に番組に送れ」と指示が出されました。
 その際、関係会社の管理職は「自宅からインターネットに接続して、番組の流れにあわせて運転再開を容認するメールを送るように」と方法を説明。文言について「一国民の立場で意見や質問を書くように」と、求めたといいます。
 26日の放送では、放送中に届いた視聴者からの11通の電子メールやファクスが読み上げられました。その中では、「福島の事故の収束見通しがつかない中で、運転再開すべきでない」とする反対意見がある一方、「原発廃止で産業が海外流出し、子どもたちがどうなるのか、次の世代のことが心配」などといった容認論も目立ちました。
 資源エネルギー庁によると、同番組にはメールが473件、ファクスが116件よせられたといいます。九電の関係会社は福岡など九州各地にあります。ファクスでは、佐賀県外からの投稿が発覚してしまうため、電子メールでの投稿を呼びかけたものとみられます。
 本紙の取材にたいし九州電力は「そのようなことを関係会社に依頼するようなことは一切しておりません」としています。
 玄海原発2、3号機は定期検査のため現在、停止中です。

許せない誘導

 日本共産党の武藤明美県議の話 県民の率直な疑問に答えるべき番組が、運転再開の容認のために、九電関係者の声で誘導しようとするのはとんでもないことです。実際に番組を見た県民から不満もあがっています。この番組が県民への説明にならなかったことは明らかだと思います。

こちら↓が、朝日新聞の記事。

子会社社員に原発再開賛成メール促す 九電、番組向け

[asahi.com 2011年7月6日21時32分]

 九州電力玄海原子力発電所(佐賀県)の運転再開問題を県民に説明するために国が主催した6月下旬のテレビ番組で、九電幹部が再開賛成の意見を電子メールで送るよう、自社や子会社の社員らに働きかけていたことが6日わかった。九電の真部利応(まなべ・としお)社長は同日、会見して謝罪した。
 定期検査で停止中の原発は全国的に運転再開のめどが立っておらず、玄海は「再開第1号」の有力候補だったが、メール問題で今夏の再開は絶望的になった。
 6日には海江田万里経済産業相が、全国の原発を対象に新たに安全性評価(ストレステスト)をすると発表。7月中にも再起動の可能性があった玄海をはじめ、全国の原発の再開が先延ばしになる見通しだが、九電のメール問題でさらに遅れそうだ。
 番組は定期検査で止まっている玄海2、3号機再開の是非を判断するために制作された。真部社長は会見で「国の説明の信頼を損なわせた。おわびしたい」と話した。
 九電によると、6月22日に本社の原発関連部署の課長級社員1人が会社名で、原発関連業務を担当する子会社4社の社員に運転再開の立場から意見を送るよう電子メールで指示した。西日本プラント工業、九電産業、西日本技術開発、ニシム電子工業の4社で、社員は計約2300人いるが、最終的に指示された人数はわからないという。
 ほかにも玄海原発や川内原発(鹿児島県)など九電の3事業所にも、同様のメールで意見送信を呼びかけていた。会社のパソコンではなく自宅から送るよう求めており、九電関係者とわかりにくくさせていた可能性もある。
 番組は6月26日、佐賀県内のケーブルテレビで放送され、インターネットでも配信された。国の担当者が県民代表の7人からの質問に答える形で、原発の安全性などを説明した。
 番組にはメール473件、ファクス116件の意見が寄せられ、ネット配信への書き込みも1452件あり、一部は番組で紹介された。「電力不足で熱中症が心配」「原発の廃止で産業が海外流出する」といった運転再開に賛成の立場の意見もあったが、九電の指示で送られたものが実際に紹介されたかどうかは分かっていない。
 真部社長は「説明会は中立的であるべきなのに、結果的に手を加えることになった」と発言。自身の関与は否定したが、「責任は私にある」と述べた。
 国には6日に事実関係を報告し、再発防止を指示された。海江田経産相は「様々な立場からの率直な意見や質問に答えるという番組の趣旨を、根本から損なう言語道断の行為で、極めて遺憾」との談話を出した。
 この「やらせメール」問題は、6日の衆院予算委員会で、共産党の笠井亮議員が指摘。菅直人首相は「もし本当なら、けしからん話。しっかりとさせていきたい」と答弁した。

     ◇

 九州電力が記者会見で明らかにした、「協力会社本店 各位」にあてたメールの文面の概要は次の通り。

 「関係者に対して(中略)可能な範囲で、当日ネット参加へのご協力をご依頼いただきますよう、御願い致します」
 「説明会ライブ配信websiteにアクセスの上、説明会の進行に応じて、発電再開容認の一国民の立場から、真摯(しんし)に、かつ県民の共感を得うるような意見や質問を発信」
 「是非、ご自宅等のPCからのアクセスを御願い致します」(いずれも6月22日付メール)
 「なお、ご意見はメールあるいはファクシミリで受付されるとのこと」(同月24日付メール)

「自宅のパソコンから」と言っているのは、パソコンに詳しい人ならご存知のことですが、メールのヘッダーには発信元の情報が書き込まれるため、会社のパソコンから送信すると、九州電力が会社ぐるみでメールを送りつけていることがばれてしまうからです。ですから、この「やらせメール」の指示は、なかなか用意周到だといえます。

【追記】

本日(7日)午後9時のNHKニュースによると、この情報は公聴会がおこなわれた6月26日の前日(25日)に、九州電力の関連会社から、福岡県の共産党の事務所に持ち込まれたものだそうです。

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    すでにご存じかとは思いますが、オタサヨサイト「紙屋研究所」が「やらせメール」の書き方を指南しています。
    http://d.hatena.ne.jp/kamiyakenkyujo/20110626/1309038045

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