子どもだって、ここまできちんと分かってる

昨日の「毎日新聞」夕刊に載っていた、東京電力福島第一原発の事故で「避難準備区域」とされた南相馬市の小学校の児童たちが転校していった友だちと文通を始めたという記事。

それを読んでみると、「もしみんなが原発のびょうき、こうじょうせんがんになったら、ぜったいわたしはなおるのをみまもる」とか、「原子力にちかいところからひなんしてきたから、きらわれると思っていた」など、小学校4年生なりに原発事故の危険性や「差別」の不安を受け止め、心を痛めていることが分かる。あらためて事故の深刻さを考えずにはいられない。

東日本大震災:文通で深まる絆 避難準備区域、福島・南相馬の石神第二小4年生:毎日新聞

東日本大震災:文通で深まる絆 避難準備区域、福島・南相馬の石神第二小4年生

[毎日新聞 2011年7月25日 東京夕刊]

◇転校相次ぎ児童数1/3

 「放射能が早くなくなって、みんなと勉強したりたくさん遊びたい」。東京電力福島第1原発から30キロ圏内の緊急時避難準備区域にある福島県南相馬市立石神第二小学校。10キロ離れた小学校を間借りして授業を再開したが、転校が相次ぎ、児童は3分の1に減った。残った4年生27人が全国10都県に避難した同級生全員に手紙を送ったところ、7月になって続々と返信が届いている。約30通の返信には、避難生活での不安や古里への思いがつづられていた。【安高晋】

◇もしみんなが原発のびょうき、こうじょうせんがんになったら、ぜったいわたしはなおるのをみまもる

 4月1日時点で494人が在籍していた同小の全校児童は現在175人。震災前に78人いた現4年生のうち51人は学校を移らざるを得なくなり、夏休み中にさらに4人が転校する。児童は毎朝7時、マスクに長袖姿でいったん同小に集まり、バスで30キロ圏外の市立上真野小に移動する。1学期の運動会や社会科見学は中止になった。
 「こっちで頑張っていることを伝えよう。遠くで暮らすみんなの思いも聞こう」。担任の横山雄彦(かつひこ)教諭(44)が6月に呼び掛け、全員で手紙を書いた。外で遊べない悔しさや、全国から支援物資が届くことへの感謝の気持ち、転校した子の体調を気遣う言葉など、思い思いの心境を記した。
 転校生のうち田村明日香さん(10)は、原発事故後、同県喜多方市の体育館で避難生活を送り、東京で働くことになった父と一緒にいったんは上京。しかし、都内の避難所が閉鎖。喜多方市の体育館でボランティアをしていた斎藤久美子さん(48)が「里親役」となって引き取り、父と離れ暮らす。
 同級生からの手紙に明日香さんは「手紙を読んだときないてしまいました。もう一回だけでいいからみんなにあいたいです」「もしみんなが原発のびょうき、こうじょうせんがんになったら、ぜったいわたしはなおるのをみまもる」と返事を書いた。「手紙をもらってうれしかった。返事が来たらまた書きたい」と語る。
 多くの児童たちが、避難当初のつらさを記した。県の北端、新地町に避難した男子児童は「原子力にちかいところからひなんしてきたから、きらわれると思っていた」と打ち明けた。埼玉県に移った女子児童は「お父さんがどこか住める場所をさがしてことわられて、そのくり返しでした」と振り返った。
 願いは、早く古里に戻ること。「早く原発をなおして下さい。ひなん生活じゃなくて、ふつうのおちついた生活をしたいです」(福島県伊達市に避難した女子児童)、「今はたいへんな時だけど石二小の全員でのりこえよう。みんなあえる日までがんばろう」(埼玉県に避難した男子児童)
 文通は今後も続ける予定だ。横山教諭は、「一刻も早く元の生活を取り戻したいという子どもたちの思いが伝わってくる。手紙を出し合うことで全国に散らばった仲間との絆が深まれば」と話している。

◆避難した同級生から届いた手紙=抜粋。県名・市名は避難先

◇山形県・女子児童
 「みんなたいへんな中がんばっているんだね。わたしもたいへんだけどがんばるね。みんなと会える日を、ねがっています。先生、みんなのことを守っていてあげてください」

◇群馬県・男子児童
 「(給食の)こんだてを見たら、メニューが少なくてかわいそうだなと思いました。みんながまんしていて、すごいなと思いました」

◇新潟市・女子児童
 「わたしの家族は8人いますが、家にひいじいちゃん、ひいばあちゃんが残っています。おじいちゃん、おばあちゃんは、しょうかいされたおんせんにいます。わたしたちはアパートにいます。家族はみんなばらばらです。早くそろってすめるようになりたいです」

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