行き詰まる「核燃料リサイクル」

日本政府や電力各社がすすめてきた「核燃料サイクル」。その大事な一環であるMOX(プルトニウム・ウラン混合核燃料)を製造していたイギリスの工場が閉鎖されることになった。

この工場の取引相手は日本のみ。その日本で、東京電力の福島第一原発事故で原子炉再稼働のメドが立たなくなり、MOX製造にも見通しが立たなくなったというのが工場閉鎖の理由。濃縮ウラン用に設計された原子炉で、プルトニウムを燃やす危険性は、以前から指摘されてきた。MOX燃料はフランスでも製造されているので、これだけでMOX燃料が「枯渇」するわけではないが、思わぬところから「核燃料サイクル」構想が行き詰まることになったといえる。

英のMOX工場が閉鎖へ 福島原発事故の影響で:共同通信
核燃料サイクル:推進後退 「技術維持に限定」――原子力委予算方針:毎日新聞

ところで、この記事↓にでてくる、イギリスの「原子力廃止措置機関」(NDA)って、どんな組織なんだろう? フランスには、「事故後指揮機関」というのがあって、電力会社にかわって事故対策を統一的にすすめるそうだが、イギリスのNDAがどんな役割を担っているのか知りたい。

英のMOX工場が閉鎖へ 福島原発事故の影響で

[共同通信 2011/08/04 01:01]

 【ロンドン共同】英中西部セラフィールドの原子力施設にあるプルサーマル発電用のプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料製造工場が近く閉鎖されることが3日、分かった。工場を所有する英政府の外郭団体、原子力廃止措置機関(NDA)が明らかにした。
 NDAは、福島第1原発事故の影響で、顧客である日本の電力会社が行うプルサーマル計画の先行きが不透明になったことを理由に挙げている。
 NDAによると、同工場側と日本の電力会社各社との間で、使用済み燃料の再利用とMOX燃料製造に関する大枠の合意があったが、特別な事情がある場合、合意の見直しが可能との条項があるという。

核燃料サイクル:推進後退 「技術維持に限定」――原子力委予算方針

[毎日新聞 2011年7月20日 東京朝刊]

 内閣府原子力委員会(近藤駿介委員長)は19日、12年度の政府予算案編成に向けた原子力関係予算の基本方針をまとめ、関係省庁に通知した。使用済み核燃料を再処理して利用する核燃料サイクル計画やその柱である高速増殖原型炉「もんじゅ」について「技術基盤の維持に必要な取り組みに限って実施すべきだ」などとし、「本格運転に向けてのステップを着実に進めるべきだ」と明記した前年度の方針から大きく後退した。
 基本方針は省庁が概算要求する原子力研究開発予算の配分を決める土台となる。拘束力はないが、原発事故を受け、原子力政策の推進機関としては異例の見解となった。
 方針では福島第1原発の廃炉に向けた技術の研究開発や原発の安全対策を重視し、被ばくした住民や作業員の長期的な健康管理体制の整備が必要とした。
 その上で、原子力を推進するための研究開発について「(継続しない場合)国益を損ねると考えられるものに限って継続する」と言及した。

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