NHKの不思議なニュース

2011年8月9日 (火) at 23:48:57 Posted in メディア

昨日、NHKがこんな記事を流していました。

“原子力安全庁 役割限定的に”:NHKニュース

読んでみると、共産党が、政府が設置を検討している「原子力安全庁」について、役割を限定的なものにすべきだという見解を発表したというのです。

しかし、共産党は、以前から原子力の規制機関を独立させて、きちんと権限を持たせるべきだと主張していたはず。「役割限定的に」というのは腑に落ちません。さらに、このニュースが配信されたのは8日の午前4時。共産党が見解を発表するには、奇妙な時間。7日の夜に、そうした問題で共産党が記者会見を開いた様子もありません。

いよいよもって摩訶不思議な記事です。で、よくよく調べてみると……

どうやらNHKが言っている共産党がまとめた見解というのは、志位委員長が8月4日に記者会見して発表したこれ↓を指しているようです。

「保安院」は解体し、真に独立した規制機関を/「原発ゼロ」を実行する機関として位置づけよ/志位委員長が見解発表:しんぶん赤旗

4日に記者会見したものを8日に報道する――。まあ、報道しないで握りつぶすよりはマシかも知れませんが、報道機関としてはずいぶんとのんびりした話ですねぇ〜。

いずれにしても、「しんぶん赤旗」の記事を読むと、志位さんが指摘したのは、こういう点。

  • 「やらせ質問」をみずからすすめたような原子力安全・保安院をたんに経済産業省から、環境省あるいは内閣府外局に付け替えるだけではダメである。現在の原子力安全・保安院は解体し、推進機関からも電力会社からも完全に独立した新しい組織と体制をつくり、そこに研究者・技術者の総力を結集して、権限と体制のある組織にする。
  • その新しい規制機関は、「原発ゼロ」をめざして、<1>すべての原発が停止するまで可能な限りの安全対策を採る、<2>原発を停止したあと完全に解体し終わるまで責任を持って「廃炉」をすすめる、<3>そのあとも、使用済み核燃料の保管・管理をおこない、さらに安全な処理技術を確立して処理を完了させる、という仕事に取り組む組織とする。

共産党がいうように「5年から10年」で「原発ゼロ」をめざすにせよ、あるいは、もう少し長期になってもともかく徐々に原発を減らしていこう(これが現在の国民多数の意見だと思います)というのであれば、この提起は、きわめて当たり前のことではないでしょうか。

問題は、これが「役割限定的に」なのか? ということ。検査・点検は電力会社に任せっぱなしの原子力安全・保安院や、意見を述べるだけの原子力安全委員会にくらべれば、ずっと強い権限を持たせようという提案であることは明らか。それに「役割限定的に」という見出しをつけたら、新聞ならアウトをくらうでしょう。

NHKさん、しっかりしてください。

「保安院」は解体し、真に独立した規制機関を/「原発ゼロ」を実行する機関として位置づけよ

[2011年8月5日 しんぶん赤旗]

志位委員長が見解発表

 日本共産党の志位和夫委員長は4日、国会内で記者会見し、「『保安院』は解体し、真に独立した規制機関を――『原発ゼロ』を実行する機関として位置づけよ」と題する、次の見解を発表しました。

 一、政府は、原子力安全・保安院を経済産業省から分離し、環境省の外局などに「原子力安全庁」を設置する方向であることが伝えられている。原子力の推進機関から独立した規制機関のすみやかな確立は、わが党がかねてから求めてきたことだが、問題はどういう基本的立場でそれをすすめるかにある。
 一、第一に、現在の保安院を、経済産業省から他の省に付け替えればいいという発想では、意味がない。
 原子力安全・保安院は、規制機関としての責任を果たすどころか、「やらせ問題」に深く関与するなど、電力会社と一体となって「安全神話」を垂れ流し、国民を欺いてきた震源地である。このような堕落した機関は、原子力行政にたずさわる資格が根本的にない。こうした「保安院」を組織的にも人的にも引き継ぐようでは、たとえ経済産業省から分離しても、まともな規制機関には到底なりえない。
 わが党は、現在の原子力安全・保安院は解体し、推進機関からも電力会社からも完全に独立し、「安全神話」と決別した組織と体制を新たにつくることを求める。そうした目的にふさわしい専門家、技術者の力を新たに総結集し、強力な権限と体制をあたえることが必要である。
 一、第二に、新たにつくる規制機関は、「原発ゼロの日本」を実行するという方向にそった仕事をさせる機関として位置づけるべきである。
 すなわち、<1>日本のすべての原発を運転停止させるまでの間、事故の危険を最小限のものとするための、考えうるかぎり、可能な限りの安全対策をとる。<2>原発の運転停止後も、20年程度かかるといわれる廃炉にいたる過程で放射能が外部に流出しないよう、責任をもった対応をおこなう。<3>「使用済み核燃料」の処理技術を確立し、処理作業が終了するまで、長い時間、核廃棄物を環境から厳重に隔離し、監視する。
 わが党は、新たにつくる規制機関を、以上の仕事をになう機関――いわば“原発撤退機関”として位置づけることを求める。

保安院問題 志位委員長の会見(詳報)

 日本共産党の志位和夫委員長は4日の会見で、原子力安全・保安院をめぐる問題に関連して質問を受け、次のように述べました。

 一、(海江田万里経済産業相が、保安院院長など経産省の幹部3人の更迭方針を表明したことについて)それぞれ責任はあると思いますが、これは組織ぐるみの問題です。関係機関のトップが更迭されたからといって問題解決にはならない。保安院全体の解体が必要です。トップをちょっと代えただけで責任をとったという形にして、あとはちゃんとした組織になったかのように扱い、“組織いじり”ですますということでは問題は解決しません。
 一、(保安院を環境省などに移すという考えについて)環境省もこれまで原発を推進してきました。原子力を、二酸化炭素を減らすクリーンエネルギーと位置付け、原発への置き換えが大事だといってきた省だから、ここにくっつけたら規制が進むというのは合理性がない。今のものをくっつけるのではなく、解体して新たな体制をつくらないといけません。
 保安院には、原子力行政に携わる資格がない。重大事故を引き起こし、その収束もできないでいる。「やらせ」にまで関与している。保安院は解体した上で、「安全神話」と決別した研究者、専門家を総結集して新しい組織を一からつくらない限り、どこにくっつけようと問題は何も解決しません。
 一、(菅直人首相が発表したエネルギー政策の中間整理案について)原子力発電について結局、「依存度を低減する」ということにとどまりました。
 「依存度の低減」ですから、絶対的に減らすかどうかもわかりません。工程表をみても、長期的にも原子力発電は続けるということが明記されています。首相は「将来は原発がない社会を実現する」といいましたが、結局、出てきたものは、未来の先々まで原発に依存するというものでした。あれだけの深刻な被害を経験したわけだから、「原発ゼロ」の政治的決断が必要です。規制機関についても、その仕事の中に位置づけることが求められています。

“原子力安全庁 役割限定的に”

[NHKニュース 8月8日 4時40分]

 共産党は、政府が設置を検討している「原子力安全庁」について“原発ゼロの日本”の実現を目的にした組織にすべきだとして、原発を停止させるまでの間、安全対策を行うことなどに役割を限定するよう求める見解をまとめました。
 見解では、原子力安全庁について「原子力発電の推進機関や電力会社から完全に独立し、『安全神話』と決別した組織にすべきだ」として、経済産業省の原子力安全・保安院の組織や人材を一切引き継がず、名実ともに新たな機関とすることを求めています。そのうえで、“原発ゼロの日本”の実現を組織の目的に掲げ、原発を停止させるまでの間、安全対策を行うことや、運転を停止した原発を廃炉にするまで管理すること、使用済み核燃料などの核廃棄物の隔離や監視を行うことなどに役割を限定すべきだとしています。共産党は、国会審議の場などを通じて、こうした党の主張を受け入れるよう政府与党に働きかけていきたいとしています。

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