半数の子どもから放射線を検出

国の対策本部の依頼を受けて1149人の子どもの調査をおこなった結果、およそ半数の子どもから放射性ヨウ素による放射線が検出されたという。最大で35ミリシーベルトで、調査をおこなった医師は「健康に影響が出る値ではない」と言っているが、しかし、子どもの内部被曝が深刻に広がっていることは間違いない。

子どもの甲状腺から放射線検出:NHKニュース
子どもの被ばく検査結果 削除:NHKニュース

子どもの甲状腺から放射線検出

[NHKニュース 8月13日 16時48分]

 東京電力福島第一原子力発電所の事故のあと、福島県内の1000人以上の子どもの甲状腺を調べたところ、およそ半数から放射性ヨウ素による放射線が検出されたことが分かりました。専門家は「微量なので、健康に影響が出るとは考えにくいが、念のため継続的な健康管理が必要だ」としています。
 この調査結果は、13日、東京で開かれた日本小児科学会で、広島大学の田代聡教授が報告しました。田代教授らのグループは、国の対策本部の依頼を受けて、今年3月下旬、福島県いわき市や飯舘村などで、1149人の子どもを対象に甲状腺への被ばく量を調べる検査を行いました。その結果、およそ半数の子どもの甲状腺から放射性ヨウ素による放射線が検出されたということです。田代教授によりますと、甲状腺への被ばく量は100ミリシーベルト以上に達した場合に健康に影響が出るとされています。しかし、今回検出された放射線から換算される甲状腺への被ばく量は、子どもへの影響を最大限に考慮しても、最も多い人で35ミリシーベルトで、「健康に影響が出る値ではない」ということです。田代教授は「微量なので将来、甲状腺がんが増えるとは考えにくいが、万が一の場合にも対応できるよう継続的な健康管理が必要だ」と話しています。検査の結果は、来週以降、国の対策本部から子どもや保護者に通知されることになっています。

上の記事↑の下線部(「甲状腺への被ばく量は100ミリシーベルト以上に達した場合に健康に影響が出る」)を読むと、100ミリシーベルトに達しなければ健康には影響がないかのように読めますが、「100ミリシーベルト以下の被曝の場合には、健康に影響があるかも知れないが、統計的に影響の有無を確定することができない」というのが正しい解釈。

35ミリシーベルトの子どもだけでなく、それ以下の子どもでも、甲状腺ガンになる危険性はゼロではありません。だから、この医師も、「甲状腺がんが増えるとは考えにくい」と言って、「甲状腺がんが増えることはない」とは断定しないのです。ですから、真剣に長期的に子どもたちの健康管理をはかってゆく医療支援体制を、一刻も早く立ち上げ、子どもたちの健康を守ってゆかなければなりません。

また、実際に甲状腺被曝が多かった子どもたちについて、かつて広島、長崎の被爆者が受けたような差別を将来受けることになるかもしれず、個人情報を保護するとともに、どういう形で、長期にわたる健康調査・管理の体制をつくってゆくか。これもなかなか大変な問題です。「健康に影響はないレベル」とばかり言っていると、数年もたてば、誰がどこにいるかもわからなくなってしまうのではないでしょうか。真剣な取り組みが求められます。

ところで、35ミリシーベルトの甲状腺被曝が検出されたのはいわき市の子どもだそうです。ほかに飯舘村の子どもなども検査されたわけですから、子どもの甲状腺被曝が、必ずしも原発からの距離では決まらない、ということを示しています。そういう点では、もっともっと調査範囲を広げて、甲状腺被曝の実態を総合的・全面的に明らかにする必要があると思います。

子どもの被ばく検査結果 削除

[NHKニュース 8月11日 5時10分]

 東京電力・福島第一原子力発電所の事故で、インターネット上で公開されていた福島県の子どもの甲状腺検査の結果について、個人を特定できる可能性があるとして、国の原子力安全委員会が、すべて削除していたことが分かりました。専門家は、「正確な情報提供に逆行する」と指摘しています。
 福島第一原発の事故で、国の対策本部は、3月に福島県いわき市などに住む15歳以下の千人余りを対象に、放射性物質が甲状腺に蓄積していないか検査を行い、原子力安全委員会がインターネット上で結果を公開してきました。この中には、いわき市の4歳の子どもが健康への影響は無いとされる、甲状腺に受けた放射線量にして35ミリシーベルトの被ばくをした、とする記述もありました。ところが、詳しい住所が含まれていたことから、原子力安全委員会は、「個人を特定できる可能性がある」として、今月初め、記述をすべて削除しました。しかし、子どもの甲状腺の検査結果は、ほかには一切公表されていないうえ、個人の特定とは関係のない、被ばく線量などの情報まで削除されたことから批判の声があがっています。災害時の情報伝達に詳しい東京女子大学の広瀬弘忠名誉教授は、「子どもの被ばくに過敏に反応されることを恐れて削除したと言われてもしかたがない。正確な情報提供で対応できるようにしてもらわなければならないのに、逆行するあり方だ」と指摘しています。

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