米国債格下げはどんな影響を広げているか

NY株は歴史的乱高下に(「日本経済新聞」2011/08/13夕刊)「日本経済新聞」の夕刊に掲載されていた記事。興味深いのは、そのグラフだ(左)。

米国債の格下げで、ニューヨーク・ダウ返金株価は1.5%下落したが、それにたいし、東京株式市場の日経平均株価は3.6%も下落しているのだ。リーマン・ショックのときも、金融不安の震源地であるアメリカ本国よりも東京の方が、株の下落がひどかった。こんども、東京の方がアメリカ本土よりひどい。どうしてそうなるのか。国民の消費が冷え込み、内需を置き去りにしたまま、輸出拡大ばかりを追及する日本経済のゆがみが、ここにはっきりと現われている。

米株、歴史的な乱高下 週間では1.5%安:日本経済新聞

ところで、今回の金融不安がいかに訳の分からない事態かということを象徴するような出来事がこれ↓。

格下げで投資マネーが米国債へ:NHKニュース

今回の金融不安の発端になったのは、米国債の格下げ。ところが、金融不安が広がって株安などが広がると、比較的安全だとされる米国債が買い進められているというのだ。だったら、米国債の格下げとはいったい何だったのか? 格付け会社のおこなう「格付け」というものは、ついに金融市場の実態ともあわなくなっている、というわけだ。

米株、歴史的な乱高下 週間では1.5%安

[日本経済新聞 2011/8/13 10:54]

 【ニューヨーク=川上穣】米国債の初の格下げや欧州の信用不安で大荒れになった米株式市場が1週間の取引を終えた。12日のダウ工業株30種平均は続伸したものの、週間では1.5%安と3週連続で下落した。ダウ平均は11日まで4日連続で終値の騰落幅が400ドルを超え、115年のダウ平均の歴史で初めての記録を付けた。世界市場の動揺から日経平均株価も週間で3.6%下落。リスク回避に動くマネーは、金先物や米国債など相対的に安全な資産に流れ込んだ。
 ダウ平均の12日終値は前日比125ドル71セント(1.1%)高の1万1269ドル02セント。7月の米小売売上高が2カ月連続で前月を上回り、米景気の先行きへの過度な悲観がやや和らいだ。
 フランスなど欧州連合(EU)加盟4カ国が金融株の空売り規制を打ち出し、欧州株が上昇したのも相場を下支えした。ダウ平均が2営業日連続で上がるのは、7月6〜7日以来約1カ月ぶりになる。
 1週間を振り返ると、「ウォール街の長い歴史の中で最も乱高下した週の一つ」(米銀大手ウェルズ・ファーゴ)となった。米国債の格下げを受け、ダウ平均は週初に634ドル安と史上6番目の下げ幅を記録。翌9日になると米連邦準備理事会(FRB)が超低金利政策を「2013年半ばまで継続する」と表明したのを好感し、429ドル高と一気に切り返した。
 その後もフランス国債の格下げ懸念などの材料が相次ぐ。上昇と下落を繰り返しながら、相場は乱高下を続けた。損失が拡大するのを恐れ、個人投資家が持ち株を処分するなど市場は動揺した。
 株式相場の混乱を嫌い、実物の裏付けがある金が資金の逃避先として買われた。ニューヨーク市場の金先物は10日、史上初めて1トロイオンス1800ドルを突破。1700ドル台に乗ってわずか2日後という異例の上昇ペースだった。週末にかけて利益確定の売りが出たが、相場の基調の強さを指摘する声が多い。
    ◇
 米欧の財政不安や景気減速懸念の一段の高まりで日経平均株価は週間で336円16銭(3.6%)安と3週間連続で下落した。米国債の格下げをきっかけに投資家のリスク回避姿勢が強まったことで外国為替市場では円高・ドル安が進行。業績悪化懸念から自動車や電機など輸出関連株が売られた。前週末と比べた日経平均の下落率は一時6.9%に達した。

格下げで投資マネーが米国債へ

[NHKニュース 8月13日 14時53分]

 大手格付け会社が初めてアメリカ国債を格下げしたことをきっかけに、金融市場の混乱が世界に広がりましたが、投資マネーはリスクを避けるために、格付け会社が問題視したアメリカ国債に向かうという皮肉な形になっています。
 大手格付け会社「スタンダード・アンド・プアーズ」が、今月5日、アメリカ国債の格付けを最も信頼度が高い水準から1段階引き下げたことをきっかけに世界の株式市場が乱高下するなど、金融市場の混乱が広がっています。これを受けて世界の投資家は、株式と比べて安全だとされる国債を買う動きを強めており、証券会社などによりますと、特に市場規模が大きく広く流通しているアメリカ国債に人気が集まっているということです。その結果、長期金利の指標とされるアメリカ国債の利回りは、過去最低の水準まで低下しています。格付け会社から初めての格下げを受けたアメリカ国債ですが、結果的には投資マネーが集まるという皮肉な形になっており、金融市場の動揺が続く中で今後存在感を高めそうです。

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