文字どおりの一喜一憂?

ギリシャ国債の50%減額などで合意して、これでとりあえずなんとかなる…と報道されたのが、わずか2日前。昨日は、ニューヨークで3ヵ月ぶりの株価回復と言われたのですが、早くもリスク回避の動きが始まっているというニュース。

米国債(28日):反発、リスク志向後退 – 欧州危機への楽観薄れ(1) – Bloomberg

まあ、このブルームバーグの記事が伝えているのは、ギリシャ国債50%減額という政治的合意にたいして、「50%減額なら、デフォルトと同じだ」という金融業界からの”巻き返し”の動きといえるかもしれない。

ギリシャ国債を50%減額すれば、ギリシャのデフォルトは回避できるかもしれないが、銀行にとってみれば、保有する資産はめべりする一方で、中核的自己資本比率を9%に引き上げなければならず、そのまま考えれば大幅に貸し出しを圧縮するしかない。これが、銀行の不良債権処理で日本の景気が悪くなった最大の理由。

そうなると、デフォルトは回避できても、景気の悪化は避けられなくなる。その結果、企業業績は悪化し、さらに不良債権が増え、税収は悪化して、ますます「負のスパイラル」に突っ込むことになるのだが、結局、世界経済は、日本のバブル崩壊から何も学んでいないということなのだろうか。

米国債(28日):反発、リスク志向後退?欧州危機への楽観薄れ(1)

[Bloomberg 更新日時: 2011/10/29 06:53 JST]

 10月28日(ブルームバーグ):米国債相場は3日ぶりに反発。欧州の債務危機を封じ込めるには域内で一段の措置が必要になるとの懸念から、高リスク資産を選好する動きが弱まった。
 30年債は週間ベースで5週続落と、ここ2年余りで最長の下落局面となった。10年債利回りは11週ぶり高水準から低下。米国の景気は今月の米国債の下落を正当化できるほど速いペースでは拡大していないとの観測が市場で広がっている。
 格付け会社フィッチ・レーティングスはギリシャ債について、50%ヘアカット(債務減免)の適用を目指す欧州首脳合意を投資家が受け入れた場合、デフォルト(債務不履行)イベントとなるだろうとの認識を示した。
 シティグループの金利ストラテジスト、ブレット・ローズ氏は「半年内にこの防火訓練のような騒ぎをもう一度やり直すことになりそうだ」とし、「危機を乗り切ったと言うには程遠い状況だ」と続けた。
 ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時8分現在、30年債利回りは前日比8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の3.38%。週間では11bp上昇。前日は24bp上昇と、8月11日以来の大幅な上げとなった。同年債(表面利率3.75%、2041年8月償還)価格はこの日、118/32上げて107。
 10年債利回りは8bp下げて2.32%。一時は2.42%まで上昇し、8月9日以来の高水準となる場面もあった。

イタリア入札

 イタリアがこの日実施した国債入札では、調達目標の上限に達しなかった。今回の入札での国債発行額は79億3000万ユーロ。目標最大額は85億ユーロだった。
 フィッチは発表文で、「提案されている債務交換での50%の名目ヘアカットを、フィッチは『ディストレスト・デット・エクスチェンジ』基準の下のデフォルトイベントだと見なすだろう」としている。
 欧州各国は今週開いた首脳会議で、ユーロ圏の救済基金である欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の規模拡大および銀行の資本増強で合意した。
 ドイツのメルケル首相は、財政支出は「もはやうまくいかない」とし、世界における欧州の競争力を弱めると説明した。ユーロ圏は「信頼感の危機」に直面しており、中国やインドが力強さを増す中で投資家から背を向けられる恐れがあると指摘。「今回の危機が1日で解決することはない。1年でも無理だ」と続けた。

「多くの疑問」

 ウィリアムズ・キャピタル・グループの債券取引責任者、デービッド・コード氏は「欧州の合意をめぐってはまだ多くの疑問がある」と指摘。「すべてデフォルトが焦点となっているが、経済成長という問題もある。緊縮財政の中でどう成長を達成するのか」と述べた。
 米ハーバード大学のケネス・ロゴフ教授やキャピタル・エコノミクスのジョナサン・ロインズ氏は、今週の欧州首脳会議で発表された措置は投資家の間でパニックが起きるのを防ぐためのもので、銀行の資本不足や景気の沈滞といったユーロ圏の脆弱(ぜいじゃく)さはきちんと取り上げられなかったとの見方を示した。
 ロゴフ教授は27日にニューヨークで開かれた「ブルームバーグ・FX11・サミット」で、「かなり短期間のうちにも疑念は再び広がり始めるだろう」と予想した。

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