「女性宮家」の創設を検討すると言うが…

2011年11月25日 (金) at 23:00:47 Posted in 政治

スクープなのかリークなのかはわかりませんが、「読売新聞」が朝刊で大きく報道した女性宮家の問題。タイミングを計ったかのように、午前中の記者会見で、官房長官が「国民的議論を踏まえて検討を進める」ことを明らかにしました。

「女性宮家」創設検討を…宮内庁、首相に要請:読売新聞
「女性宮家」国民的議論踏まえ検討…官房長官:読売新聞

以前、女性天皇の議論が持ち出されたときは、ゴリゴリの保守派の中から「神武天皇のY染色体が受け継がれている」などという意味不明な異論が飛び出して大混乱。そのうち、弟さんちに息子さんが生まれて、議論は沙汰止みになってしまいました。そこで、こんどは「女性宮家」という搦め手でやってきたと言うところでしょうか。しかし、女系皇族の皇位継承を認めなければ、わざわざ宮家をたてる意味がありません。

イギリス王室は、女性の王位継承も認めていますが、男性の継承者ががいる場合はそちらを優先するというこれまでのルールは非民主的だということで、性別を問わず長子優先にルールを変更したばかりです。男子優先でも非民主的なのだから、男系男子に限るというのがどれほどアナクロかはいうまでもありません。

英王位継承、男子優先など「時代遅れな」規定廃止へ:AFP BBNews

しかし、天皇の存在がそもそも差別ですからねぇ…。そこらあたりから議論した方がよいように思います。

「女性宮家」創設検討を…宮内庁、首相に要請

[2011年11月25日03時01分 読売新聞]

 宮内庁が、皇族女子による「女性宮家」創設の検討を「火急の案件」として野田首相に要請したことがわかった。
 併せて安定的な皇位継承制度の実現も求めている。皇室典範は、女性皇族について、一般の人との結婚などにより皇族の身分を離れるとしており、女性宮家創設にあたっては、宮家の当主となる女性皇族が結婚後も皇族の身分を保つよう、典範の一部を改正することになる。
 現在の皇室の構成は、天皇陛下と皇族方22人。男性皇族方7人のうち4人は60歳を超えている。また、未婚の皇族女子は、天皇陛下の孫では皇太子ご夫妻の長女、愛子さま(9)、秋篠宮ご夫妻の長女、眞子さま(20)、次女の佳子さま(16)の3人、昭和天皇の弟の三笠宮さまの孫にあたる彬子さま(29)ら5人、合わせて8人で、うち6人が成人されている。
 宮内庁側は、今後、結婚により女性皇族が皇籍を離れるなどして皇族方が少数になると皇室全体の活動に支障が出ると危惧しており、羽毛田信吾長官が先月5日に首相官邸で野田首相に直接、女性宮家創設により皇族方の減少をくい止めることが喫緊の課題と伝えたほか、政府高官にも同庁側から説明が行われた。

「女性宮家」国民的議論踏まえ検討…官房長官

[2011年11月25日14時42分 読売新聞]

 政府は、女性皇族が結婚後も皇族の身分を保つことができるようにする「女性宮家」の創設に向けた検討に入る。
 宮内庁が皇族方の減少を食い止めることが喫緊の課題と政府に伝えたことを踏まえ、国民的議論を踏まえて検討を進める方針だ。藤村官房長官が、25日午前の記者会見で明らかにした。
 藤村氏は記者会見で、野田首相が宮内庁の羽毛田信吾長官と10月5日に会談した際、皇室典範では女性皇族が結婚に伴い皇籍を離脱すると規定しているため、皇位継承資格者の確保が緊急性の高い課題となっていると説明を受けたことを認めた。
 その上で、「皇太子殿下、秋篠宮殿下の次の世代の皇位継承資格者は悠仁親王殿下お一方だ。安定的な皇位継承を確保するという意味では、将来の不安が解消されているわけではない」との認識を表明。「国家の基本にかかわる事項で、政府としても国民各層の議論を十分に踏まえ、今後検討していく必要がある」と述べた。
 女性宮家の創設には、皇室典範の改正が必要となる。この点について、藤村氏は「具体的な検討に直ちに入るということではない」と述べた。有識者会議をただちに設置することにも否定的な考えを示したが、「皇位継承資格者の話と、(女性)宮家の話の二つがそれぞれある」と検討を進める必要性を強調した。

英王位継承、男子優先など「時代遅れな」規定廃止へ

[AFP BBNews 2011年11月01日 15:37 発信地:パース/オーストラリア]

【11月1日 AFP】英連邦(Commonwealth)の首脳会議が28日、オーストラリア西部パース(Perth)で開かれ、英王室の継承権について、長女の継承や、カトリック教徒と結婚した者の継承を禁止する現行の規定を廃止することで合意した。
 英連邦のうち英女王を国家元首とする16か国は、改正について全会一致で合意した。同法を「時代遅れな規定」と述べていた英国のデービッド・キャメロン(David Cameron)首相は、改正に向けた合意について、英国の君主制の「歴史的な瞬間」だと語った。
 また、キャメロン首相は、英国国教会(Church of England)の最高権威者たる国王は今後もプロテスタントである必要があるものの、「カトリック教徒と結婚することが認められないのは、すでに他の宗教の者と結婚することについては認められていることを考えると、単純に誤りである」と語った。
 変更を目指す議論は、今年、現在第2位の継承権を持つウィリアム王子(Prince William)がキャサリン妃(Catherine, Duchess of Cambridge)と結婚したことから活発化していた。
 カトリック教徒やカトリック教徒と結婚した者の王位継承は、1701年の王位継承法(Act of Settlement)で禁止された。また王位の長子相続制は封建時代から長らく続いていたものの、同法によって正式に定められた。
 王位継承法のもとでは、男子の継承者がいる場合には女子を継承者から除外することが定められている。エリザベス女王(Queen Elizabeth II)が1953年に即位したのは、兄弟がいなかったためだった。

男系男子に限るなら、側室を置かないかぎり、継承者に困る事態が生じうるというのは、生物学的な必然。だからといって、いまのご時世に、国民統合の象徴には側室がいるというのは具合が悪い。ということで、大原則を変更しようということなのでしょうが、そこに立ちふさがるのが「神武以来のY染色体」などという意味不明のことを大まじめに主張するアナクロ超保守派のみなさん。はたして、そういう人たちの反対を押し切ってまで原則を変更しようという決意がなされたのでしょうか?

なお、この問題は典範の改正、したがって国会審議が必要ですが、憲法問題ではありません。念のため。

ところで、宮内庁長官は野田内閣発足直後にこの問題を新首相に提起したそうです。もしかして、内閣交代の度に、こういうことをやっているのでしょうかねえ。

追記。(11/26)
「皇室全体の活動に支障が出る」といっていますが、憲法に規定された天皇の活動は「国事行為」のみ。それ以外の活動は、無理してまでやるにはおよばず。支障が出るならやめてしまえばよいのではないでしょうか。

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