東京電力は原発なしでも電力は足りそうだ

2012年1月22日 (日) at 11:00:20 Posted in 事件・事故

東京電力は、天然ガスを使ったガスタービン発電施設を増設し、今年夏は原発なしでも大丈夫なようです。

コンバインドサイクル方式のガスタービン発電は、たとえば2機で150万kW、原発1基を上回る発電能力があります。熱効率も、最新式のものは60%と高く、単位熱量あたりのCO2排出量も少ないそうです。

東電、川崎火力増設計画を予定通り続行 電力不足に対応:日本経済新聞
東電、ガスタービンを省エネ化 千葉火力発電所:北海道新聞
原発抜きでも来夏の電力確保 東電試算:沖縄タイムス
東ガスが天然ガスの拡大強調、20年に発電事業を最大2.5倍:Reuters

東電、川崎火力増設計画を予定通り続行 電力不足に対応

[日本経済新聞 2012/1/19 19:36]

 東京電力は19日、川崎火力発電所の増設計画を予定通り実施すると発表した。液化天然ガス(LNG)を燃料とする高効率の発電設備(142万キロワット)を来年4月に着工させ、2016年以降の稼働をめざす。東電は福島第1原子力発電所事故による賠償費用を捻出するため経営合理化を進めているが、当面の電力不足にも対応する必要があるため、建設続行を決めた。
 川崎火力発電所の供給力は現在150万キロワットにのぼるが、東電は5月に供給設備を1基増設し、200万キロワット体制とする方針を決めている。さらに16年から17年にかけて142万キロワット分の設備を増強し、最終的な供給力を342万キロワットとする方針だ
 東電の発電所の新設を巡っては、昨年10月にまとめた「緊急特別事業計画」で他の電力会社が持つ電源を最大限活用、電力を融通するなどして設備投資を抑制させる方針を打ち出している。ただ、川崎火力発電所の増設は09年3月から進めており、「計画を変更する予定はない」(同社)としている。

東電、ガスタービンを省エネ化 千葉火力発電所

[北海道新聞2012/1/6 17:15]

 東京電力は6日、東日本大震災後の供給力不足を補うため、千葉火力発電所(千葉市)に緊急設置したガスタービン発電設備を省エネ型の「コンバインドサイクル方式」に変更する計画を発表した。出力も向上し、恒常的な基幹電源として活用して安定供給につなげる。
 東電は震災後、管内8カ所の火力発電所にガスタービンを設置し、電力需要が伸びた時に稼働させている。基幹電源に転換するのは千葉火力が初のケースとなる。
 千葉火力に設置したガスタービンは3基で出力は計約100万キロワット。転換後は3基で計150万キロワットに増える。2014年7月までに順次運転を開始する予定。

原発抜きでも来夏の電力確保 東電試算

[沖縄タイムス 2011年11月22日 19時11分]

 東京電力が来年の夏に向け、保有する全ての原発が東日本大震災の影響や定期検査で停止しても、火力発電や揚水式発電の増強により、今夏の最大供給力を上回る約5700万キロワットを確保できるとの試算をまとめたことが22日、東電関係者への取材で分かった。
 東電は福島第1原発事故後も「原子力は重要な基幹電源」との立場を変えていないが、実際には原発がなくても計画停電などの影響が出ない可能性が高い。原発を中心とした供給計画を立てているほかの電力会社にも影響を与えそうだ。
 国内の商業用原子炉54基のうち、東電は電力会社トップの17基を保有しているが、全供給力に占める原子力の割合は来春にはゼロになる見込み。(共同通信)

東ガスが天然ガスの拡大強調、20年に発電事業を最大2.5倍

[ロイター 2011年11月15日 17:05 JST]

 [東京 15日 ロイター] 東京ガスは15日、2012〜20年度までの長期経営計画「チャレンジ2020ビジョン」を発表し、天然ガス火力による国内電力事業について発電設備の規模を現在の200万キロワットから300万〜500万キロワットへの拡大を目指す計画を示した
 岡本毅社長は会見で、「原子力の役割が継続的に拡大すると想定しにくい状況で、天然ガスの果たす役割が大きくなるのは間違いない」と強調した。
 発電設備の増強における具体的な立地などは未定としているが、100万キロワット分は高い確率で可能とした。岡本社長は、残り200万キロワット分の増強について、「この冬の東日本の電力需給がほぼバランスするとみられているが、旧式の効率の良くない火力発電所の稼働が織り込まれている。古いタイプの発電所を置きかえていくのかどうかで状況は大きく変わる」などと語った。福島原発の事故を契機として政府が策定作業に入った新しいエネルギー政策によって、東京電力を含む電力供給体制の方向性がどのように決まっていくかによって左右されるとの認識だ。
 20年時点の供給ガス量は、11年度比46%増の220億立方メートルと想定。このうち、石油からの燃料転換により一般工業用の20年度までの年平均伸び率が8%、コージェネレーションなどの工業向け発電投用途で同4%と見込んでいる。20年度の当期利益について岡本社長は、「900億円超の水準を目指したい。09年度から11年度は特別利益を除くと500億円くらいが現状の実力。900億円超はかなりチャレンジングなもの」と述べた。
 20年度までの設備投資・投融資は2兆0600億円。年平均で約2300億円と、13年度までの現行計画(約1800億円)から27%引き上げる。あまり詳細に積み上げた計画ではないが「投資額としては相当大きく構えている」(岡本社長)としている。約2兆円のうち、LNG受け入れの日立基地(茨城県、15年度完成予定)から鹿島臨海工業地域までのガス幹線などのインフラ整備で7300億円、ガス田開発への参画や発電・都市ガス事業など海外事業で3200億円をそれぞれ充てる方針だ。(ロイターニュース、浜田健太郎;編集 田中志保)

ちょい古くなりましたが、昨年12月22日の日本経済新聞「大機小機」は、「節電社会構築に日本の勝機」と題して、 「コスト等検証委員会」の報告書によって「原発のコストが見かけより大きいことが裏付けられた」「火力とのコスト比較という観点からは答えは出ている」と指摘、「節電を進めれば、2030年ごろまでに原発に頼らないで済む状況を実現できる可能性もある」と言って、「省エネで世界をリードし、日本の商機と勝機を生み出すことにつながる」と述べている。

【大機小機】節電社会構築に日本の勝機

[日本経済新聞 2011/12/22]

 長期エネルギー計画の見直しが進められている。折から「コスト等検証委員会」の報告書が提出された。
 そのポイントは、原子力発電はそのリスクを踏まえると相当程度の社会的な費用がある、石炭や液化天然ガス(LNG)による発電は二酸化炭素(CO2)対策や燃料費上昇を加味しても原発との比較でコスト競争力を持ちうる、風力や地熱も条件がよければ原子力などと対抗しうる、太陽光は量産効果な どによりコスト低下が見込まれ、石油火力よりも優位となり、ピーク時対策の電源となる、といった点である。
 この報告によって原発のコストが見かけより大きいことが裏付けられた。これでもまだ原発コストは過小評価されているとの批判もあるが、火力とのコスト比較という観点からは答えは出ているといえよう。
 そのうえで報告書は、どの電源も長所と短所があり、どれを選択しても従来に比べ発電コストはかさみ、どの電源をどの程度組み合わせるかについて、複数のシナリオがありうるとしている。
 今後、電力の供給構造の改革と電力経営の効率化のあり方が問われることになるが、ここで忘れてならないのは、需要構造の改革である。報告書 でも、省エネ投資によって需要が減れば、発電のための追加投資が不要になり社会的なコストが低減できる、需要家も節電分の電気料金を払わなくてすむという コスト低減効果があると指摘し、省エネ投資のコストを差し引いても採算が合うと試算している。
 ただし実体経済はすでに先を行っている。近年、日本のエネルギー消費は政府の見通しを大幅に下回って推移している。リーマン・ショックによ る経済活動水準の低下の影響もあるが、日本全体で省エネが進んでいる効果が大きい。したがって今後の取り組み次第では、エネルギー需要見通しを大幅に下方 修正することも可能である。節電を進めれば、2030年ごろまでに原発に頼らないで済む状況を実現できる可能性もある。
 省エネ効果を上げるためには、電力消費の「見える化」や電力料金設定方式の変更、スマートハウス化、スマートシティの構築など、環境整備が 欠かせない。そしてこうした分野のシステム化と標準化こそが、省エネで世界をリードし、日本の商機と勝機を生み出すことにつながるのではないだろうか。(追分)

東京電力が原子力発電をあきらめたとは思わないし、実際、あきらめていないだろうが、しかし、他方で原発が全機停止することを想定して、こうやって着々と手を打っている訳で、そこはリアルに見ておくことが大事でしょう。

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