高橋秀直『「資本論」研究』を読み終えました

2012年7月21日 (土) at 12:45:29 Posted in 経済学, 読書

高橋秀直『「資本論」研究』(弘前大学出版会)

高橋秀直『「資本論」研究』(弘前大学出版会)

高橋秀直氏の『「資本論」研究――労働価値論・貧困の蓄積論・経済学批判』(弘前大学出版会)についてつぶやいたものをまとめました。途中から、段々と読みやすいか読みにくいかという話ばかりになってしまいました。スミマセン…

指摘されている点は、なかなか興味深い論点もあり、勉強になった点も多々ありました。しかし、大きく括れば高橋秀直氏も正統派的な資本論解釈に含まれると思うのですが、その高橋氏がその正統派的解釈を正統派批判という格好で展開されるものだから、なかなか積極的な主張を読み取るのが大変でした。

また、抽象的人間労働が価値の実体だという場合の、実体と形態、あるいは内容、質と量などのとらえ方については、そもそも論的な疑問があります。市場価値の加重平均による規定というのも、少し違うように思われる等々、私の資本論理解とは根本的なところで食い違う部分もありました。

  • こんなん届いた〜 高橋秀直『「資本論」研究』(弘前大学出版会) http://twitpic.com/a619hj posted at 20:18:01
  • 高橋秀直『「資本論」研究』。p.35 労働の二重性の捉え方について、「形態←→内容」と「質+量」とが不整合とするが、形態に対応するのは内容ではなく実体。実体は抽象的で、形態が内容(質)を規定する。 posted at 18:21:02
  • 高橋秀直『「資本論」研究』。有用労働は「形態←→内容」では包括的な労働の現実存在として捉えているが、「質+量」では労働の一側面として捉えているとするが、マルクス自身は抽象的人間労働は具体的有用労働に含まれると言っていた筈。形態・実体という捉え方に比べると、質・量という捉え方は貧しい posted at 18:27:20
  • 高橋秀直『「資本論」研究』。マルクスの考え方でいえば、労働の現実存在から形態を剥ぎ取ると、実体としての抽象的人間労働が含まれているのが分かるというもの。ここでも実体の対概念を内容としたことが混乱の原因。 posted at 18:29:52
  • 高橋秀直『「資本論」研究』 p.44 で突然「形態←→実体」把握なるものが登場。「形態←→内容」把握と同じなのか違うのかさえはっきりしない! posted at 11:02:31
  • 高橋秀直『「資本論」研究』第2章。商品を生産する労働が、商品のに側面に対応して質を生産する労働と量を生産する労働とに二重化する、とあるがまるきりアベコベではないのか。抽象的人間労働が、商品生産社会において形態規定を受けて価値の実体となる。抽象的人間労働自体は超歴史的。 posted at 18:52:01
  • 高橋秀直『「資本論」研究』第4章まで読了。4章末尾で価値実体を社会的必要労働と把握すれば差額地代の源泉が農業部門の剰余価値であることが説明できると書かれているが、4章のどこでそれが説明されているのか分からない。 #資本論」#マルクス posted at 14:31:16
  • 高橋秀直『「資本論」研究』第3章で市場価値論をめぐる通説批判。しかし「平均原理」批判と市場価値論をめぐる議論の批判がごちゃまぜになっていてよく分からない。そもそも投下労働の加重平均で価値が決まるという解釈自体が資本論に反していると思うのだが。 #資本論 #マルクス posted at 14:37:27
  • 高橋秀直『「資本論」研究』。漸く第8章まで読了。内容的には妥当なことが述べられているのだが、ともかく読みづらい。大きく括れば高橋氏の議論も通説の一部に思われるが、にもかかわらず本書が通説の批判として展開されているのが最大の原因だろう。勿体ないと思う。 posted at 08:41:31
  • 高橋秀直『「資本論」研究』。貧困化論をめぐる第7章は内容的には非常に興味深いテーマ。主張されている点もその通りと思うのだが、いかんせん初出が1979年では、いまさら30年前の議論を聞かされているようで、いささかげんなりする。 posted at 08:46:07
  • 高橋秀直『「資本論」研究』。面白いのは第一部蓄積論の成立過程を扱った第8章。61〜63年草稿から第一部草稿へ、現行資本論へとマルクスが理論的に飛躍した部分だ。ただ、プラン問題とも密接に関わるのだが、高橋氏のプラン理解がどうなっているのかまとまった展開が ないのでわかりにくい。 posted at 18:03:00
  • @marukenkyu 先程は失礼。8章でいえば、第一部草稿の「諸結果」が放棄されて第23章の主題と位置が明確されたことによって、第一部が資本の生産過程論として第一部だけで「完結した全体」として完成されたというのが高橋氏の主張のようですね。 posted at 21:22:57
  • 高橋秀直『「資本論」研究』第9章「労賃形態の『必然性・存在理由』」。「客観的事実」(現象形態)と客観的実在の区別、必然性と客観的根拠の区別を論じてなかなか面白い。「後払い」の読み方は高橋氏の指摘するとおりだと思う。他説の批判中心だが比較的読みやすい。 posted at 23:51:35

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