9条改正「反対」多数は各紙共通の結果

各紙の世論調査を見ても、9条改正は不要・反対は多数を占めている。

たとえば、5/2付の「朝日新聞」では、9条は「変えない方がよい」が63%で、「変える方がよい」の29%を大きく上まわっている。「日本経済新聞」5/3付の世論調査では、憲法改正の是非について、「現在のままでよい」が44%で「改正すべきだ」42%を上回った。

憲法改正不要48%、必要43% 朝日新聞社世論調査
憲法世論調査―質問と回答〈3・4月実施〉
憲法「現状維持」44%、改憲賛成を上回る 日経調査

改憲不要48%、必要43% 9条改正、反対63% 朝日新聞社世論調査
[2015年05月02日 東京 朝刊 1総合]

 憲法記念日を前に朝日新聞社は憲法に関する全国郵送世論調査を実施し、有権者の意識を探った。憲法改正の是非を尋ねたところ、「変える必要はない」が48%(昨年2月の調査は50%)で、「変える必要がある」43%(同44%)をやや上回った。▼3面=格差問題、10・11面=特集
 調査手法や質問文が異なり単純に比較できないが、憲法改正の是非は、中曽根内閣時代の1980年代の調査では、反対が賛成を上回っていた。次に改憲の是非を聞いた97年の調査以降は賛成が反対を上回ってきたが、安倍政権が憲法解釈を変えて集団的自衛権を使えるようにする議論を進めていた昨年の調査から再び逆転していた。
 男女別では、男性は「変える必要がある」と「変える必要はない」がともに47%となったのに対し、女性は39%対49%で「変える必要はない」が上回った。一方、安倍内閣支持層、自民支持層は「変える必要がある」がともに51%だった。
 また、憲法9条については「変えない方がよい」が63%(昨年2月は64%)で、「変える方がよい」の29%(同29%)を大きく上回った。女性は「変えない方がよい」が69%に及んだ。
 憲法はどんな存在か、考えに近い方を選んでもらうと、「簡単に変えない方がよい」が58%で、「柔軟に変える方がよい」の35%を上回った。
 自民党は憲法に「緊急事態条項」など新たな権利や条項を盛り込む改正を検討している。そこで、「新しい権利や条項を新たに加えるべき」か、「法律や制度を充実させればよいので、いまの憲法でも十分」か、考えに近い方を選んでもらうと、「加えるべき」は36%で、「いまの憲法でも十分」の55%の方が多かった。
 「加えるべき」と答えた人に「加えるべきもの」を複数回答で選んでもらったところ、次世代に借金を残さないようにする「財政規律条項」67%▽国や国民が環境保護につとめる「環境権」51%▽緊急事態の際に政府が国民の権利を一時的に制限できる「緊急事態条項」40%、の順だった。

憲法世論調査―質問と回答〈3・4月実施〉

 (数字は%。小数点以下は四捨五入。質問文と回答は一部省略。◆は全員への質問。◇は枝分かれ質問で該当する回答者の中での比率。〈 〉内の数字は全体に対する比率)

◆安倍内閣を支持しますか。支持しませんか。
 支持する  56
 支持しない 37

◇(「支持する」と答えた56%の人に)それはどうしてですか。あなたの気持ちに近いものを選んでください。
 安倍内閣に期待しているから  42〈24〉
 これまでの内閣よりましだから 53〈30〉

◇(「支持しない」と答えた37%の人に)それはどうしてですか。あなたの気持ちに近いものを選んでください。
 安倍内閣に期待していないから 68〈25〉
 これまでの内閣よりだめだから 12〈4〉

◆いま、どの政党を支持していますか。
 自民41▽民主8▽維新6▽公明5▽共産4▽社民1▽生活0▽次世代1▽太陽0▽元気0▽新党改革0▽その他の政党0▽支持政党なし33▽答えない・分からない1

◇(政党名を答えた66%の人に)それはどうしてですか。あなたの気持ちに近いものを選んでください。
 その政党に期待しているから 46〈30〉
 他の政党よりましだから   47〈31〉

◇(「支持政党なし」と答えた33%の人に)それはどうしてですか。あなたの気持ちに近いものを選んでください。
 政治に関心がないから   16〈5〉
 よさそうな政党がないから 69〈22〉

◆自分の意見が政治にどの程度反映されていると思いますか。
 十分反映されている     1
 ある程度反映されている  16
 あまり反映されていない  48
 まったく反映されていない 31

◆あなたにとって政治は、身近なものだと思いますか。それとも、遠いものだと思いますか。
 身近なものだ 30
 遠いものだ  65

◆あなたにとって憲法は、身近なものだと思いますか。それとも、遠いものだと思いますか。
 身近なものだ 48
 遠いものだ  46

◆あなたの生活水準は、次の中ではどこに入ると思いますか。
 上の上0▽上の下1▽中の上13▽中の中36▽中の下27▽下の上15▽下の下5

◆あなたが育った家庭の生活水準は、次の中ではどこに入っていたと思いますか。
 上の上0▽上の下3▽中の上16▽中の中37▽中の下22▽下の上16▽下の下5

◆10年後のあなたの生活水準は、次の中ではどこに入るだろうと思いますか。
 上の上0▽上の下2▽中の上11▽中の中30▽中の下27▽下の上16▽下の下10

◆安倍内閣の経済政策をどの程度評価しますか。
 大いに評価する    3
 ある程度評価する  46
 あまり評価しない  35
 まったく評価しない 13

◆安倍内閣の経済政策で、あなたの暮らし向きはどうなりましたか。
 よくなった  4
 悪くなった 21
 変わらない 73

◆豊かな層がさらに豊かになることで、貧しい層にも豊かさが自然に行き渡り、社会全体が豊かになることができると思いますか。
 豊かになることができる 10
 そうは思わない     85

◆豊かな層から税金を多く取って貧しい層との所得の格差を減らす再分配政策を、今よりも進めるべきだと思いますか。
 進めるべきだ  62
 そうは思わない 31

◆お金に関してご自分は「勝ち組」だという意識を持ちますか。「負け組」だという意識を持ちますか。どちらでもありませんか。
 勝ち組      4
 負け組     21
 どちらでもない 71

◆日本では最近、所得の格差が広がってきていると思いますか。
 広がってきている 76
 そうは思わない  20

◆いまの日本の社会にある所得の格差は、許容できる範囲内だと思いますか。それとも、行き過ぎていると思いますか。
 許容できる範囲内だ 46
 行き過ぎている   44

◆日本では最近、豊かな家庭の子どもの方が、貧しい家庭の子どもよりもよい教育を受けられる、教育の格差が広がってきていると思いますか。
 広がってきている 63
 そうは思わない  32

◆いまの日本では、子どものころの生活水準が大人になっても引き継がれ、格差が固定化しつつあると思いますか。
 固定化しつつある 51
 そうは思わない  44

◆最近の世の中を見て、社会的な地位や、経済的な豊かさを得るチャンスはみんなに平等にあると思いますか。それとも、チャンスは一部の人たちにかたよっていると思いますか。
 みんなに平等にある      29
 一部の人たちにかたよっている 65

◆いまの日本では、所得の格差は、個人の能力や努力で決まる面が多いと思いますか。それ以外で決まる面が多いと思いますか。
 個人の能力や努力で決まる面が多い 48
 それ以外で決まる面が多い     44

◆いまの日本は、一度おくれをとると、挽回(ばんかい)できない社会だと思いますか。
 挽回できない社会だ 35
 そうは思わない   59

◆働いても働いても豊かになれない、いわゆる「ワーキングプア」は、身近な問題だと思いますか。それとも、遠い世界のことだと思いますか。
 身近な問題だ   83
 遠い世界のことだ 10

◆いまの日本では、仕事を失ったり、生活に困ったりした場合に備えた失業給付や生活保護などの「セーフティーネット」は、十分整っていると思いますか。十分整っていないと思いますか。
 十分整っている  28
 十分整っていない 61

◆憲法では、国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利があるとされています。これは、どの程度実現されていると思いますか。
 ほぼ実現されている     6
 ある程度実現されている  57
 あまり実現されていない  29
 ほとんど実現されていない  5

◆憲法では、国民は、ひとしく教育を受ける機会を有するとされています。これは、どの程度実現されていると思いますか。
 ほぼ実現されている    15
 ある程度実現されている  60
 あまり実現されていない  20
 ほとんど実現されていない  3

◆以下は、憲法第9条の条文です。(憲法9条条文は省略)憲法第9条を変える方がよいと思いますか。変えない方がよいと思いますか。
 変える方がよい  29
 変えない方がよい 63

◇(「変える方がよい」と答えた29%の人に)それはどうしてですか。
 国際平和に、より貢献すべきだから         33〈9〉
 今の自衛隊の存在を明記すべきだから        31〈9〉
 日米同盟の強化や東アジア情勢の安定につながるから 28〈8〉

◇(「変えない方がよい」と答えた63%の人に)それはどうしてですか。
 戦争を放棄し、戦力を持たないとうたっているから 53〈34〉
 今のままでも自衛隊が活動できるから       31〈20〉
 変えると東アジア情勢が不安定になるから     12〈7〉

◆安倍首相は、「積極的平和主義」を掲げています。これは、日本の安全およびアジア太平洋地域の平和と安定を実現しつつ、国際社会の平和と安定そして繁栄を確保するためにこれまで以上に積極的に寄与していくことだ、と政府は説明しています。「積極的平和主義」という言葉に、どのようなイメージを抱きますか。
 よいイメージ  28
 悪いイメージ  20
 どちらでもない 48

◆日本は武器の輸出を原則として禁じてきましたが、最近は認めるケースが増えています。武器輸出の拡大に賛成ですか。反対ですか。
 賛成 14
 反対 80

◆政府の途上国援助、ODAでは他の国の軍への支援を事実上、禁止していましたが、安倍政権は災害救助など非軍事の目的に限って、軍への支援を解禁しました。このことを評価しますか。評価しませんか。
 評価する  62
 評価しない 31

◆自衛隊が海外で活動してよいと思うことに、いくつでもマルをつけてください。
 災害にあった国の人を救助する       95
 危険な目にあっている日本人を移送する   80
 国連の平和維持活動に参加する       66
 重要な海上交通路で機雷を除去する     47
 人質になった日本人を武器を使って奪い返す 21
 アメリカ軍に武器や燃料などを補給する   15
 アメリカ軍と一緒に前線で戦う        4

◆憲法第9条を変えて、自衛隊を正式な軍隊である国防軍にすることに賛成ですか。反対ですか。
 賛成 23
 反対 69

◆アメリカ軍など外国の軍隊に対する自衛隊の後方支援についてうかがいます。支援の相手国や活動範囲、給水・給油といった支援の内容を広げることに賛成ですか。反対ですか。
 賛成 39
 反対 50

◆外国の軍隊に対する自衛隊の後方支援の範囲を広げることで、後方支援にとどまらず、日本が戦争に巻き込まれるかもしれないという不安をどの程度感じますか。
 大いに感じる   39
 ある程度感じる  49
 あまり感じない   9
 まったく感じない  1

◆安倍政権は、集団的自衛権を使えるようにしました。このことを評価しますか。評価しませんか。
 評価する  35
 評価しない 54

◆安倍政権は、憲法改正の手続きを踏んで憲法を変えるのではなく、内閣の判断で憲法解釈を変えて、集団的自衛権を使えるようにしました。このことは適切だったと思いますか。適切ではなかったと思いますか。
 適切だった    24
 適切ではなかった 67

◆安倍政権は、集団的自衛権を使えるようにするなどしてアメリカとの軍事協力を強めようとしています。こうした安倍政権の姿勢は、東アジアの平和と安定にとって、どちらの面が大きいと思いますか。
 プラスの面  34
 マイナスの面 50

◆外国の軍隊への後方支援や集団的自衛権を使うかなどを決める、いまの政府や政治家の判断を信用できると思いますか。信用できないと思いますか。
 信用できる  22
 信用できない 65

◆憲法は、簡単に変えない方がよいと思いますか。それとも、柔軟に変える方がよいと思いますか。あなたの気持ちに近い方を選んでください。
 簡単に変えない方がよい 58
 柔軟に変える方がよい  35

◆いまの日本の憲法は、全体として、よい憲法だと思いますか。そうは思いませんか。
 よい憲法    63
 そうは思わない 24

◆いまの憲法を変える必要があると思いますか。変える必要はないと思いますか。
 変える必要がある 43
 変える必要はない 48

◇(「変える必要がある」と答えた43%の人に)いまの憲法のなかでとくに変える必要があると思う分野はどれですか。(二つまで選択)
 天皇制             11〈5〉
 戦争放棄と自衛隊        32〈14〉
 国民の権利と義務        22〈9〉
 国会(衆議院と参議院)の仕組み 53〈23〉
 地方自治            24〈10〉
 憲法を変える手続き       28〈12〉

◇(「変える必要はない」と答えた48%の人に)いまの憲法のなかでとくに大切だと思う分野はどれですか。(二つまで選択)
 天皇制             20〈10〉
 戦争放棄と自衛隊        78〈37〉
 国民の権利と義務        67〈32〉
 国会(衆議院と参議院)の仕組み  7〈3〉
 地方自治             7〈3〉
 憲法を変える手続き        7〈4〉

◆憲法改正は、現実的な問題になってきていると思いますか。それとも、まだ先の問題だと思いますか。
 現実的な問題 66
 まだ先の問題 28

◆国会議員の中には、憲法第9条を変えやすくするために、まず国民の賛成が多い条項を変えて、国民に憲法を変える手続きに慣れてもらう、という考え方があります。この考え方を評価しますか。評価しませんか。
 評価する  32
 評価しない 60

◆新しい権利や条項を憲法に新たに加えるべきだ、という意見があります。一方で、いまの憲法でも十分対応できる、という指摘もあります。これについて、あなたの考えに近いのは、次のどちらですか。
 新しい権利や条項を新たに加えるべきだ          36
 法律や制度を充実させればよいので、いまの憲法でも十分だ 55

◇(「新しい権利や条項を新たに加えるべきだ」と答えた36%の人に)次に挙げるなかで、いまの憲法に新たに加えるべきだと思うものはどれですか。いくつでもマルをつけてください。
 良好な環境を享受できるよう、国や国民が環境保護につとめる「環境権」               51〈19〉
 次世代に借金を残さないよう、国が財政の規律を保つ「財政規律条項」                67〈25〉
 外国の武力攻撃や大災害など緊急事態の際に、政府が国民の権利を一時的に制限できる「緊急事態条項」 40〈15〉

◆憲法は第96条で、憲法を変えるためには、衆議院と参議院でそれぞれ3分の2以上の議員が賛成して提案し、国民投票で過半数が賛成することを必要としています。この第96条を変えて、衆参それぞれ過半数の議員の賛成で提案できるように条件を緩めることに賛成ですか。反対ですか。
 賛成 27
 反対 65

 <調査方法> 全国の有権者から3千人を選び、郵送法で実施した。対象者の選び方は層化無作為2段抽出法。全国の縮図になるように338の投票区を選び、各投票区の選挙人名簿から平均9人を選んだ。3月18日に調査票を発送し、4月27日までに届いた返送総数は2115。無記入の多いものや対象者以外の人が回答したと明記されたものを除いた有効回答は2052で、回答率は68%。
 有効回答の男女比は男48%、女51%、無記入1%。年代別は20代11%、30代12%、40代16%、50代17%、60代22%、70代13%、80歳以上8%、無記入1%。

憲法「現状維持」44%、改憲賛成を上回る 日経調査
[日本経済新聞 2015/5/3 3:30]

 日本経済新聞社とテレビ東京が3日の憲法記念日を前に共同で実施した世論調査で、憲法について「現在のままでよい」が44%、「改正すべきだ」が42%だった。同様の方法で調査している2004年以降、わずかな差ながら初めて現状維持が改憲賛成を上回った。
 改憲賛成は昨年より2ポイント低く過去最低。現状維持は昨年と並んで過去最高だった。
 「現在のままでよい」と答えた人に理由を複数回答で聞くと「平和主義が変質するおそれがある」が57%(昨年は48%)で最も多かった。「よほどのことがない限り改正すべきでない」が46%(同47%)、「現在のままで特に問題はない」が30%(同27%)で続いた。
 「改正すべきだ」と答えた人に「どのようにすべきか」を複数回答で尋ねると「二院制など国会のあり方を見直すべきだ」が47%(同58%)と最多。今回、新たに加えた「大災害時の政府や国会の対応を定めるべきだ」が42%で続いた。「戦争の放棄を定めた9条を見直すべきだ」(同34%)と「改正の要件を緩和すべきだ」(同28%)はともに29%だった。
 内閣支持層では改憲賛成が53%を占め、現状維持の35%を上回った。不支持層では改憲賛成が29%にとどまり、現状維持が59%に達した。男性では改憲賛成が48%で、現状維持は42%。女性は改憲賛成が37%で、現状維持は45%。
 集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈の変更などを受け、大型連休明けには新たな安全保障法制の審議が始まる。自民党内では来年夏の参院選後に、改憲を発議(提案)する機運も出てきている。調査結果には、改憲を巡る一連の動きが影響した可能性がある。
 調査は日経リサーチが4月17?19日に全国の成人男女を対象に乱数番号(RDD方式)で電話で実施。有権者のいる1552世帯から1026件の回答を得た。回答率は66.1%。

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