本日付の日本経済新聞「大機小機」は「企業は若者への投資を」。
若者を正社員として採用して育成していくには、「企業は大きな負担を強いられる」が、「企業の将来を背負うのは、こうした若者である。若者への投資を怠る企業は、将来に大きなリスクを抱えることになる」と指摘。
古川元久・経財相が、「2%程度の緩やかなインフレの達成」を全力でめざすと発言。
2%程度の緩やかなインフレ達成に向けて努力=経済財政担当相 | Reuters
デフレ脱却のためのターゲット・インフレ論だけれども、通貨政策でデフレを脱却できるというのは勘違いもいいところ。
「日本経済新聞」の元旦社説は、清沢洌まで引っ張り出して、国家戦略による「資本主義の進化」を要求している。それに比べれば、同じ「日経」でも、大晦日のコラム「大機小機」の方がよほどまともなことを言っている。曰く――
しかし、コラム子が言うように、はたしてこれが「資本主義の自浄能力」によって達成されるのだろうか? そうでなければ、社会の力でルールを確立しなければならない。
野田内閣の2011年「置き土産」みたいな消費税増税案。「毎日新聞」には、こんな記事が出ていました。
消費税10%なら:「夫婦と子ども2人」現役世代に打撃 – 毎日新聞
これによると、2015年の現役世代の可処分所得は、消費税の増税、その他諸々の増税・負担増で、こんなに減ります。
世帯年収 300万円 500万円 800万円 1000万円 1500万円 40歳以上(夫婦子ども2人) 所得の減少額 24 31 41(43) 71(50) 85(67) うち消費税負担増 11 17 25(26) 29(32) 42(45) 40歳未満単身世帯 所得の減少額 12 19 29 35 うち消費税負担増 10 16 24 29 ※単位・万円。現役世代は働き手は1人と想定し、カッコ内に共働き世帯を表示。
[毎日新聞2011年12月31日付]
300万円世帯で24万円、月2万円もの負担増。1500万円世帯でも85万円、およそ月7万円の負担増になります。それだけ確実に消費は落ち込むわけで、景気の悪いこの時期に一体なんでこんなとんでもないことをやるのかとあらためて思います。
もうすっかり古い記事になってしまったが、10月の完全失業率が0.4ポイント上昇したというニュース。
確かに、「日本経済新聞」が指摘するように、景気が少し上向きになって「求職活動」をおこなう人が増えたという可能性は十分ある(なにせ、日本の失業統計は「求職活動」をしなければ失業者にもなれないのだから)。しかし、それは「失業率が0.4ポイントあがったけど、それは見かけ上のことだ」ということにはならない。むしろ、それまで潜在化していた失業者が顕在化してきたということであって、したがって、「いままで失業率が低くなっていたが、本当はもう少し高かったんだ」と読むべきだろう。
山下満昭さんがTwitterで紹介されていたデータ。大もとをたどると、経済産業省の「海外事業活動基本調査」でした。
その中に、海外に進出している日本企業にたいして、投資を決定したさいのポイントについての質問があって、それにたいする回答をみると、トップは「現地の商品需要が旺盛または今後の需要が見込まれる」68.1%。対照的に、「税制、融資等の優遇措置がある」はわずか10.6%という結果が出ています。
私もかねがね、「資本は儲かるところへ出て行くもの。日本企業が海外に出て行くとしたら、それは日本がもうからないからだ」と言っていたのですが、なかなかそれを裏づけるデータがありませんでした。
ということで、経済産業省「海外事業活動基本調査」はこちら↓。
これもすでにTwitterでつぶやいたネタですが、昨日の「産経新聞」の「日曜経済講座」に、勤労者世帯の所得がこの10余年で10%以上も減っているというグラフが載っていました。
勤労者世帯の所得がこの10年余でどんなに減少したかというグラフ。まずもって、「産経新聞」がこんなグラフを載せたのかと驚きましたが、あらためてこんなに勤労者世帯の所得が減ったのでは、そりゃ日本の景気は上向かんわな〜 と思いました。「産経新聞」のような保守派論壇から見ても、勤労者世帯の所得や可処分所得が減り続けているのはけしからん!ということなのでしょう。
とはいえ、論説はデフレ脱却のために「量的緩和」に踏み切れというのが落としどころになっていて、デフレの原因をまったく突けていないのは、やっぱり「産経新聞」というところでしょうか。
本日(10/16)の日本経済新聞の社説を、お読みになりましたか? 題して「個人消費は工夫でもっと掘り起こせる」。
曰く、社会が成熟すると「国内の個人消費はもうあまり伸びない」という見方は「本当だろうか」。「今月発表された流通業界の決算や、震災後の消費者行動は、国内市場に開拓の余地が大きいことを示している。成長の機会を逃すべきではない」云々。
先日の古典教室で、講師の不破さんは、資本にとっては、労働者は、労働力の売り手としてはできるだけ賃金を安くしておきたいが、買い手としてはできるだけたくさん商品を買ってもらいたい――この生産と消費の矛盾は、資本主義にとって避けがたい体制的矛盾だということを、マルクス『資本論』の文章を引いて紹介していましたが、この社説は、まさにそのことを表わしているのではないでしょうか。
少し古い記事だが、ロイターがおこなった企業調査の結果がウェブに出ていた。
記事では「電力不足問題、製造業の海外シフト要因に」となっているが、調査結果をみると、「中期的な電力不足や電力コスト上昇は、業務拠点を海外にシフトさせる要因となるか?」の質問に、「なる」と答えたのは13%だけ、50%は「ならない」と答えている。製造業に限っても、「なる」は25%にたいして「ならない」は38%だ。
海外需要にかんしても、「震災前を下回る」と答えているのは全体の23%、製造業では15%しかない。それにたいして、内需については、全体の42%、製造業の46%が「震災前を下回る」と回答している。むしろ問題なのは、内需の落ち込みなのだ。
ロイター企業調査:電力不足問題、製造業の海外シフト要因に:Reuters
ところで、「電力不足が続くと、企業が海外に出て行ってしまう」という議論にたいし、今日の「しんぶん赤旗」日刊紙がおもしろい話を紹介している。
自動車メーカーのスズキが、浜松市の本社をはじめとする生産・開発拠点を移転させることを明らかに。原発リスクを避けようという動きだ。
財界・大企業全体としては原発推進路線なのだが、個々の企業としては、自分のところが原発事故に巻き込まれる危険は避けたいもの。震災の影響で、数日、工場が止まるだけでも、トヨタなんかは世界中の工場が止まった。まして、自分の工場が避難区域に指定され、何年も使えなくなる可能性があるとすれば、企業としては放置できないだろう。
これはいってみれば、財界・大企業の「内部矛盾」にすぎないのだが、それでも原発リスクが経済の論理では管理できないことを示しているし、政府・電力会社が進めてきた「安全神話」にたいする大企業自身が突きつけた不信であるともいえる。
震災・原発事故関連の記事ばかりの毎日ですが、政府の2011年版「子ども・若者白書」が発表されました。
10代の失業率1割に迫る…9.8%:読売新聞
若者の非正規雇用30% 子ども白書、閣議で決定:東京新聞
白書そのものは、こちら↓から読むことが出来ます。
白書をつらつら眺めていて驚いたのは、子どもの貧困率。
大震災の影響で、パンや牛乳・ヨーグルトがスーパーからなくなったり、納豆が品薄になったりしていますが、ちょっと意外なのが、印刷用のインキや用紙が供給不足になっていること。さらに、JR西日本が、電車の部品が確保できないということで、間引き運転を始めたとか。さらに、テレビの業務用テープも、シェア7割の工場が停止して、一気に品不足になっているそうです。
東京は、電力だけでなく、いろんなもので実は東北地方にお世話になっていたんですねぇ。
丸善石油化学、印刷用インキ原料の工場再開に最低1年:日本経済新聞
雑誌や本の発行ピンチ インクも「紙」も品不足:J-CASTニュース
震災で部品不足 運転本数削減:NHKニュース
【東日本大震災】テープがない! テレビ業界悲鳴「シェア7割」のソニー工場被災:MSN産経ニュース
【東日本大震災】住宅資材不足深刻化 震災・物流寸断・計画停電も追い打ち:MSN産経ニュース
しかし、震災の影響は、実はこれからなのかも知れません。
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