Category Archives: 政治学

アメリカ副大統領ウェイドは副大統領ではない?!

人から尋ねられて、調べてみました。

『資本論』初版序文(ディーツ版16ページ)に、「奴隷制の廃止以後、資本および土地所有諸関係の変化が日程にのぼっている!」と発言した主として、アメリカ合衆国副大統領ウェイドが登場します。

ウェイドについては、大月版資本論の人名注でも、新MEGAの人名注でも、ベンジャミン・フランクリン・ウェイド、アメリカ合衆国副大統領(在任1867-69年)と出てきます。1867年にリンカーン大統領が暗殺されて、そのときの副大統領アンドリュー・ジョンソンが大統領に昇格します。ですから、在任1867-69年の副大統領ということは、アンドリュー・ジョンソンが大統領に昇格したことにともなう副大統領ということになります。

しかし、Wikipediaの「アメリカ合衆国副大統領」の項を見ると、この時期は「不在」となっています。

これはどういうこと? ということで調べてみました。

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マルクスは世界の「片隅」で愛をさけぶ…?!

不破哲三『「科学の目」で見る日本と世界』(新日本出版社、2011年)

不破哲三『「科学の目」で見る日本と世界』

不破さんが新刊『「科学の目」で見る日本と世界』(新日本出版社)のなかで、マルクスがヨーロッパ資本主義を、それが大きな発展を遂げたあとでも、世界全体から見れば「小さな隅」にすぎないと指摘していたことを紹介されています[1]

この出所は、マルクスの1858年10月8日付のエンゲルス宛の手紙です。ところが、『全集』(第29巻)の翻訳と、『資本論書簡』(岡崎次郎訳、大月書店)の翻訳とでは、かなり文章が違っています。

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  1. 不破哲三『「科学の目」で見る日本と世界』新日本出版社、2011年、98ページ。もとは2010年10月に日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会の記念集会でおこなった講演。 []

「ライン新聞」編集部へのマルクスの手紙

『前衛』誌上で、不破哲三氏「講座 マルクス、エンゲルス革命論研究」の掲載が始まりました。昨年おこなわれた研究講座の「誌上再現」ということになっていますが、連載第1回ですでに、研究講座のときよりさらに詳しく突っ込んで書かれている問題が出てきます。

その1つに、「ライン新聞」を舞台にしたマルクスの活動があります。マルクスは、1842年4月から「ライン新聞」に論説を掲載し始め、同10月には主筆として編集に全責任を負うことになりました。これによって、「ライン新聞」は面目を一新されました。

同紙でマルクスがたたかう目標としたものの1つに、プロイセンの検閲制度があります。そのために、マルクスは戦術も注意深く考えたのです。論文では、そのことを示すマルクスの手紙が2つあると指摘されていたので、その手紙を読んでみました。

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ネグリを読む(6)

もう書き抜きをしている本人が、すっかり飽きてしまったので、最後にします。(^_^;)

『マルチチュード』第3部「民主主義」ですが、ここでネグリが言いたいことは、見出しを並べただけで分かります。

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ネグリを読む(5)

ネグリ『マルチチュード』のノートはついに下に突入。しかし、下に入るほど、ますます抜書きすべき箇所は減ってゆく…。

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引き続きネグリを読む(4)

アントニオ・ネグリ、マイケル・ハート著『マルチチュード』上(NHKブックス、2005年)

ネグリ『マルチチュード』(NHKブックス、2005年)の続きです。

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ネグリを読む(3)

『マルチチュード』(NHKブックス、2005年)の抜き書きはまだまだ続く。

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ネグリを読む(2)

ネグリ『マルチチュード』の続き。

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ネグリを読む(1)

アントニオ・ネグリの『マルチチュード』上(NHKブックス、2005年)をつらつら[1]読んでみた。『〈帝国〉』が情勢論だとしたら、『マルチチュード』はネグリの革命論。彼の議論には、「議会の多数を得ての革命」という立場がまったくない。

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  1. 「〔今まで、よくは考えなかった事の真意義や、見過ごして来た事どもを〕改めて考えたり、見つめたりして、真の価値は、どこに在るかについて認識を新たにすることを表わす。」(三省堂『新明解 国語辞典』第4版) []

娘さんに批判された山口二郎氏

「朝日新聞」11月11日付耕論欄「政治は大丈夫か」で、北海道大の山口二郎氏が姜尚中氏と対談をされている。テーマは、「大連立」をめぐって民主党が「よろめいた」問題。

その中で、山口二郎氏は、小沢氏の「大連立」→辞任騒動について、次のように発言されている。

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渡辺治氏、安倍政権の行き詰まりを批判

日経ビジネスオンラインが、安倍政権の行き詰まりと新政権の課題について、政治学者の渡辺治氏へのインタビューを掲載しています。

渡辺治・一橋大学大学院教授
渡辺治・一橋大学大学院教授

新政権、本当の課題(NBonline日経ビジネス オンライン)

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大嶽秀夫『再軍備とナショナリズム』

大嶽秀夫『再軍備とナショナリズム』カバー

下斗米伸夫『アジア冷戦史』(中公新書、2004年)とか松原隆一郎『分断される経済』(NHKブックス、2005年12月)とか、年末年始に読み終えたまま感想を書き込めないでいる本がいろいろ溜まってしまいました。

それらは順番に、ということで、まずは、大嶽秀夫『再軍備とナショナリズム――戦後日本の防衛観』から。もとは1988年に中公新書『再軍備とナショナリズム――保守、リベラル、社会民主主義者の防衛観』として刊行されたものですが、昨年12月に、サブタイトルだけ変更して、講談社学術文庫から再刊されました。テーマは、朝鮮戦争の時期における日本の再軍備をめぐる議論。警察予備隊から保安隊にいたる時期の吉田茂首相(保守派)、芦田均・石橋湛山・鳩山一郎ら(「リベラル」)、それに日本社会党の防衛論議を検討しています。

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高畠通敏氏の訃報

立教大学名誉教授の政治学者高畠通敏氏が、7日午前、肝不全のために亡くなられました。
共同通信の配信記事によれば、「東大法学部卒。東大助手を経て立教大教授に。1950年代後半から「思想の科学研究会」に参加。哲学者鶴見俊輔氏らと「転向研究」に取り組んだ。60年安保闘争では、安保改定に反対する市民グループ「声なき声の会」を結成し、事務局長を務めた」ということです。

以前から肝臓ガンを患われ、確か去年、論文集的なものが出たのが最後の著作になったのではないでしょうか。「市民派」ということで、時代の反動化にたいする批判は厳しく、それだけに最後まで「共産党嫌い」を押し通されたのは残念です。