シェーンベルクは難しい

昨夜は、サントリーホールで都響B定期を聞いてきました。

大野和士の指揮で、

  • シェーンベルク:ヴァイオリン協奏曲
  • ブルックナー交響曲第6番(ノヴァーク校訂原典版)

というプログラム。ヴァイオリンはコパチンスカヤ

前評判もよくチケットも早々に売り切れました。オイラは今シーズンはA定期なので、売り切れる前にチケットを買いましたが、なぜか2階センター前から2列目というお高い場所。普段そんな高いとこ買わないのに、どうした気の迷いかww

前半、シェーンベルクは素晴らしい演奏で、コパチンスカヤも大感激したのか、演奏終了後何度もオケに大きな拍手を送っていましたが、オイラにはやっぱり難しい…。12音階って、どこをどう聞いたらいいのか、やっぱりよくわからないまま半落ち状態で終わってしまいました。

後半ブルックナー6番は、明朗、快活な演奏。個人的には、気持ちもう少しゆっくりしたテンポで、丁寧に音を積み上げてほしかったと思いました。大野さんの熱い気持ちはわかるんですけどね

コバケン、ブル7を振る

土曜日、日フィルの定期演奏会を聞いてきました。小林研一郎・桂冠名誉指揮者の指揮で、

  • シベリウス:ヴァイオリン協奏曲
  • ブルックナー:交響曲第7番

という濃厚なプログラム。ヴァイオリンは、フランス出身の若手ヴァイオリニスト・アレクサンドラ・スム。身体にフィットした真っ赤なドレスが素敵でした。

で、1曲目、シベコンは予想に反してテンポ抑えめ。スムのヴァイオリンもせかせかしたところがなく、ゆったりたっぷり聴かせていただきました。

2曲目、コバケン&日フィルのブル7は、随分と前に聴いたことがありますが、その当時に比べてオケはずっと上手くなっていて、コバケンが煽ってもそれで爆裂させたりしなくなっていました。ただ、縦のラインが揃っていない(コバケン自身がそんなこと全然気にしていない)ので、印象としてはイマイチ。最終楽章も最後ぐしゃぐしゃになっていました。

あと、ワーグナーチューバの音がちょっと違うんじゃないかな、という感じ。それでも、もう爆発して収拾がつかなくなるんじゃないかという事前の心配は杞憂に終わりましたww

アレクサンドラ・スムは5月に都響定期に登場予定。

今年4回目

すんごいブル6を聴いてしまった!

昨日は、サントリーホールで読響の定期演奏会を聞いてきました。カンブルランの指揮で、

  • ブリテン:歌劇「ピーター・グライムズ」から“4つの海の間奏曲”
  • ヴィトマン:クラリネット協奏曲〈エコー・フラグメンテ〉
  • ブルックナー:交響曲第6番

というプログラム。

メインのブル6は、キラキラ輝いていて、彩り鮮やかで、テンポが良くて、小難しいところのない躍動感あふれる演奏、あっという間の56分間でした。

とくに、日橋さんらホルン隊が、ストレートなんだけど決して下品じゃない、素晴らしい音を響かせていました。そして、フォルテ部分になっても決して音があふれず、弱音部では木管の旋律もしっかり聞こえる絶妙のバランス!さすがカンブルランですね。若々しいムフフなブルックナーの新しい姿を見た思いがしました。

1曲目「ピーター・グライムズ」でも、金管は大活躍!以前にも聞いたことがある曲ですが、こんなに面白い曲だったとは思いもしませんでした。

そして、日本初演の2曲目。オケを上下で2つに分けて、下手は443Hzで、上手はバロックの430Hzでチューニングするという大変変わった曲でした。全体は僕の苦手な現代曲でしたが、読響ホルン隊は上手バロック側でナチュラルホルンを思い切り吹き鳴らしていましたww

【演奏会情報】読売日本交響楽団第574回定期演奏会
指揮:シルヴァン・カンブルラン(常任指揮者)/クラリネット:イェルク・ヴィトマン/コンサートマスター:崎谷直人(ゲスト)/会場:サントリーホール/開演:2018年1月13日 午後6時

楽劇「さまよえるオランダ人」

さまよえるオランダ人

昨日は横浜の神奈川県民ホールで、ワーグナーの楽劇「さまよえるオランダ人」を鑑賞。悪魔の呪いによって永遠に海をさまよい死ぬこともかなわない男に、唯一の救済は永遠の愛をささげる女性と結ばれること。彼は、ノルウェー船長ダーラントの娘ゼンタと出会い、ついに救わるかに思われたが…、というお話。

青山貴さんは、ぽっちゃり体型に白塗りメイクがオランダ人に不釣り合いに見えたが、歌い出したら、そんな違和感は吹き飛んでしまった。ダーラント・妻屋秀和さんがいいのは言うまでもなく、ゼンタ・橋爪ゆかさんも力強い声で存在感をアピールした。しかし、何よりも素晴らしかったのはオケ(神奈川フィル)。ホルン隊は全員女性のようだったが、豪勢に煌めく良い音を響かせて、これぞワーグナーという感じをいやが上にも盛り上げた。

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東響第635回定期演奏会

東京交響楽団第635回定期演奏会(2015年11月22日)

東京交響楽団第635回定期演奏会(2015年11月22日)

昨日は、ジョナサン・ノットの指揮で東京交響楽団の定期演奏会を聞いてきました。ピアノはエマニュエル・アックス。とても刺激的で魅力的な演奏会でした。

  • リゲティ:ポエム・サンフォニック-100台のメトロノームのための-
  • J.S.バッハ(ストコフスキー編曲):甘き死よ来たれ BWV478
  • R.シュトラウス:ブルレスケ-ピアノと管弦楽のための-
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第15番 イ長調 op.141

1曲目はリゲティ(1923-2006)が1962年に作曲した作品。副題にあるとおり、ホールに入るとステージに100台のメトロノームが並べられ、開演前から動いていて、バラバラにリズムを刻んでいます。それが時間とともにだんだん止まっていき、最後にすべてのメトロノームが停止するという超実験的な「作品」です。

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新国立劇場 プッチーニ「トスカ」

新国立劇場オペラ「トスカ」(2015年11月17日)

新国立劇場オペラ「トスカ」(2015年11月17日)

今夜は新国立劇場でプッチーニのオペラ「トスカ」の初日を見てきました。

今年8月に亡くなったアントネッロ・マダウ=ディアツの演出の再演(再演演出、田口道子)で、豪華な舞台で見ごたえ抜群でした!パンフレットの表紙にあるとおり、1幕最後の「テ・デウム」のシーンでは、オペラのストーリーとは関係ないけど、原作どおり王女様まで登場して豪華絢爛でした。ただい、僕は3階席なので上から見下ろすかっこうになり、司祭様より、王女様の衣装の真っ赤なお引きずりが印象的でした。

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新日本フィル第549回定期演奏会

新日本フィル第549回定期演奏会

新日本フィル第549回定期演奏会

本日は、サントリーホールで、新日本フィルの定期演奏会。ダニエル・ハーディング指揮で、

  • ディーン:ドラマティス・ペルソネ ※日本初演
  • ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調(ベンヤミン=グンナー・コールスによる新版2015) ※日本初演

前半ディーンのトランペット・ソロはホーカン・ハーデンベルガー。

この間、ハーディングは「復活」とか今回のブル7とか大曲を振るのに、なかなか結果が伴わず、今日のブル7もかなり心配していたが、果たして如何に。

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日フィル第675回定期

日フィル第675回定期演奏会

日フィル第675回定期演奏会

昨夜は、日フィルの定期演奏会でサントリーホールへ。来シーズンから首席指揮者就任が決まったインキネンの指揮で、前半はシベリウスの珍しい2曲。後半はマーラー撰集第6弾ということで、テノール/バリトンの組み合わせで「大地の歌」。

  • シベリウス:歴史的情景第1番 op.25
  • シベリウス:組曲《ベルシャザールの饗宴》
  • マーラー:大地の歌

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野田秀樹式「フィガロの結婚―庭師は見た!」を見た!

野田秀樹演出「フィガロの結婚?庭師は見た!」プログラム

野田秀樹演出「フィガロの結婚―庭師は見た!」プログラム

木曜日、池袋の東京芸術劇場で、野田秀樹による新演出「フィガロの結婚―庭師は見た!―」を見てきました。

さすが野田秀樹で、もう面白くてたまりませんでした。舞台を明治初期の長崎に移し、アルマヴィーヴァ伯爵はそこにやってきた外国のお殿様、フィガロ以下はそのお屋敷で働く召使という設定。フィガロはフィガ郎(大山大輔さん)、スザンナはスザ女(小林沙羅さん)、マルチェリナはマルチェ里奈(森山京子さん)、バジリオは走り男(牧川修一さん)などと妙な名前をあてられ、日本人同士は日本語で、伯爵や伯爵夫人、お小姓のケルビーノは原語で歌います。アントニオも庭師アントニ男として、これは俳優の広川三憲さんが演じ、日本語で筋書きの解説(レチタティーボ)で、さらにわかりやすく。野田流の超訳字幕もめちゃくちゃ面白かったです。

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新国立劇場 オペレッタ「こうもり」

こうもり

前日に続いて、29日、またまた新国立劇場で、こんどはヨハン・シュトラウス2世のオペレッタ「こうもり」を鑑賞。

「こうもり」は、主人公アイゼンシュタインに恥をかかされた友人ファルケが仕返しをするドタバタ喜劇。総譜に記されたセリフは限られており、上演のたびにアドリブでセリフを足して観客を笑わせるようになっている。去年、芸劇で見た「こうもり」は舞台を現代に移し、主人公もIT産業で成功を収めた男と今どきの設定に変更されていたが、今回はオーソドックスな演出ながら、招聘された俳優たちが片言の日本語を交えて、お客さんたちは盛り上がった。

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新国立劇場 ワーグナー「さまよえるオランダ人」

新国立劇場「さまよえるオランダ人」

新国立劇場「さまよえるオランダ人」

今年から新国立劇場・芸術監督に就任した飯守泰次郎氏の最初の公演、ワーグナー「さまよえるオランダ人」を28日に見てきた。ナマで見るのは初めだが、4階バルコニー最後列なので、せっかくの醍醐味は半分も味わえなかったかも。それでも十分楽しめたが。

それにしても、「さまよえるオランダ人」のテーマといいゼンタの救済のテーマといい、実に演歌調。運命に翻弄され、愛する男性のために最後は女性が命を落とす…。内容的にも、まったくの演歌だった。(笑)しかし、ストーリー的には、なぜゼンタがあそこまでオランダ人に憧れるのか、そこがさっぱり分からないまま終わってしまった。

ソリストたちはみなさんさすがの好演。とくにダーランド、ゼンタは格別でした。合唱も見事だった。ただ、オケのほうは、4階席だったからか、バランスや鳴りが悪く聞こえるときもあって残念だった。

【公演情報】
指揮:飯守泰次郎/演出:マティアス・フォン・シュテークマン/ダーランド:ラファウ・シヴェク/ゼンタ:リカルダ・メルベート/エリック:ダニエル・キルヒ/マリー:竹本節子/舵手:望月哲也/オランダ人:トーマス・ヨハネス・マイヤー/合唱:新国立劇場合唱団/管弦楽:東京交響楽団

読響第544回定期演奏会

読響第544回定期演奏会

読響第544回定期演奏会

1月16日(金)、読響第544回定期演奏会。サントリーホール

  • ウェーベルン:パッサカリア 作品1
  • シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 作品54
  • ブラームス(シェーンベルク編曲):ピアノ四重奏曲 第1番(管弦楽版)

指揮は準・メルクル、ピアノは金子三勇士。

シェーンベルクの編曲によるブラームスのピアノ四重奏曲第1番は、初めて実演で聴く曲で期待して出かけたが、難曲なのだろう、期待通りという部分とイマイチな部分とが半分半分という感じだった。

1曲目のパッサカリアはオケのまとまりがなく、さっぱりな出来。2曲目、シューマンのピアノ協奏曲は、三勇士くんが弱音部分をテンポ落として演奏したのは好みの分かれるところだろう。僕には、流れがよどんでしまったように感じられた。

それにしても、客の入りが悪い。せいぜい6割というところか。メルクルらしい凝ったプログラムなのに残念である。

今月2回目のコンサート。

都響第782回定期演奏会

都響第782回定期演奏会(Aシリーズ)

都響第782回定期演奏会(Aシリーズ)

冷たい雨が降る中、東京文化会館で都響第782回定期演奏会を聞いてきた。指揮は下野竜也氏。

     

  • 川島素晴:室内管弦楽のためのエチュード
  • シュネーベル:シューベルト・ファンタジー
  • カーゲル:ブロークン・コード

一柳慧プロデュース「日本管弦楽の名曲とその源流」シリーズ第19回。長く続いたこのシリーズも、今回と23日のB定期で最後となる。しかしいずれも苦手な現代曲で、どう聞いていいのかさえ分からないまま。ここしばらく肩・首の痛みで睡眠が浅く寝不足であることもあって、今年最初のコンサートは3曲ともほぼ爆睡状態。申し訳ない。

日フィル第665回東京定期演奏会

金曜日、日フィルの定期演奏会を聞いた。プログラムは、インキネンの指揮で、

  • シベリウス:交響詩《大洋の女神》
  • マーラー:交響曲第7番《夜の歌》

マーラーも楽しみだったが、シベリウスの「大洋の女神」が実演を聞くのが初めてで大いに期待した。

「大洋の女神」は、期待に違わず、インキネンの細部にまでこだわった演奏がシベリウスの繊細なハーモニーを浮かび上がらせて見事な演奏だった。

しかし、後半マーラー7番は、私には納得のいかない演奏だった。スッキリと見通しのいい演奏だったと評価する向きもあるようだが、マーラーらしい“何か”が欠けていた上、足許がたいそうもたついていたように聞こえた。金管は(トランペットを除いて)とてもいい音で大活躍したと思うが、インキネンが弦を極端に抑えるので、管と弦の音量のバランスが悪かったように思う。

どうも僕はインキネンとは相性が悪いようだ。

新日本フィル第533回定期演奏会

すみだトリフォニーホールで、新日本フィルハーモニーの定期演奏会を聞いてきた。ダニエル・ハーディングの指揮で、ブルックナーの交響曲第5番(ノヴァーク版)というプログラム。

期待をしたが、演奏は残念な出来だった。ハーディングは、ゼネラル・パウゼを意識してやたら大きくたっぷりとっていたが、それがこの曲の推進力を妨げてしまったようで、弦や管がバラバラになってしまった。また、対抗配置にしていたが、そのためにヴァイオリンの一体感が損なわれ、かえって演奏が薄っぺらくなったように思う。管のミスもあったし、弦も濁っていた。残念ながら、新日本フィルのいまの技量ではせいぜいこの程度かという出来だった。

当日のツイッターは賛否両論だったので、私の評価は一方的過ぎるのかもしれないが、誰もが認める成功といかなかったことだけは間違いない。

ところで、当日発表されたところでは、ハーディングは1年延長で2015/2016シーズンも指揮をとるが、インゴ・メッツマッハーは今シーズン(2014/2015)で契約期間満了、延長なしということになったらしい。

小沢征爾から新日本フィルを受け継いだアルミンクが退任したあと、新日本フィルは音楽監督(あるいは常任指揮者)不在の状態が続いている。ハーディングもメッツマッハーも年2回4プログラムを振るだけ。年10回の定期演奏会のうち、半分とは言わないが、オケの音づくりに責任を持つにはせめて年4回は振ってもらいたいと思うのだが、それを担当する指揮者がいない。

またハーディングは、マーラーやブルックナーなど大作ばかりをやる“巨艦大砲主義”なところがあって、いろいろと珍しいプログラムをやってくれるメッツマッハーのほうがオケのためにはよいと思うのだが、任期満了でお終いになってしまって残念だ。この間、日フィルがラザレフにしごかれてめきめき腕を上げているだけに、新日本フィルの置いてけぼり感が半端ない。早く新しい音楽監督を迎え、オケのレベルアップに取り組んでほしい。

日フィル第664回定期演奏会

日フィル第664回定期演奏会

日フィル第664回定期演奏会

2014年10月24日、日本フィルハーモニー交響楽団第664回定期演奏会。指揮はアレクサンドル・ラザレフ。

  • チャイコフスキー:弦楽セレナーデ ハ長調 op.48
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第4番 ハ短調 op.43

前半「弦楽セレナーデ」は、この曲にもこういう演奏スタイルがあるのかと思うほど、非常に躍動的な演奏だった。そして、最後はいつもの「ドヤ顔」フィニッシュ!

後半。ショスタコーヴィチの4番は、これまで何度か実演も聞いたことがあるし、CDも何種類かもっているが、それらと比べようのない圧倒的な演奏。冒頭からホールに収まりきらないほどの大音量が響き渡るが、決して音が濁らないのは、いまの日フィルの実力。エンディングでは、チェレスタの音が消えた後も、ラザレフは頭の上にあげた指を振って指揮を続け、そのあとようやく演奏は終了。その間、40秒ほどもあっただろうか、ここに万感の思いが込められていたことがよく分かる。

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読響第74回みなとみらいホリデー名曲シリーズ

今日は横浜まで出かけて、読響のコンサートを聞いてきた。もともとは9日の定期演奏会に行けなくなったので振り替えてもらったもの。指揮は下野竜也氏。

  • J.S.バッハ(ストコフスキー編曲):トッカータとフーガ BWV565
  • プーランク:オルガン、弦楽とティンパニのための協奏曲 ト短調
  • サン=サーンス:交響曲第3番 ハ短調 作品78 「オルガン付き」

バッハの「トッカータとフーガ」はもともとオルガン曲。それをオルガン曲ばかりのプログラムの今日、あえて管弦楽曲編曲版で聞くという趣向。いい意味で予想を裏切るような響きになっている部分もあって面白かった。

2曲目は、弦とオルガンとティンパニだけという変わった曲。プーランクの曲は苦手なのだが、とても優しい、いい感じの曲だった。で、そのまま寝落ち…。(^^;)

休憩後は、有名なサン=サーンスの「オルガン付き」。だが、実演で聞くのは初めて。CDでは今ひとつピンと来ないところもあったが、ナマで聞くと、オルガンと管、弦の掛け合いが面白かった。とくに今日は3階正面の最後列だったので、オケの音は下から、オルガンの音は真正面から聞こえてきて、その違いも不思議で面白かった。

しかし、このプログラムだけだと実演時間はせいぜい1時間ちょっと。いくらなんでも短いので、何かやるのでは?と思っていたら、最後にバッハの「小フーガ」のアンコール。こちらはオルガンと管弦楽の合奏版に編曲されていて、オルガン的響きと管弦楽的な響きとの対照がさらに面白かった。

バッハに始まってバッハに終わる、贅沢な演奏会だった。

【演奏会情報】 第74回みなとみらいホリデー名曲シリーズ
指揮=下野竜也/オルガン=小林 英之/ティンパニ=岡田全弘(読響首席ティンパニ奏者)/会場=横浜みなとみらい大ホール/2014年9月21日 午後2時開演

二期会オペラ「蝶々夫人」

二期会オペラ「蝶々夫人」

二期会オペラ「蝶々夫人」

27日(日)、上野の東京文化会館で、二期会のオペラ「蝶々夫人」を見てきた。栗山昌良の二期会オペラ演出60年を記念する企画でもある。

ストーリーはよく知られたとおり。第1幕では、戸籍管理官として神主が出てきたかと思えば、ボンゾーなる僧侶がでてきて、キリスト教に改宗した蝶々さんを「猿田彦の神」の信仰を捨てたと言って非難するなど、ジャポニズム満載で、何度見ても馴染めないのだが、第2幕では回りの心ない言葉に耳を貸さず、ピンカートンの帰りを待つ蝶々さんの切なさ、さらに第3幕ではピンカートンの夫人の姿を見るなりすべてを悟り、我が子をゆだねて自害して果てるストーリーに、もう涙ボロボロ、鼻ズルスル…。

マドンナの木下美穂子さんは、15歳の蝶々さんというには貫禄がありすぎた?感じもしなくはないが、ルスティオーニが目一杯鳴らすオケを圧倒する存在感は見事だった。スズキ役の小林由佳さんも良かった。男性陣では領事のシャープレスを演じた泉良平氏が役どころを上手く演じていたように思う。

【公演情報】
東京二期会オペラ劇場 二期会名作オペラ祭り
ジョコモ・プッチーニ作「蝶々夫人」
指揮:ダニエーレ・ルスティオーニ
演出:栗山昌良
舞台美術:石黒紀夫
出演:木下美穂子(蝶々夫人)、小林由佳(スズキ)、谷原めぐみ(ケート)、樋口達哉(ピンカートン)、泉良平(シャープレス)、栗原剛(ゴロー)、鹿野由之(ヤマドリ)、佐藤泰弘(ボンゾ)、渥美史生(神官)ほか
合唱:二期会合唱団
管弦楽:東京都交響楽団
2014年4月27日(日) 午後2時開演、東京文化会館

ショスタコーヴィチ弦楽四重奏曲フルマラソン!

日曜日、武蔵野市民文化会館で、ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲全曲演奏会を聴いてきました。全15曲を丸一日で演奏してしまおうという、トンデモ企画。

午前11時開演で、途中休憩をはさみながらとはいえ、終わったのは夜10時5分。最後の第15番はホールの照明も落としての演奏で、終わったあとは自然とスタンディングオベーション! ホントにお疲れさまでした。^^;

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若い躍動するブルックナー!!

東京交響楽団第615回定期演奏会

今日は、サントリーホールで、東京交響楽団の定期演奏会。指揮は、ユベール・スダーン。

  • シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 op.47
  • ブルックナー:交響曲第4番 変ホ長調 「ロマンティック」(ノヴァーク校訂1878/80年稿)

ブルックナーは、スダーンが全身を使ってぐいぐいと推進して、若々しい躍動感たっぷりの演奏でした。金管のきらめきっぷりはやっぱり東響!カーテンコールでは、スダーンもホルン・トップを2度も立たせていたほど(ま、小さな瑕疵がなかったわけじゃありませんが)。こういう若々しいブルックナー、僕は大好きです。

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