言葉だけでなく、資料と道理にもとづいた論立てが必要

われわれの意思が「微動だにしない」は当然だが、問題は、「ロシアによる占拠に根拠はない」「国際法的な評価は変わらない」と口でいうだけでなく、日本側の立場をきちんと国際法的な資料と道理で裏づけることだ。

北方領土、「われわれの意思は微動だにしない」 前原外相:AFPBB News

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沖縄返還を実現したのは世論の力

沖縄返還をめぐる外交文書が公開されました。NHKは、それをつたえるニュースの中で、当時の佐藤栄作首相が「政治主導」で返還を実現したと報道していますが、まったく読み違えもいいところ。

「懇談会」座長の大濱信泉・早稲田大学元総長が「強い線を打ち出さなければ、返還を求める過熱した世論は押さえられない」と語っているように、沖縄返還を求める国民多数の「世論」こそが返還を実現した一番の原動力です。そのことが、今回公開された外交文書でも確かめられたと言えます。

沖縄返還“政治主導”で実現:NHKニュース

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北朝鮮による韓国・延坪島への砲撃は許されない!!

北朝鮮が韓国・延坪島にたいしておこなった砲撃。これまでに、韓国軍人2人、民間人2人の死亡、民間人を含む負傷者が出ている。

確かに北方限界線(NLL)は、停戦ラインとは違って、国連軍(米軍)が一方的に設定したもので、北朝鮮側は認めていないとはいえ、延坪島が韓国側に属することは北朝鮮も休戦協定で認めてきた。そこへ突然砲撃を加えるのは、韓国側の軍事演習を「挑発」だと言っても、とても正当化できるものではない。

北朝鮮の国内的な事情や「意図」についてあれこれ論評するむきもあるが、大事なことは、こうした攻撃が許されないことだということで国際社会が足並みをそろえること。そして、この事態を平和的に解決すること。そういう立場で日本も役割を果たせるかどうかだ。

今回の事態について、日本共産党の志位和夫委員長が談話を発表。

北朝鮮による韓国・延坪島への砲撃について 日本共産党幹部会委員長 志位和夫

北朝鮮に抗議するにせよ、国際社会にはたらきかけるにせよ、いずれにしても、日本政府が誰がどこから見ても北朝鮮の今回の砲撃は許されないという論立てをしっかりさせることが大切だ――志位委員長の談話を読み、あらためてそう思いました。

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足場を確かにしないと交渉ごとは始まらない

前原外相が、千島領土交渉について「交渉そのものを根本的に見直すことが大事だ」と述べたというニュースが流れていた。事実上、これまでの日本政府の交渉方針の破綻を認めたものといえる。

では一体どうするつもりなんだろう? と思っていたら、共産党の志位和夫委員長が「歴代自民党政権の日ロ領土交渉方針の根本的再検討を」という見解を発表して、政府に申し入れた。

北方領土交渉「根本的に見直す」前原外相:読売新聞

日ロ領土交渉/歴代政権の方針の根本的再検討を/志位委員長が政府に提起:しんぶん赤旗
歴代自民党政権の日ロ領土交渉方針の根本的再検討を/2010年11月9日 日本共産党委員長 志位 和夫:しんぶん赤旗

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「尖閣諸島の日本領有は正当」 日本共産党があらためて見解を発表

日本共産党が尖閣諸島の日本領有は歴史的にも国際法上も正当であるとする見解を発表し、政府にたいして「日本政府自身が、尖閣諸島の領有について正当性があるということをしっかり発信していく必要がある」と申し入れました。

尖閣諸島問題 日本の領有は歴史的にも国際法上も正当 2010年10月4日 日本共産党

日本経済新聞は夕刊で、「共産党『尖閣領有は正当』 志位委員長が強調/歴史的にも国際法上も」と見出しをたてて5段のカコミ記事で大きく報道しています。見出しだけ読むと、まるで今回初めて日本共産党が尖閣領有は正当だという見解をまとめたように見えますが、しかし、日本共産党は、今回の見解でも指摘しているように、1972年に「尖閣列島問題にかんする日本共産党の見解」を発表して、尖閣諸島の日本領有はあきらかであるという立場を表明しています。

尖閣領有は正当 共産党が見解まとめる:日本経済新聞
共産、「尖閣領有の大義」主張を 弱腰政府にねじをまく:MSN産経ニュース
尖閣「日本の領有は正当」共産党が見解:読売新聞

それにしても不思議なのは「朝日新聞」の態度です。

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漁船長、「処分保留」で釈放

尖閣諸島で海上保安庁の巡視艇に衝突した中国船の船長が釈放されることになったというニュース。しかし、海上保安庁や検察を含め一連の対応は、よくわからないことだらけ。

【中国人船長釈放】「国民に納得のいく説明を」 共産委員長がコメント:MSN産経ニュース

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日本政府は核密約で「ひそかに同意」していた!!

日米核密約にまたまた新資料。1961年6月に米国務省が作ったメモのなかに、核密約について、「日本に立ち寄る艦船、航空機上の(核)兵器は問題としないとの点について日本政府は実際、ひそかに同意している。日本国民はこの秘密の取り決めを知らない」との記述あり。

外務省有識者委員会は、「暗黙の合意」だと言ったが、この資料は、60年の安保交渉当時から、日本政府の側も、「密約」であることをはっきり自覚して事に当たっていたことを明らかに示している。これで、またまた、有識者委員会の報告が成り立たないことが明らかになったわけだ。

核密約で日本側「ひそかに同意」 61年、ケネディ政権:共同通信
核密約に関する米文書の要旨:共同通信

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安保改定時から日本政府も「密約」であることを認識していた

「高知新聞」が、共同通信の配信記事として、「核密約」にかんする米国務省の秘密書簡が見つかったというニュースを1面トップで報道しています。

記事の中で「1960年の日米安全保障条約改定時に、藤山愛一郎外相が米国と交わした『秘密議事録』」と指摘されているのが、共産党の不破哲三・前議長がこれこそが密約本体だと指摘して追及した「討論記録」のこと。

外務省有識者委員会の報告書は、この「討論記録」について、1960年当時は日本側(岸首相や藤山外相)がその意味を認識しておらず、1963年4月にライシャワー駐日大使が大平外相に指摘して、初めてその意味を理解したとして、「暗黙の合意」が成立した(つまり、厳密な意味での密約ではない)と結論づけていました。

今回発見された書簡そのものは1963年3月のものですが、前年12月の書簡を引用する形で、1960年当時から岸、藤山両氏は「秘密議事録2項cの意味を明確に理解していた」と指摘しています。これによって、外務省有識者委員会の「暗黙の合意」「広義の密約」説は完全に崩壊。当初から、「密約」(公表しない外交上の取り決め)として1960年の「討論記録」が作成されたことがあらためて確認されたことになります。

安保改定時から密約認識 核持ち込み「明確に理解」:共同通信

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“密約は「有効ではない」。しかし、適切・迅速に対応します”では密約を公然と認めただけではないか?

岡田外相が、沖縄への緊急時核持ち込みを認めた1972年の「核密約」と朝鮮半島有事のさいの「事前協議抜き」の自由出撃を認めた「朝鮮有事密約」について、「現在は有効ではない」と表明し、アメリカ側もそれを認めていたことを公表。

しかし同時に、緊急事態のさいの「事前協議」について、「適切かつ迅速に対応する」(米側が「事前協議」で日本からの出撃を申し出れば、すぐにOKする)と、米政府に伝えたという。事前協議を申し入れれば「適切かつ迅速に対応」してくれるなら、確かに「密約」は不要だろう。「密約」が公然たる政府間了解になっただけのことなのだから。

沖縄への核密約「有効ではない」米も確認 岡田外相公表:朝日新聞
事前協議に「迅速対応」=半島有事で米と確認 – 政府:時事通信

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マルクスとリンカーンの交流

共産主義の生みの親マルクスと、米共和党初の大統領リンカーンとのあいだに実は交流があった、という話が話題になっています。

マルクスからリンカーンへの手紙というのは、1864年にリンカーンが大統領に再選されたときに、国際労働者協会(インタナショナル)がリンカーンに送った「あいさつ」です。マルクスが起草して、11月29日の中央評議会で採択され、ロンドン駐在の米公使を通じてリンカーンに送られました。これは、『マルクス・エンゲルス全集』第16巻に収録されています。

それにたいして、翌1865年1月28日に、リンカーンの指示による返書が中央評議会に届けられました。

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政府がついに「密約」であることを認めた!

共産党の志位和夫委員長の質問趣意書にたいして、政府は、「討論記録」は「文書自体は不公表とすることとして両政府の間で作成された合意文書」と回答(3月31日付)。

「不公表」とすることを目的とした「合意文書」というのは、要するに「密約」ということですね。

ちょうどその前日、不破哲三前議長が、米公開文書にもとづいて、安保条約改定交渉の第1日目から、アメリカ側は明確に核兵器積載艦船の寄港は事前協議の対象にならないと日本側に通告していたことを明らかにしました。これによって、外務省有識者委員会の「暗黙の了解」説(日米間に認識の相違があった)は根底から成り立たなくなっていました。同日、有識者委員会のメンバーの一人である春名幹男氏も「当初から密約の認識があった」とする「私見」を公表。もはや有識者委員会の「暗黙の了解」説は完全に破綻したといえます。

そこで、政府も、ついに「討論記録」は「密約」であったことを認めざるを得なくなった、というわけです。

「討議の記録」は合意文書、政府が見解 : 日経新聞Web版
核寄港密約:「米公文書2件裏づけ」共産・不破氏指摘 : 毎日新聞
「安保改定交渉当初から密約」共産・不破氏指摘 : 読売新聞
核搭載艦の寄港、通知文書発見 有識者委報告と食い違い : 朝日新聞
核搭載船寄港で密約示す新文書、共産前議長が発表 : 日経新聞Web版
共産・不破氏、核密約報告書を批判「誤った論だ」: MSN産経ニュース
日米核密約問題 共産・不破前議長がアメリカ側の新たな公文書を公開 : FNNニュース

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核抑止力にしがみつく日本の国会議員たち

20日のThe Japan Timesに、「日本の国会議員、オバマ大統領に核問題で書簡を送る」という大きな記事が出ていました。

記事を眺めてみると、超党派の国会議員といいながら、「日本共産党の議員を除く204人が署名した」とありました。共産党といえば、オバマ大統領と書簡を交換して、核兵器廃絶に一番熱心に取り組んでいるのに、なぜ賛成しなかったのだろう? と思って、国内メディアの記事を含めて、もう少し調べてみました。

Diet members send Obama nuclear letter | The Japan Times Online
超党派国会議員、核軍縮求める書簡 米大使に手渡す : 朝日新聞
核軍縮:オバマ氏の取り組み支持します 日本の議員204人、駐日大使に書簡 : 毎日新聞

そうしたら、この要望書が、アメリカ政府にたいして、いの一番に、「核兵器の『唯一の役割』は他国の核兵器の使用を抑止することだと宣言する」(朝日新聞)ことを求めたものだということが分かりました。

「抑止力」というのは、“何かあれば、本当に核兵器を使いますよ”ということを前提にして初めて成り立つもの。実際、これまでも、「抑止力」を口実にして、核軍拡競争が進められてきました。

アメリカの大統領が「核兵器のない世界をめざす」と言っているときに、あらためて「核抑止力」の宣言を求めるというのは、あまりに時代に遅れているのではないでしょうか。

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核密約 北岡伸一氏が座長で「検証」できるのか?

核密約の検証をするということで、「有識者委員会」が設置されましたが、座長は、北岡伸一氏だとか。

片岡氏は、自民党政権時代に国連大使をつとめたほか、小泉内閣では「対外関係タスクフォース」委員および「外交政策評価パネル」座長、日本版NSC設置検討のための「国家安全保障に関する官邸機能強化会議」委員、安倍内閣では「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」有識者委員をつとめるなど、自民党の外交政策に深くかかわってきた人物。

はたして、そのようなお方に「検証」ができるんでしょうか?

核密約:検証のための有識者委設置 北岡東大教授が座長 : 毎日新聞
核持ち込み密約:「再持ち込み」文書、見つからず : 毎日新聞
外務省、2密約は未確認 沖縄核と朝鮮有事 : 共同通信

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核密約文書、外務省にあった!!

本日の「朝日新聞」1面トップの記事。「核持込」密約の文書が、日本の外務省の保管資料のなかにあったといいます。

1959年6月という日付の「討議記録」という形で、60年1月に藤山愛一郎外相とマッカーサー駐日大使がイニシャルでサインをしているなど、2000年に共産党の不破哲三・衆議院議員(当時)が、アメリカ公開公文書をもとに国会で追及した資料と、完全に一致しています。

外務省に核密約裏付ける文書 保管資料調査で発見 : 朝日新聞
岡田外相、密約資料発見を示唆 : 日テレNEWS24

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核密約 ライシャワー元駐日大使の特別補佐官が証言

核兵器の持ち込みにかんする密約について、1963年にライシャワー駐日大使(当時)が、その公開を働きかけていたことを、当時、同大使の特別補佐官が証言。

核密約 元大使が公開働きかけ : NHKニュース
米 核密約の履行を再三要求 : NHKニュース

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毎日新聞、外交における信頼を共産党・不破前議長に学ぶ

「毎日新聞」風知草(2009年11月16日付朝刊)

今日の「毎日新聞」朝刊2面の「風知草」で、毎日新聞の山田孝男・専門編集委員が、「外交における信頼とは」というタイトルで論説を書いています。主要なテーマは、民主党の、あるいは鳩山首相の外交の「危うさ」で、沖縄・普天間米軍基地の移設問題などでの「言うそばから前言をボカ」す危うさを問題にしています。

面白いのは、そのなかで山田氏が、日中両共産党の理論会談についての不破さんの報告集『激動の世界はどこに向かうか』(新日本出版社)を取り上げていること。一見すると無関係な、この2つのテーマがどこで結びついたのでしょうか?

風知草:外交における信頼とは : 毎日新聞

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核問題で新たな日米協議機関?

日経新聞の夕刊に出ていた記事。

記事そのものは、鳩山内閣の「軸足が定まらない」ことにたいする批判が主だが、アメリカ側がこの問題に本気で取り組もうとしていることは明らか。ペリー元国務長官も、米国内では、大きく見ればオバマの核廃絶路線を進める側にいるのだろうが、しかし、仮にペリー氏のいうような新しい協議機関をつくって、そこで話し合いをしてみても、核兵器の運び込みを前提とする「拡大抑止」と非核3原則とが両立するはずもなく、結局は、新たな「密室」を作るか、非核「2原則」化になるか、どちらかしかないように思う。

鳩山政権がこんごどういう対応をするのか注目しなければならないが、なんにせよ、その動向を決めるのも国民世論だ。

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米、国連安保理で「核兵器のない世界を目指す」決議案

アメリカが国連安保理に、「核兵器のない世界」を目指すとする決議案を提出したそうです。

この決議案は、今月24日に開かれる「核不拡散と核軍縮に関する安保理首脳級会合」での採択を目指すもの。オバマ米大統領は、今年4月のプラハ演説で、「核兵器のない世界を目指す」と宣言しました。

この演説をうけて、志位委員長は、オバマ大統領に書簡を送りましたが、その中で志位委員長が提起した問題の1つが「核兵器廃絶を正面からの主題としての交渉」を開始することでした。それが実現に向かって動き始めたということでしょうか。

「核なき世界を創造」国連安保理が決議へ : 読売新聞
米、「核のない世界」決議案を配布 : TBS News-i
「核兵器なき世界」目指す/米政府 安保理会合に決議案/24日に首脳級が協議 : しんぶん赤旗
鳩山代表、核密約調査公表を明言 新政権発足後に実施、見解変更も : 共同通信

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だから恋文じゃないって… 東京新聞が志位書簡を詳しく紹介

こちら特報部 2 (「東京新聞」2009年6月22日付)こちら特報部 1 (「東京新聞」2009年6月22日付)

本日の「東京新聞」こちら特報部で、共産党の志位和夫委員長が核兵器廃絶を願ってオバマ米大統領に送った書簡と返書が大きく取り上げられました。(^_^)v

こちら特報部:敵対超えた恋文 「志位」と「オバマ」 : 東京新聞

しかし、残念ながら、インターネットでは「こちら特報部」は前文しか読めません。(^^;)

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「毎日」特集ワイド 志位さんでっかく登場!!

毎日新聞2009年6月10日付夕刊2面

すでに昨日になってしまいましたが、「毎日新聞」夕刊の2面「特集ワイド」欄で、共産党の志位和夫委員長のインタビューが「志位さん『親オバマ宣言』?」という東スポばりの?付きの見出しで、大きく取り上げられました。

「毎日新聞」は、6月1日付朝刊の「風知草」で志位委員長のオバマ大統領宛書簡を「戦略不在の空白を突いた鋭い切り込みだった」と評価していましたが、今回のインタビューもその続きといえます。志位さんがオバマ大統領のプラハ演説のどこに注目したのか、なぜ書簡を送ったのか、などなど質問しています。

特集ワイド:志位さん「親オバマ宣言」? 核ゼロ演説に感激 手紙に返事、また感激 : 毎日新聞

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