法人税率引き下げは景気回復に効果なし

日本経団連が、現在40%の法人税率を30%に引き下げるよう要求。

「法人税30%に」経団連が税制改正提言:読売新聞

財界・大企業は、口を開けば「日本の法人税は高い」といっているが、トヨタやキヤノンのような大企業が実際に払っている法人税の負担率は30%程度である(「大企業は40%の法人税を払っているわけではない」)。これをさらに10%引き下げよというのだから、身勝手も甚だしい。

ところで、富士通総研の米山秀隆・上席主任研究員は、「本当に引き下げに見合う効果が発揮されるのかについて、より冷静な議論が必要と思われる」と述べて、法人税率の引き下げをしないといまにも日本企業が海外に出て行ってしまうかのような議論が横行していることに警鐘を鳴らしておられる。

法人実効税率引き下げの意味はどこにあるか : 富士通総研

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大企業は40%の法人税を払っているわけではない

主な大企業の実際の法人税率(しんぶん赤旗2010年6月24日)

消費税増税論議のなかで、「日本の法人税は高い」という問題が浮かび上がっています。確かに、日本の法人税の「実効税率」は、地方税をあわせて約40%。

しかし、実際にすべての黒字企業が40%の法人税を支払っている訳ではありません。上のグラフは、「しんぶん赤旗」が、経常利益の上位100社について、実際の法人税負担率を計算したもの。40%どころか、平均でヨーロッパ並みの33%。ソニー、住友化学、パナソニックなど一流どころが、軒並み10%台の法人税しか払っていません。

これで、さらに法人税を減税せよとは、ちょいと図々しすぎやしませんか?

法人税 「40%は高い」といいながら実は…/ソニー12% 住友化学16%:しんぶん赤旗

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“法人税減税は究極のバラマキだ”

『日経ヴェリタス』6月27日号に、京都大学の中野剛志氏が、「法人税減税は究極のバラマキ」という論評記事を書かれています。

中野氏は、法人税減税はデフレ不況下では「むしろ有害」「法人部門の貯蓄を殖やすだけで、経済全体の需要を縮小させる」と厳しく批判しています。

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ホントは軽い日本企業の税・社会保険料負担

法人所得課税及び社会保険料の法人負担の国際比較(2006年、財務省資料)

財界や「日本経済新聞」は、しきりに日本の法人税負担が重いと主張し、菅内閣は法人税の減税をおこなう方向にすすんでいます。

彼らが日本の法人税が重いというのは、名目的な税率のこと。しかし、実際の企業負担ということを考える場合には、さまざまな優遇措置を考慮に入れなければならないし、さらに企業負担としては社会保険料の雇用者負担も含めて考える必要があります。

それで、以前にも「ホントは低い日本の企業負担」という記事で、政府資料で、税・社会保険料負担あわせた法人負担の国際比較を紹介しましたが、財務省の資料のなかから、最新のデータを見つけたので、紹介しておきます。

それが、上のグラフ。出所は、こちら↓です。

平成22年度税制改正の大綱 参考資料(6/6):財務省

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民主党の公約、消費税含む税制改革・法人税下げ

「強い経済、強い財政、強い社会保障」をかかげる菅民主党の政権公約。2020年までの財政再建をかかげる一方で、法人税の引き下げを明記。となると、「強い財政」は消費税増税によるほかないことになる。

しかし、「基礎的財政収支」を黒字にするためには、今年度予算で約22兆円の財源が必要。「事業仕分け」をいろいろやったとしても、それで生まれる財源は限られている。これを全部消費税でまかなうとすれば、10%近い税率引き上げが必要になる。さらに、これに法人税引き下げ分が加わるのだから、消費税率15%!!は必至。

法人税の実効税率を引き下げよ、というのは、日本経団連など財界の強い要求。「強い財政」といいながら、財界言いなり。国民に負担を押しつける「強さ」だけでは困ったもんだ。

消費税含む税制改革・法人税下げ…民主公約:読売新聞
民主参院選公約、法人税下げ明記:日本経済新聞

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企業の経常利益は10兆円!!

経常利益の推移(東京新聞)

経常利益の推移(東京新聞)

この右肩上がりのグラフを見てください!! 財務省の法人企業統計で明らかになった企業の経常損益のグラフです。

一昨年のリーマンズ・ショックいらい、とくに製造業で大幅に落ち込んでいましたが、昨年10?12月期には全産業で10兆3763億円の利益。製造業4兆円近い利益をあげて、V字で業績を回復しています。

09年10?12月 設備投資が17%減少 : 東京新聞
法人企業統計:2年半ぶり増益 業績持ち直し傾向鮮明に : 毎日新聞
消費支出、6か月連続プラス…収入はマイナス : 読売新聞

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勤労者の給与が減り続けては景気回復もおぼつかない

厚生労働省の毎月勤労統計調査(毎勤統計)の2009年分が公表されました。それによれば、勤労者1人当たりの月平均現金給与総額は前年比3.9%減。3年連続のマイナスであるだけでなく、1991年以来、最大の減少率 ((毎勤統計の「平均現金給与額」は、5人以上の事業所について調べたもの。解雇されたり、企業が倒産して失業した人の失った所得は考慮されていない。したがって、失業が増えている昨今では、勤労者全体の購買力は毎勤統計の「平均現金給与額」以上に低下していると考えなければならない。))。

しかし他方で、大企業は1991年度の約100兆円から2008年度の約214兆円へと、内部留保を大幅に増やしています。まずは国民の懐を暖めないと、景気回復は望むべくもありません。

給与、最大の3.9%減 09年勤労統計 : 中日新聞

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赤字転落と言いながら、トヨタもホンダもまだ配当するつもりだった!!

トヨタもホンダも、下期の業績見通しを軒並み下方修正し、場合によっては赤字転落の恐れもあると宣伝している。共産党が「大企業は雇用を維持するだけの体力がある」と主張しているものだから、「いえいえ、赤字見通しで大変なんです」と言い出したように思えてしまうほどだ。

しかし、その一方で、トヨタもホンダも、株主への配当は続けている。

トヨタは、下期の配当額はまだ決まっていないが、減配を検討し始めたという。つまり、額は減らしても配当するということだ。

ホンダも減配だと言っているが、しっかり第3四半期(つまり10?12月)分として11円の配当を出すらしい。ホンダの発行済み株式は約18億株。ということは3か月分の配当だけで200億円近い計算になる。

トヨタ:初の減配検討 09年3月期連結決算(毎日新聞)
ホンダ、下期営業赤字1900億円 北米不振や円高直撃(NIKKEI NET)

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株も社債もみんな買い取り―これで資本主義といえるのか?!

株は公的資金を使って20兆円規模で買い取り、企業の発行する社債(CP)も政策投資銀行や日銀が直接買い付けることに。

ここまで至れり尽くせりとは…。「官から民へ」と言っていたはずなんですが。

しかし、株やCPを発行した企業が倒産すれば、結局、税金で穴埋めすることになります。これで資本主義って言えるんでしょうか?

銀行保有株、買い取り枠20兆円規模 与党チーム方針(朝日新聞)
年内にCP購入を実施する方針=政策投資銀行 | Reuters
日銀:0.1%に利下げ CP買い取りなど、資金供給を拡大??決定会合(毎日新聞)

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製造業の税負担率のきなみ低下

本日の「日経新聞」1面トップに、こんな記事が載っていました。

「製造業の税負担率最低 前3月期38.9%」

税制論議のなかで、日本の法人税の実効税率は40%だと言われますが、日経新聞の調査では、製造業の企業の税負担率は平均で38.9%。最低はHOYAの15.3%で、松下電器産業は26.3%、新日本製鉄36.9%、トヨタ自動車は37.4%など、軒並み40%を下回っています。

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御手洗会長、与党税制改正大綱を「評価できる」

マスメディアでは、「はっきりしない」「先送り」などといわれている与党の税制改正大綱について、日本経団連の御手洗会長は、「消費税引き上げに向けた道筋が示された」として「全体としては評価できる内容」とコメント。

消費税を、いつ、どれだけ引き上げるかは確かに先送りされたけれども、「社会保障は消費税で」というレールは敷いた、というのが財界がこの大綱を評価する理由。このレールさえ引ければ、あとはいつでも消費税を上げられる、ということ。

他方、経済同友会の桜井正光代表幹事は、「法人実効税率引き下げが早々に見送られたこと」に不満を表明。消費税は上げよ、企業の税負担はもっと引き下げよ、2つあわせれば、財界・大企業の身勝手な要求がよく分かります。

日本経団連会長コメント (2007-12-13)
2008年度与党税制改正大綱について : 経済同友会

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トヨタの税負担率は26%

トヨタ自動車の9月中間決算が明らかに。営業利益は前年同期比16.3%増の1兆2721億円で、税引き後利益は21.3%増の9242億円9424億円で過去最高に。

ということで、トヨタ自動車の税負担率を計算してみました。

トヨタ中間決算、税引き後利益が過去最高の9424億円(読売新聞)

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法人所得57兆円 バブル期超えて過去最高

2006年度の法人所得は57兆円を超え前年比13.3%増、バブル期を上回って過去最高になりました。

大企業ばっかり儲かりすぎ。家計は低迷しつづけています。大企業はその利益の一部を国民に還元すべきです。その方が、本当の意味での景気回復になって、中小企業や地域の商店街なども本当に発展するのですが。

法人所得、16年ぶり過去最高 57兆円、バブル期超す(朝日新聞)

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日本の企業負担はドイツ、フランスの7?8割

この間もとりあげた、共産党の佐々木憲昭議員の予算委員会での質問ですが、そのなかで佐々木議員は、次のように発言されていました。

 佐々木 お話を聞いていると、国民の税負担はどんどん増えるのが当たり前だ、大企業の税負担はどんどん減らすのが当たり前だと。何が常識ですか。国民はみんな怒っているんですよ。
 政府税調の資料でも、日本の企業負担は、例えば自動車製造業はフランスの73%です。ドイツの82%。エレクトロニクス製造業では、フランスの68%、ドイツの87%。日本の方が負担が軽いんです。それなのに、まだ減税をする。これは、全く、国民からいって非常識なやり方です。

なに?! 日本の企業負担はフランスやドイツの7?8割しかない?! しかもそれが、政府税調の資料に載っている?!

というので、それを探してみました。で、ようやく見つけたのが↓これ。

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日産自動車、横浜で新本社ビルの起工式

神奈川県も横浜市も企業誘致のために補助金、減税と大盤振る舞い。日産自動車1社で、県と市の補助金、固定資産税と都市計画税の減税、合わせて169億7200万円もの助成がおこなわれています。

新本社屋の起工式でくわ入れをする日産自動車のカルロス・ゴーン社長=13日午前、横浜市西区〔共同〕

日産ゴーン社長「世界本社に」、創業の地横浜で新本社起工式(NIKKEI NET)

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大企業の法人税、実は30〜33%だった!!

共産党の「しんぶん赤旗」の記事なのですが、大企業の法人税の実際の負担率が、各種の優遇措置のおかげで、30%〜33%になっていることが分かったそうです。

日本経団連などは、口を開けば、法人税の引き下げと言っています。その根拠は、法人税の税率40%が諸外国にくらべて高い、というものですが、その前提そのものが実はごまかしだったということが明らかになったわけです。

大企業の法人実効税率「40%」は形だけ 実は30〜33%(しんぶん赤旗)

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三菱東京UFJ銀行が政治献金を再開

三菱東京UFJ銀行が自民党への政治献金を再開することに。

公的資金の返済が終わったから、と言うことですが、政治献金を再開する前に、まず税金を払ってほしいものです。

三菱UFJが政治献金再開…9年ぶり、3000万円 (読売新聞)
大銀行 法人税ゼロ/空前のもうけ3兆円なのに/国民は住民税増税・負担増なのに(しんぶん赤旗)

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大企業はこんなに減税されている

産業再生法という法律があります。正式名称は「産業活力再生特別措置法」。1999年8月に制定された法律で、リストラを予定している企業がリストラ計画を作成し国に申請し、一定の条件を満たせば、計画に見合って、登録免許税などの減税措置などが受けられるというものです。

施行(1999年10月)から今年7月までに、372件の申請が認定されました。認定された「計画」による人員削減数は9万9608人。それに対する登録免許税の減税は総額で980億7500万円になります。リストラすれば、1人につき98万4600円の減税が受けられる、という計算です。(日本共産党・塩川哲也前衆議院議員の調査)。

しかもその上位10社をみると、みずほFG、りそなFG、三井住友FG、三菱東京FG、UFJグループなど銀行グループや、三菱自動車、ダイエー、カネボウなど大企業ばかりです。10社で760億円あまりの減税措置。雇用を守るために減税や助成をするならともかく、リストラすればするほど減税してもらえるなんて、逆立ちも甚だしい。

財源を云々するなら、まずこういう余計な減税措置の見直しをしっかりやってほしいものです。

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大企業・高額所得者は、こんなに減税してもらっている

1983年までは、所得税の最高税率は8,000万円超で75%、これに住民税(所得割)が4,900万円超で18%でした。で、課税所得1億円の場合、税金は7,751万円。これが、現在は、所得税の最高税率が1,800万円超で37%、住民税が700万円超で13%にまで引き下げられ、その結果、同じ課税所得1億円の場合の税額は4,720万円に。約3,000万円、かつての税額から見れば40%もの減税の恩恵を被ってきたのです。

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