フランスでは女性の年齢別就業率はM字どころか凸だった!!

『経済』2009年11月号(新日本出版社)

新日本出版社が発行している『経済』の最新号(11月号、10月8日発売)に、おもしろい論文が載っています。それは、立命館大学の深澤敦氏「フランス家族政策の歴史的展開」です。

まず驚いたのがこのグラフ↓。フランスの女性年齢別就業率の変化を示したグラフです。

年齢別女性就業率の推移(『経済』11月号、深澤論文)

年齢別に女性の何%が働いているかという年齢別就業率は、多くの国では、20代で働き始めて高くなり、途中、結婚や出産でいったん低下し、子育てが終わるとまた働き始めるので再び高まる、というように変化し、グラフはM字型になります。ところが、フランスでは70年代いらい、M字型どころか逆に上に凸、山型になっているのです!!

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欧州議会 男女賃金格差をなくすためにさらに監視強化へ

EU労働法の濱口桂一郎氏のブログで、ヨーロッパのこんな動きが紹介されていました。

EU労働法政策雑記帳: 欧州議会が男女同一賃金規定の全面見直しを要求

日本では、女性の賃金は男性の5?6割という非常に大きな格差がありますが、ヨーロッパでは、15?25%の格差の是正のために取り組んできたが、それでもまだ解決しないということで、さらに男女の同一賃金規定を見直して、格差をなくそうとしているようです。

「せめてヨーロッパではやられているような、まともなルールのある経済社会を」と考えているみなさん、興味がある方は、ぜひ覗いてみてください。

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日本の男女格差さらに拡大 

「世界経済フォーラム」が発表した「世界男女格差報告」。日本は、前年の91位から98位に後退した。女性の国会議員が少ないなど政治面の遅れに加えて、経済面でも賃金格差や昇進差別など、男女間の格差が大きいことが原因。

日経新聞(2008/11/12付夕刊)によれば、同フォーラムは「人的資源の半分を十分に活用できていない国は確実に競争力を損なっている」とコメントしたらしい。

日本、男女格差改善せず 08年版世界男女格差報告(共同通信)
日本の「男女平等指数」は98位に後退 世界経済フォーラム(NIKKEI NET)

ところで、国連規約人権委員会が日本政府の報告に対する勧告を発表したようだ。こちらでも、日本の女性差別・男女格差是正のための措置が大きく遅れていることが厳しく批判されている。

女性差別改善、日本に勧告(読売新聞)

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女性差別撤廃委員会のコメントを読んでみた

女性差別撤廃条約 ((外務省は「女子差別撤廃条約」と訳されていますが、以下、引用を除いて女性差別撤廃条約とします。))にもとづいて、批准国は、実施状況についての報告書を提出しなければならない。そして、国連女性差別撤廃委員会は、それにたいするコメントを公表する。

そこで、日本政府が提出した第4回、第5回報告(2002年9月提出)にたいする女性差別撤廃委員会の最終コメント(2003年8月)を読んでみました。

女子差別撤廃条約第4回及び第5回報告書に対する委員会最終コメント(外務省仮訳)←PDFファイルが開きます。

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男女コース別処遇は労基法違反!

東京高裁で、総合商社・兼松の「コース別賃金」を労働基準法違反とする判決。

「コース別賃金」は、結局は女性の賃金差別温存の仕組みだということがあらためて明確になったわけです。勤務地の制限も、賃金差別の理由にはならないとしたことは画期的。だいたい、労働者は奴隷じゃないのだから、「社命とあれば、いつでもどこでも赴任します」と誓約しないと総合職になれない、という一方的なやり方こそ改めるべき。

「コース別賃金」は違法、兼松に差額賠償命令 東京高裁(朝日新聞)
「賃金で男女差別」認定 東京高裁逆転判決 兼松に7200万円賠償命令(中日新聞)
男女賃金差別 兼松に賠償命令(NHKニュース)

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300日規定と女性の再婚禁止期間

この間、離婚後300日以内に生まれた赤ん坊は、前夫の子どもとみなすという民法772条2項の規定(いわゆる「300日規定」)が大きな問題になっていますが、この問題で自民・公明のプロジェクトチームが考えた再婚禁止期間を100日にするという案を、自民党の中川昭一政調会長がけっぽったというニュース。

で、結局、運用の見直しで対応するということになるようです。

300日規定見直しは再検討 再婚禁止期間短縮見送り(熊本日日新聞)
300日規定、運用で見直し=離婚後妊娠の医師証明で?法務省(時事通信)

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職場での女性差別にかんする記事2つ

職場・仕事での女性差別にかんして、興味深い記事が2つあったので紹介しておきます。

1つは、22日付「日経」夕刊15面の「住友系3社 差別訴訟が残したもの」という記事。
もう1つは、今日の「東京新聞」朝刊8面の「働く女性は今」の記事。

「日経」の記事は、住友電気工業、住友化学工業(現住友化学)、住友金属工業の女性社員たちが賃金・昇進などでの差別を訴えた裁判が、全部「実質的勝訴」的内容で和解したことをとりあげ、「十年にわたって争われてきた男女賃金差別訴訟が残したものは何か」と問いかけ、検証したもの。
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女性の再婚禁止期間はなぜ不合理か

佐々木投手と榎本加奈子さんの再婚話に関連して、女性にのみ6カ月の再婚禁止期間があるのは差別だと書いた(「女性差別」)ところ、「もし妊娠していた場合、誰の子どもかはっきりさせるためではないのか」という意見をいただきました。コメントでお返ししようかとも思ったのですが、長くなるし、大事なテーマなので、新しいエントリーに書き込みます。
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女性差別

僕は榎本加奈子にも佐々木投手にも興味はないけれど、このニュースを聞いて感じたこと。

男は、3月18日に離婚して5月9日に入籍してもOKなのに、女性の場合は法律上6カ月は再婚できないというのは、やっぱり不公平だわな。

もう1つは、赤ん坊が体重1kgの未熟児だったこと。早産の理由は分からないけれど、もし彼女が痩せすぎてるのが原因だったら、これをきっかけに、女性を“ダイエット”に追い込む風潮が少しでも改まってくれたらいいなと思う。

魔神・佐々木、榎本加奈子との入籍と男児誕生を発表(サンスポ)

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住金・男女差別訴訟、住金側が控訴

28日、女性であることを理由とした昇級差別などを認めた大阪地裁判決にたいし、住友金属工業は、29日大阪高裁に控訴。

<男女差別訴訟>住金が控訴 大阪高裁(毎日新聞)
女性差別認め、住金に6300万円賠償命令 大阪地裁(朝日新聞)

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韓国、「戸主制」を廃止

「戸主制」は韓国の戸籍制度で、日本の植民地時代に導入され、戦後も韓国民法に継承されていたもの。韓国は、結婚しても女性の姓は変わりませんが、戸主制のもと、子どもは自動的に父親の姓を名乗ることになっていました。それだけでなく、離婚したときに子どもの姓を母親の姓に変えることも認められませんでした。

注目すべきは、「戸主制」が廃止されるだけでなく、戸籍制度そのものが個人登録制になること。また、女性のみ離婚後6ヶ月間は再婚できないという規定(これは同じものが日本にもあって、メリル・ストリープも男女差別だと訴えている)も廃止されます。ということで、戸籍・婚姻制度の点では、韓国は日本よりはるかに民主的な仕組みになります。

韓国国会:戸主制廃止の民法改正案を可決(毎日新聞)
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女性差別の法律

北京会議で合意したことを、きちんきちんと実行しない――こういうところでも、日本の国際的信用を落とすんですよ。最低結婚年齢の男女差別、離婚女性の半年間の再婚禁止(妊娠しているかどうかを確認したいなら、いまは検査の方法はいくらでもあります)など、僕も、不必要な男女差別規定だと思うし、それを改正するのに何の障害があるんだろうと思います。

ところで、メリル・ストリープって、こういう活動もやっていたんですね。

女性差別の法律改正を=日本の民法も批判?M・ストリープさん(時事通信)
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憲法理念と相容れない知事

石原都知事の「文明がもたらしたもっともあしき有害なものはババア」「女性が生殖能力を失っても生きてるってのは、無駄で罪」発言は、裁判所によって、「憲法の理念と相容れない」ものだと認定されました。

石原知事ババア発言、「憲法理念と相入れず」 東京地裁(朝日新聞)

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野村証券男女差別人事訴訟、高裁で和解

野村証券の女性社員が、コース別人事制度で賃金・昇格差別を受けたと野村証券を訴えた訴訟で、東京高裁において原告側全面勝利の和解が成立しました。

この裁判は、男性は「総合職」、女性は「一般職」とする男女別のコース別人事で、たとえば高卒男性は勤続13年で課長代理に昇進するのに対し女性は平社員のまま、年収でも300?400万円の格差がつくという差別待遇の是正を求めて、1993年に提訴されたものです。
和解では、一審では認められなかった在職中の原告全員の課長代理への昇格、原告全員への一括和解金の支払いなどが認められました。なお、男女コース別人事には、すでに一審の段階で、男女雇用機会均等法違反だという判断が下されています。

原告のみなさん、おめでとうございました。ヽ(^^@)/

女性3人を総合職に 野村証券男女別人事訴訟で和解(朝日新聞)
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ならば女児を先にした名簿をつくっては?

男女混合名簿が宜しくないというのであれば、ぜひ女児を先にした名簿を作ってもらいたいですね。ジェンダーフリーじゃないし、男女平等は否定しないんだから、男児が先でも女児が先でも平等なはず。男児が先の名簿でないとダメだといったら、それは女性差別です。

男女混合名簿の見直し検討 ジェンダーフリー禁止も(共同通信)

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