自民党新憲法案、自衛軍明記を小泉首相が了承

自衛軍保持を明記する自民党の改憲案を、小泉首相が了承。

森前首相は、9条1項について「理念は変えない」と言っています。これは、自民党新憲法第1次案が、実際には、憲法から「戦争放棄」の規定を完全に排除してしまっているのをごまかすための方便です。自民党案は、憲法第2章の章題「戦争の放棄」を「安全保障」に変え、9条1項も、戦争を「永久にこれを放棄する」という現在の規定を「永久に行わないこととする」と変更。要するに、戦争は「放棄」したのではなく、出来るけど「行わない」だけだというのが彼らの言い分なのです。

自民憲法草案、自衛軍明記を首相了承(朝日新聞)
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自民党新憲法草案第1次案の全文

自民党の新憲法草案第1次案の全文をアップロードしました。
自民案が、もともと条文番号を便宜的に現行憲法にそろえてあるため、たとえば第9条にたいする改憲案は、第9条、第9条の2、第9条の3…のようになっています。また、欠になっているところもあります。

自民党新憲法草案第1次案全文

※Shift-JISのテキストファイルです。右クリックして「対象をファイルに保存」を選び、適当なフォルダにダウンロードしてください。リンクをそのままクリックしてブラウザで表示させたときは文字化けします。お使いのブラウザのエンコードを「日本語(シフトJIS)」にすると正しく表示されます。

※誤植、スキャナーの読み取りミス、脱落などを一部訂正しました。(8/3 21:25)

自民党が改憲草案1次案を提示

とりあえず新聞報道の限りで。

  1. 自衛のための「自衛軍の保持」を明記。
    • この「自衛」には「当然」のこととして、「集団的自衛権」が含まれるとされているので、日本が直接攻撃されていなくても、たとえば世界のどこかで米軍が作戦行動をはじめると、「自衛」の名のもとに「自衛軍」が米軍との共同作戦を開始できることになる。
    • また、自衛軍が、「国際社会の平和及び安全の確保」のために「国際的に協調して行われる活動」に参加できるとの規定を設けているが、「国際的に協調して行われる活動」というのは国連決議に基くPKOとは違うことに注意。たとえばアメリカのイラク攻撃のようなものでも、英米が「協調」してやっている以上、「自衛軍」の参加が可能になる。(理論的いえば、アメリカと日本が「協調」しただけでも、自衛軍の派遣は可能になる?)
    • ちなみに、ここに「諸国民の公正と信義に対する信頼に基づき恒久の国際平和を実現する」とか「正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求する」など、現在の前文にある規定が移されているが、これは、10月発表される前文を中曽根流の訳の分からん前文に変えるため。
    • それから、「(3)自衛軍による活動は、わが国の法令並びに国際法規及び国際慣例を順守して行わなければならない。(4)自衛軍の組織及び運営に関する事項は、法律で定める」などの項目は、まったく無用の長物。これが憲法に書かれたからといって、「自衛軍」の行動をなんら制限することにならないことは明らか。こんな自明のことをわざわざ書くということは、かえって、自衛軍をつくろうという人たちが法令やら国際法を遵守する気があるのか疑わせるだけ。
  2. 「公益」や「公の秩序」を理由にして、国民の権利の乱用を戒める規定を設ける。何が「公益」か、何が「公の秩序」か定めがない以上、「公」(=政府)による広範な「私権」の制限に道を開きかねない。例えば、公共事業として道路計画が立てられると、自分の財産を守るために立ち退きに反対することさえできなくなる(「公益」に反するから)。「公の秩序」にさからってるとなったら、個人としても尊重されないし、生命・自由・幸福追求の権利もない。さらに、職業選択の自由はもちろん、居住の自由さえ認められなくなる。
  3. 政教分離の規定を緩め、国および地方自治体が、「社会的儀礼の範囲内」であれば、宗教的活動をしてもよいとする。小は各種工事の際の地鎮祭に始まり、大は靖国神社の国家護持やら伊勢神宮参拝、「大嘗祭」の国家行事化まで、やりたい放題。挙げ句の果てには、学校教育で神社参拝などということになりかねない。
  4. 憲法改正発議の条件を、各議院の3分の2以上から過半数に緩める。議院内閣制のもとでは、いつでも与党多数派が改憲を発議できることに。

「自衛軍保持」を明記 自民党改憲草案1次案(中国新聞)
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自民党憲法起草委の要綱の概要が明らかに

「東京新聞」が、自民党憲法起草委員会の要綱の概要が明らかになったと報道しています。

自衛隊を軍として明記し、海外派兵も認める内容。非常事態の既定は憲法に盛り込まないと言うけれど、法律で決めるというのだから、諦めたわけではなく、むしろ「憲法で定めなくても、基本的人権の制限はできる」という自民党の危ない発想を示すだけ?

『天皇』前文で言及 自民憲法起草委 要綱概要 『非常事態』は外す(東京新聞)
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自民・民主、改憲手続きでエールの交換

「ポスト調査会」と称して、憲法調査会の常任委員会への格上げと、そこでの「国民投票法案」および将来の改憲案の審議・発議をねらうもの。
自民と民主、改憲を狙う「二大政党」のエールの交換なんてゴメンです。

国民投票法案 民主と協議へ(産経新聞)
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迷走… 自民党新憲法起草委

4月に各小委員会がまとめた要綱をもとに、条文化の作業をすすめる自民党新憲法起草委員会をめぐるニュース。

自民憲法起草委 「森試案」条文化を断念(中日新聞5/20付)

「象徴天皇制」は維持 自民憲法起草委(東京新聞5/19付)
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自民党新憲法起草委員会、諮問会議の初会合開く

11月の自民党大会での改憲草案公表にむけて、自民党新憲法起草委員会が諮問会議の初会合を開催。6月中に、小委員会要綱の両論併記の一本化を図りたいという。

<自民新憲法起草委>改正要綱一本化で初会合(毎日新聞)
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自民、憲法試案に「公益の尊重」を盛り込む

「公益の尊重」というと聞こえはいいけれど、ホンネは「国家のためにあなたは何ができますか?」ということ。言論の自由も思想信条の自由も、はたまた個人の財産権も、幸福追求権も基本的人権も、なんもかんもみんな「公益のため」と言えば、何でも制限できてしまう。国家主義者には、これほど便利な“打ち出の小槌”はありません。

こんなバカなことを許したら、国家のために働かない人間は生きていけない世の中になっちゃうよ。絶対ハンタ??イ!!!

自民の新憲法試案、「公益の尊重」を新設(読売新聞)
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自民党、集団的自衛権明記を見送る、そのねらいは?

自民党が、9条「改正」案について、集団的自衛権の行使を憲法の条文に明記するのは見送りつつ、「安全保障基本法」と「国際協力基本法」を制定し、そちらで集団的自衛権の行使や自衛隊海外派兵の仕組みを定めるという方針を決めたようです。

で、「毎日新聞」はそのねらいについて、次のように書いています。

1つには、集団的自衛権は「当然」だから、明記するまでもない、という議論。もう1つは、民主党との間での「調整」に期待をかけるというもの。とくに2つ目の点がポイントかも知れません。

なお、記事中では自民党の主張として、「国連憲章上も認められた国家としての自然権」という書き方がされていますが、これは間違い。個別的自衛権(つまり自国が侵略されたときに自分で自分の国を守るために戦う権利)は国家の「自然権」(国家について「自然権」という言い方をするのは不適切ですが)だという言い方もできますが、集団的自衛権(同盟国A国がZ国によって侵略されたときに、侵略・攻撃を受けていないB国が、自国への侵略と同じと見なしてZ国に反撃する権利)は、条約によって軍事同盟を結んで初めて成立する権利であり、国際法上は国連憲章によって初めて認められることになりました。従って、それはどんな意味においても「自然権」ということはできないというのは、国際法のイロハです。

自民改憲試案:集団的自衛権で民主党との一致点模索(毎日新聞)
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自民党改憲試案の骨格明らかに

自民党の新憲法起草委員会が4月下旬に公表する改憲試案の骨格が明らかになりました。

憲法9条は第2項の「戦力不保持」を改廃し、自衛隊の存在を明記するというもの。

また、憲法前文も全面的に書き改めるとしている。「東京新聞」は、憲法前文は「憲法の憲法」であり、「自民党が『日本らしさ』をキーワードに前文の全面書き換えに本格始動したことは、改憲論議のなかで大きな転換点と言える」と指摘。「中曽根試案」の時代錯誤な前文案を紹介しています。

自衛隊の存在明示・自民改憲試案(NIKKEI NET)

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自民党改憲小委員会の動き[記録]

自民党新憲法起草委員会・小委員会の動きについて。改憲手続きの「緩和」で一致。憲法裁判所設置については異論あり、と。

自民小委:改憲手続き緩和で一致(毎日新聞)
自民小委:憲法裁判所設置は見送り(毎日新聞)
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自民党新憲法起草委員会の改正試案の骨格が明らかに

自民党の新憲法起草委員会の改憲試案の骨格が固まった、と共同通信が報じています。

憲法9条の第2項「戦力不保持」を改正して自衛力の保持を明記する、としています。

自衛力保持を明記 新憲法試案骨格固まる(共同通信)
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国防の義務、社会的費用を負担する責務…

自民党新憲法起草委員会の「国民の権利・義務」小委員会(船田元委員長)が、「国防の責務」を盛り込んだ船田試案を公表。

責務は義務ではないと言ってるみたいですが、「国防の責務」や「社会的費用を負担する責務」などなど、盛り込みたい放題です。

「国防の責務」盛る 自民新憲法起草委、小委が試案(産経新聞)
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経団連、自衛隊公認、集団的自衛権明確化の9条改正を要求

日本経団連が、憲法第9条を改正し、自衛権確保のための自衛隊の保持、集団的自衛権の明確化を求める「国の基本問題検討委員会」」(委員長=三木繁光・東京三菱銀行会長)の提言を正副会長会議で了承。近く理事会で正式承認します。

「集団的自衛権」明確化提言へ 経団連の憲法改正概要(朝日新聞)

↓これが本文
日本経団連:わが国の基本問題を考える (2005-01-18)

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自民党、4月末までに改憲試案づくり

マスコミで、「出直しを余儀なくされた」とか「遅れは必至」などと書かれたからでしょうか。自民党が、来年4月末までに憲法「改正」草案の試案を取りまとめる方針を決めました。

自民党:憲法改正草案 4月末までに試案まとめる方針(毎日新聞)
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民主党案も参考にして 小泉首相

自民党の新憲法制定推進本部の設置に関連して、記者団に質問された小泉首相は、「民主党も準備しているそうだから、自民党のみならず野党第一党の案も参考にお互いに協力しながら良い憲法をつくることができればと願っている」と発言したそうです。

あっちも「改憲」、こっちも「改憲」で、国民は置いてけぼりのまま。こんな問題での「協力」は御免です。

河北新報ニュース 改憲は民主党案も参考 首相、協力の意向表明
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