1-3月のGDP成長率が発表されました。年率換算で実質5.6%、名目3.2%。四半期では実質1.4%、名目0.8%ということです。内訳は、以下の通り。
実質 | 名目 | |
---|---|---|
個人消費 | 1.0% | 0.7% |
住宅投資 | 0.6% | 1.3% |
設備投資 | 2.4% | 1.8% |
政府消費 | 0.2% | ▲0.7% |
公共投資 | ▲3.4% | ▲3.1% |
輸出 | 3.9% | 3.1% |
輸入 | 1.9% | 2.1% |
これについて、新聞各紙では次のような指摘があいついでいます。
■「日経」夕刊の解説
見出し「持続回復、所得増がカギ」。「現時点での消費持ち直しは期待先行の面が強い。1-3月期の雇用者報酬(名目)は季節調整済みの前期比で1.4%減と前期の0.1%増から再びマイナスに逆戻りした。前年比では2.8%減と落ち込み幅は大きい。肝心の所得が増えなければ、景気けん引役の個人消費の持続的な回復は期待できない」
■毎日新聞5/19朝刊9面
「ただ、消費堅調の背景には『所得が増えたというより、貯蓄を取り崩したことが大きい』(武者陵司ドイツ証券チーフストラテジスト)という指摘もある。楽観的な先行き見通しが、貯蓄の取り崩しにつながっているという見方だ。実際、厚生労働省の03年度の勤労統計調査では、月平均の給与総額は前年度比0.9%のマイナスだ。」
■読売新聞5/19朝刊3面
「本来、個人消費を押し上げる原動力となるはずの所得が上向いていない。今回のGDP統計でも、給与など雇用者報酬は前期比1.4%減とマイナスだった。「所得が増えない限り、回復は長続きしない」(斎藤太郎・ニッセイ基礎研究所シニアエコノミスト)との見方が圧倒的だ」