今日は、日比谷で「スパニッシュ・アパートメント」を観てきました。明日までということで、もうガラガラなんだろうと思っていたら、結構混んでました。(^^;)
タイトルの「スパニッシュ・アパートメント」というのは、もちろんスペインのアパートということですが、同時に、具ごた混ぜのスパニッシュ・オムレツのように、いろんな国籍の人間がごた混ぜのアパートという意味でもあるそうです。
主人公グザヴィエは、パリで暮らす25歳の大学生。経済専攻で、就職のためには「スペイン語とスペイン経済を勉強せよ」と言われ、欧州交換留学プログラム“エラスムス計画”を利用して、バルセロナに1年間留学することに。バルセロナに着いたグサヴィエがようやく見つけたのは、学生たちがシェアしているアパート。あやしい面接に合格したグザヴィエは念願の共同生活へ…。
ということで、EU拡大よろしく、共同生活する学生は、イギリス、ドイツ、イタリア、デンマーク、それにスペインと各国とりどり。バルセロナはスペインといってもカタロニアにあり、大学の授業もカタロニア語だし、大家から家賃値上げを通告されて、さらにもう1人増えた女子学生は、実はレズビアン。その彼女に“女性の心理”を教えてもらって、グザヴィエは、バルセロナ空港で知り合った精神科医の奥さんを口説き落とすことにまんまと成功! そこにパリからグザヴィエの彼女マルティーヌ(オドレイ・トトゥ)がやってきますが、狭いアパートの中ではうまくいかず、すれ違いに…。と、実に学生らしいバカ騒ぎが続いていきます。最後、ようやく1年の留学を終えたグザヴィエは、念願のEUの行政機関に就職しますが…。
でもその途中で、たとえばイギリス人の女性留学生の弟が遊びに来て、ドイツ人はこうだ、スペイン女性はどうだと無神経な放言をくり返してみんなから総スカンを食らったり、酒と麻薬と音楽しかしらないアメリカ人がみんなから思いっきりバカにされたり、そのおバカなアメリカ人と「セックスだけ」と言いながらつきあうイギリス人も「バカだ」と言われたり…という場面が登場します。イラク戦争をめぐるブッシュ・ブレア陣営とヨーロッパとの対立みたいだなあと思って楽しんでましたが、よく考えたら映画は2001年作製なので、そういうことを考えた演出ではありません。でも、やっぱりフランス人ってアメリカが嫌いなのね?なんて思ったりしました。(^^;)
【映画情報】◆監督・脚本=セドリック・クラビッシュ◆出演=ロマン・デュリス(グザヴィエ)/オドレイ・トトゥ/ジュディット・ゴドレーシュ(精神科医の妻)/セシル・ド・フランス◆2001年、フランス・スペイン