志位和夫・日本共産党委員長 それでは、日米両政府の「了解」についてはどうだ。先ほどの問い(「いったい両国政府のだれとだれが、どういう形で、どういう内容の『了解』をしたのか」)に答えてほしい。
首相 ……
細田博之官房長官 米英の責任者による「了解」がある。
志位 文書か、口頭か。
官房長官 口頭での「了解」だ。
志位 一体だれが「了解」したのか。
官房長官 米英のしかるべき代表だ。
志位 「了解」の内容は何か。「了解」したという内容をここで述べてほしい。
首相 日本の支援は人道支援に限定するという「了解」だ。
志位 違うだろう。日本は指揮下に入らないという「了解」ではないのか。
首相 そうだったかも知れない。自衛隊は日本の指揮下に入る。
志位 それぞれの軍隊が自国の指揮下にはいるのは当たり前だ。それが、さらにその上位の指揮下にはいるのかどうかが問題とされている。自衛隊は米軍の指揮下にはいるのか。
首相 多国籍軍の指揮下に入る。
安倍晋三・自民党幹事長 (あわてて割って入り)調整はするということだ。(「しんぶん赤旗」6月18日付から)
あれだけ「了解」があると言っておきながら、誰が「了解」したのかも答えられない、内容はと聞かれると首相自身が「そうだったかも知れない」としか答えられない・・・・。なんとお粗末なことなんでしょう。結局、こんな「了解」は存在しないということが、言下に露わになったということです。
小泉首相が理解しているかどうか疑わしい問題の1つは、現在イラクに派遣されている自衛隊が暫定政権成立以後多国籍軍に参加しても事態は何も変わらないと思っているのではないかということです。
毎日新聞16日付の山田孝男政治部長の論説は、現在の自衛隊は「米英占領当局と覚え書きを交わし、自立的に行動しているタテマエになっている」のにたいし、多国籍軍に参加した場合は「多国籍軍司令部の指揮の下、武力行使を伴う活動を支援する可能性が生じる」と指摘しています。タテマエであれ、個別に当事国(現状ではそれが占領当局になる訳ですが)と取り決めを結んで駐留するということと、統一された指揮系統をもつ組織に参加することとはまったく違うと言うことです。自衛隊が多国籍軍に参加しながら、「統一した指揮」に服さないとなれば、イラク側から見れば、イラク国内に自分たちと何の取り決めもなく他国の軍隊が居座り、活動するということで、いよいよもって異常な事態が出現することになります。
しかし、小泉首相には、そういう取り決め(協定でも覚え書でも何でもいいのですが)をイラク暫定政権と直接取決めるつもりはまったくなさそうで、そのことが逆に自衛隊が多国籍軍の統一的な指揮下に置かれることを証明していると思います。