今日の「東京新聞」におもしろい世論調査が出ていました。
1つは、憲法「改正」問題。全体として憲法「改正」をありうることとして容認する議論が増加する傾向にありますが、そのなかで注目されるのは9条改正反対が多数であること。「改正すべき点はあるが9条改正には反対」と「9条を含めて改正反対」を合わせると、9条改正反対は66%になります。これは「朝日」やTBSの世論調査と基本的に同じ数値です。
2つ目は自衛隊の多国籍軍参加について。自衛隊のイラク派遣を容認する人も含め、77%が「多国籍軍には参加すべきでない」と回答していることは注目できます。これも、大枠で、この間、発表された「毎日」「朝日」の世論調査結果と同じです。
3つ目に、年金制度改革法について78%が「評価しない」と答えています。他の世論調査でも、法案成立後も7?8割が「評価しない」「反対」を表明しています。年金問題での不信は相当根深いものがあると言えます。
最後は、小泉内閣の支持率。3年前の参院選のときは、小泉内閣成立直後ということもあって、共産党支持層でも半分以上が小泉内閣を支持するなど、異常な「小泉人気」にわいていました。しかし3年たってみて、与党の自民党、公明党支持層では引き続き80%以上の支持を集めていますが、民主党、共産党、社民党支持層では17?27%に低下しました。無党派層のなかでも、支持率は83%から43%へとほぼ半減しています。要するに、小泉内閣は、国民の支持という面でも、「自公」政権に“純化”してしまったということです。
世論調査の詳細は以下の通り。
●憲法9条の改正をどう思いますか?
9条を含めて改正すべきだ | 29.1 |
改正すべき点はあるが9条改正には反対 | 48.7 |
9条を含めて改正反対 | 17.1 |
わからない | 5.1 |
●自衛隊のイラク派遣と多国籍軍参加をどう思いますか?
自衛隊派遣は良かったし多国籍軍にも参加すべきだ | 19.7 |
自衛隊派遣は良かったが多国籍軍には参加すべきでない | 44.3 |
自衛隊は派遣しない方が良かったし多国籍軍にも参加すべきでない | 32.8 |
分らない | 3.1 |
●年金改革関連法についてどう思いますか?
かなり評価する | 3.5 |
どちらかといえば評価する | 16.1 |
どちらかといえば評価しない | 37.9 |
評価しない | 40.6 |
分らない | 1.9 |
●支持政党別・小泉人気の変化
前回参院選時調査 | 今回調査 | |
自民支持 | 96.9 | 83.1 |
公明支持 | 91.6 | 80.7 |
民主支持 | 89.4 | 27.1 |
共産支持 | 58.6 | 17.4 |
社民支持 | 67.0 | 18.0 |
支持政党なし | 83.4 | 42.7 |