最上敏樹氏の指摘

イラク「主権移譲」問題について、ICU教授の最上敏樹氏が「東京新聞」7/7夕刊で論文を書かれています。曰く、

国際法の知識を持つ者なら、この言葉に多少とも違和感を覚えずにはいられないだろう。戦争が合法だった時代ならばともかく、今やそれが違法になり、他国の軍事占領も原則としてありえなくなった。だから、いままで主権を奪っていたと言い、それを移譲すると言っても、それが法的にどう説明できるのか、専門家であればあるほど、よく分からなくなるからである。

最上氏は、1700人以上にのぼる職員を抱えた米国大使館が米英占領当局(CPA)にとって替わり、占領軍が多国籍軍と名前を変えるだけで、「形式的に『占領』は終わるかもしれないが、実質的には何も変わらない」と指摘されています。

では、「主権が移譲されて、なおかつ占領が実質的に終わらないのだとすれば、いったい主権とは何なのだろうか」と問われ、次のように“20世紀の主権論”を展開されています。すなわち……
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架線事故…

今日、夜7時前にJRで架線事故が発生。仕方なくしばらく残業して、夜9時頃駅に着いたときには、電車は動き始めていました。それでも、ノロノロ動いてはすぐ止まり、途中駅に着くと5分停車…という調子で、普段なら35分程度でつくところが1時間20分もかかりました。

しかも最初はそんなに混んでなかったのに、途中駅に着くたびに乗り込んでくるお客さんが多くて(いつもとは逆)、車中は満員になるし、目の前には、上がビキニ(それともブラ?)丸見え、下はタオル地の薄いパンツスタイルの訳の分からんネーチャンが立ってるし、後ろからは太ったオッサンがお腹をぐいぐい押しつけてくるし、少し離れたところで座席に座っているアンチャンは携帯電話を開けては閉め、閉めては開け、カチャカチャいわせ続けるし、途中で止まるたびに車掌が何か放送しているのだけれども、音量が小さくて、空調のガンガンいう音で何を言っているかさっぱり聞こえないし、途中駅で目の前の席が空いたので座ったら、前に50過ぎのサラリーマンが立って「なんでおまえが座ってるんだ」みたいな顔をして、イライラした表情を見せるし……。疲れました。

高畠通敏氏の訃報

立教大学名誉教授の政治学者高畠通敏氏が、7日午前、肝不全のために亡くなられました。
共同通信の配信記事によれば、「東大法学部卒。東大助手を経て立教大教授に。1950年代後半から「思想の科学研究会」に参加。哲学者鶴見俊輔氏らと「転向研究」に取り組んだ。60年安保闘争では、安保改定に反対する市民グループ「声なき声の会」を結成し、事務局長を務めた」ということです。

以前から肝臓ガンを患われ、確か去年、論文集的なものが出たのが最後の著作になったのではないでしょうか。「市民派」ということで、時代の反動化にたいする批判は厳しく、それだけに最後まで「共産党嫌い」を押し通されたのは残念です。

家計の赤字

日銀の2003年度資金循環統計で、家計部門が赤字になった。収入が伸び悩んだため、預貯金などを取り崩し、家計部門は2兆2000億円の資金不足(赤字)になりました。これは1964年の調査開始以来初めてのことなのだそうです。対照的に、企業部門は資金が余る「黒字」になっています。

総務省の2003年度の家計調査でも、勤労者世帯の収入、税金などを引いた可処分所得はともに前年度比マイナスになっています。
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労働基準法違反で873社の社名公表

「朝日」7/7夕刊は、「03年に全国47労働局が労働基準法違反などで837社の企業名を公表した」ことが朝日新聞社の独自の取材で明らかになったと報道しています。2002年は、すでに資料を破棄した静岡を除く46労働局の合計で721社だったそうです。

公表の理由は、全体の4割が賃金の不払い。資金繰りを優先して賃金の支払を遅らせるケースで、7ヵ月以上未払いの企業が53社。残業や休日出勤の割増賃金を支払わない「サービス残業」で企業名公表が16社。ほかに、「労災隠し」で121社など。

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蝉の初鳴き

今日は朝から異常に蒸し暑い……。
と思っていたら、職場では、遠くから蝉の鳴き声が聞こえてきます。これって、今年の初鳴き? しかし、それだってますます暑く感じられるばかりです。

大量破壊兵器は見つからない

イギリスのブレア首相が、6日、イギリス下院委員会で、イラク戦争の「理由」とされた大量破壊兵器について「今後とも見つからない可能性を受け入れなければならない」と発言したそうです。ただ、同首相は「大量破壊兵器がかつて存在したのは明白」とし、「隠したり、処分したと考えられる」とも述べたそうです。

しかし、「かつて存在した」ことは当然としても、問題は、イラク戦争開戦直前の一定の時期に、本当に大量破壊兵器が存在したのかどうかです。事実、改選前の時期には、国連査察などによって大量破壊兵器の処分がすすんでいました。にもかかわらず、アメリカとイギリスはなお「隠している」「大量の大量破壊兵器を持っている」と主張したはず。それを、いまになって「処分したのではないか」などと言い出すのは、「大量破壊兵器の存在」という開戦の口実が破綻したことを事実上認めたものといえます。
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またもや小学生が…

昨日、新潟県三条市の小学6年生(男児)が、別のクラスの6年生(男児)に柳刃包丁で切りつけるという事件が起こりました。切られた生徒は、右腕5センチとと左手人差し指などが切られて2週間の怪我だといいます。男の子は、「悪口を言われた。バカにされていた」と動機を語ったと報道されています。

柳刃包丁をランドセルに入れて自宅から持ってきたというのですから、加害児童が、長崎・佐世保事件を真似て“やってやる”つもりで切りつけたことは確実でしょう。事件がテレビや新聞で大きく報道されると、こうやって影響される部分が必ず現われるのは、やむを得ないことなのでしょうか。佐世保事件をふくめ、事件の「解明」とともに、事件の「伝播」を防ぐ手だてが必要なような気がします。