イギリスのブレア首相が、6日、イギリス下院委員会で、イラク戦争の「理由」とされた大量破壊兵器について「今後とも見つからない可能性を受け入れなければならない」と発言したそうです。ただ、同首相は「大量破壊兵器がかつて存在したのは明白」とし、「隠したり、処分したと考えられる」とも述べたそうです。
しかし、「かつて存在した」ことは当然としても、問題は、イラク戦争開戦直前の一定の時期に、本当に大量破壊兵器が存在したのかどうかです。事実、改選前の時期には、国連査察などによって大量破壊兵器の処分がすすんでいました。にもかかわらず、アメリカとイギリスはなお「隠している」「大量の大量破壊兵器を持っている」と主張したはず。それを、いまになって「処分したのではないか」などと言い出すのは、「大量破壊兵器の存在」という開戦の口実が破綻したことを事実上認めたものといえます。
イラクの生物化学兵器、発見されないかもしれない=英首相
[ロンドン 6日 ロイター] ブレア英首相は、イラクで生物化学兵器が発見されることは全くないかもしれないと認めた。同首相はかつて、フセイン・イラク元大統領が生物化学兵器を使用する準備をしていると主張していた。