日銀の2003年度資金循環統計で、家計部門が赤字になった。収入が伸び悩んだため、預貯金などを取り崩し、家計部門は2兆2000億円の資金不足(赤字)になりました。これは1964年の調査開始以来初めてのことなのだそうです。対照的に、企業部門は資金が余る「黒字」になっています。
総務省の2003年度の家計調査でも、勤労者世帯の収入、税金などを引いた可処分所得はともに前年度比マイナスになっています。
共同が6/15に配信した記事は以下の通りです。
金融資産1400兆円回復 家計、株価上昇で2年ぶり
日銀が15日発表した資金循環統計によると、2004年3月末の家計が保有する金融資産残高は、株価の上昇で保有株式や投資信託の評価額が上がったことを受けて、前年同月末に比べ3.1%増の1412兆円と2年ぶりに1400兆円を回復した。
現金・預金は0.6%増の779兆円にとどまったが、株式・出資金が45.5%増の116兆円、投資信託は19.3%増の34兆円といずれも、前年度のマイナスから大幅増加に転じたのが貢献した。
ただ、03年度1年間での取引をみると、家計の資金は、所得で預金や株式投資などの資金を賄えず、前年度の6.4兆円の「余剰」から2.2兆円の「不足」に転落した。所得の減少に加えて、預貯金を取り崩す高齢世帯が増えたため、現金・預金の伸びが低下したことなどが響いた。
年度ベースで家計が資金不足に陥ったのは、現行基準の統計がある1990年度以来初めてだが、暦年では03年が資金不足となっていた。(共同通信)[6月15日11時24分更新]