社会科学系の書籍の出版事情が悪くなって、すぐに「版元品切・重版未定」になって入手できなくなってしまいます。岩波文庫、大月書店の国民文庫なども、軒並み品切です。で、どうするか? やっぱり古本屋をさがして見つけるのが一番です。
古本屋も、いまやインターネット時代。僕の地元の某古本屋のオヤジが言うには、売り上げでいうと3分の1が店売り、3分の1が他の古書専門店との取り引き、3分の1がインターネット販売という時代です。そういうこともあって、最近は、古書店側でもデータを整備して、インターネット取引に積極的に対応するようになってきました。汗水垂らして、神田や早稲田など古本屋を足まめに回らなくても、必要な本をもっと効率よくさがすことができます。
そこで、僕がよく使っている古書のインターネット検索を紹介します。
- 日本の古本屋 http://www.kosho.or.jp/
- 東京都古書籍商業協同組合インターネット運営委員会が代表して運営している古書店サイト。全国2700店の古書店から古書データが登録されており、いちばん“使いで”があります。会員登録が必要で、検索結果のなかから買う品物を選ぶと、自動的に加盟古書店に連絡がゆき、あとは古書店との間での取り引きをすすめるというシステムになっています。
- Easyseek http://www.easyseek.net/
- いわゆる「楽天」サイト内の古書部門。こちらは、専門の古書店だけでなく、個人で手持ちの本を売りたいという人も登録されていて、専門古書店で見つからないような本を探すことが可能。ただし、個人の場合は、トラブル発生時の対応などで手間取るケースもあります。会員登録が必要。
- スーパー源氏
http://www.murasakishikibu.co.jp/oldbook/sgenji.html - 有限会社紫式部が運営する検索サイト。データはかなりの部分「日本の古本屋」と重なっていますが、たまに独自の結果がヒットする場合があります。会員登録は不要ですが、発注のたびに住所などの入力が必要です。
- OldBookMark古本屋散策の栞
http://www.crypto.ne.jp/oldbookmark/ - 各古書店のデーターベースを横断検索してくれるサイト。検索にヒットすると、各古書店のホームページが開いて、あとは自分で注文するというシステムです。したがって対象は、自分でインターネット上に古書データーベースを持っている古書店に限定。かなりの部分、「日本の古本屋」と重なっていますが、たまに独自のものにヒットします。このサイトは、独自のリンク集や、新刊書、書店などを横断検索できる「本の枝折(しおり)」というサイトが重宝します。登録は不要。
- Amazon.co.jp http://www.amazon.co.jp/
- 言わずと知れた「アマゾン.com」の日本サイトです。基本は新刊書ですが、「楽天」と同じように個人が販売登録もできるので、「ユーズド商品」があれば、それもいっしょに表示されます。意外な“掘り出し物”があったりもします。会員登録が必要。
- セブン・アンド・ワイ http://www.7andy.jp/books/
イーエスブックス http://www.esbooks.co.jp/books/ - 新刊書の検索サイトですが、「絶版本」を含めて検索できるので重宝します。また、署名や著者名が分からなくても、キーワードなどでかなり大ざっぱに検索できます。書名や出版年がはっきりしないときや、とりあえずこの著者の全著作を調べたいというときなどは、まずここで検索して、書誌情報を確認することができます(もちろん、あまりに古い本は登録されてませんが)。追記:12月に名称とURL変更
会員登録して利用するサイトの場合も、個々の取り引きは古書店など直接おこなうというシステムがほとんどで、取引の内容や結果についてサイト運営者が保障してくれるわけではありません。キャンセルや返品などの条件についても、一般的目安は提示されていますが、個々の取引条件の方が優先されます。
したがって、インターネットでの取り引きにはつねにトラブルの危険性がついてくる訳ですが、一般論として言えば、きちんと都道府県公安委員会の営業許可をもっている専門古書店は、キャンセルや返品の規定もしっかりしており、トラブルが生じても困ることは少ないと考えることができます。
また、先に商品が送られてきて、あとから同封の郵便振替用紙で代金を振り込むという形が多いので、その点でも安心です。一部、代金先払いという古書店もありますが、心配ならば、いきなり高額書を注文するのでなく、安い本で取り引きしてみて対応を確認した方がいいでしょう。