小泉内閣不支持率50%を上回る

今日、東京新聞、朝日、読売が、参院選の結果を受けての緊急世論調査の結果をそろって報道しています。

まず東京新聞は、共同通信の世論調査の結果を報道しています。

内閣支持率、初の30%台 不支持も過半数

参院選を受けて共同通信社が12、13両日実施した全国緊急電話世論調査によると、小泉内閣の支持率は38.9%で前回5月調査の54.9%から16.0ポイント下落、小泉純一郎首相が2001年4月に就任以来、初めて40%を割り込んだ。不支持率は51.0%で初めて50%を上回った。(「東京新聞」7月14日付朝刊)

そのほか、次のような結果が出ています。

  • 政党支持率では、自民党が28.8%(前回比5.5ポイント減)、民主党27.8%(13.5ポイント増)。←※民主党は、これまではいつも選挙の時は支持率が高くなるが、選挙が終わると下がっていった。はたして今回はどうなる?
  • しかしだからと言って、小泉首相に「できるだけ早く辞めてほしい」は31.9%、「残る2年余りの任期まで」が46.4%で、世論は必ずしも「即退陣」ではない。
  • 選挙結果については、「よかった」47.5%、「よくなかった」11.7%。自民、民主の「二大政党」化の傾向については、「望ましい」48.2%、「望ましくない」13.0%。
  • 参院選の投票で重視したのは、「年金」40.2%、「景気」30.1%、「憲法」7.9%、「イラク」7.3%、「北朝鮮」5.5%の順。

投票で重視したものとして、「憲法」「イラク」の割合が1桁というのは、大澤真幸氏の指摘とも重なってくる問題といえます。また、「二大政党化」が「望ましい」48.2%という世論にどうアプローチするか。これは大いに研究すべき課題でしょう。

朝日新聞でも、大枠の傾向は同じようです。

  • 政党支持率では民主29%、自民27%で初めて自民党が他党を下回った。
  • 小泉内閣を「支持する」39%、「支持しない」50%
  • 小泉首相続投は「続けてもよい」56%、「続けるべきではない」36%
  • 選挙結果をどう思うか。「よかった」62%、「そうは思わない」22%
  • 民主党が当選者数を大幅に伸ばしたのは、「自民党に問題がある」73%、「政策が期待できる」12%、「岡田代表が信頼できる」9%
  • 年金改革法は「このままでよい」11%、「白紙に戻した方がよい」79%

読売新聞は、次のような世論調査結果を報道しています。

  • 選挙結果は「よかった」61.9%、「よくなかった」14.6%、「どちらとも言えない」15.8%、「答えない」7.7%
  • 自民党の議席が減った最大の理由は「年金改革への不満」55.0%、「自衛隊の多国籍軍参加への不満」14.9%、「小泉改革の成果への不満」12.0%、「小泉首相への不満」11.8%、「答えない」8.8%
  • 小泉首相は政権を「引き続き担当する方がよい」57.9%、「辞任する方がよい」28.4%
  • 民主党が躍進した理由は「主張が評価された」6.8%、「岡田代表への期待が高まった」15.7%、「小泉首相への批判が強まった」39.4%、「自民党以外では民主党が一番よいと思われた」30.2%
  • 民主党が近い将来政権をとることができるか。「そう思う」24.8%、「そうは思わない」60.8%
  • 参議院でも2大政党化がすすんだのは「良かった」67.5%、「良くなかった」15.9%
  • 小泉内閣を「支持する」41.4%、「支持しない」46.9%

いずれも、選挙結果を6割程度が「良かった」と評価。小泉内閣不支持率が50%になり、支持を大きく上回ったが、同時に、即時退陣論を支持する人は3割程度。まあ、民主党が圧勝したわけではないから、こんなところか、という感じなのでしょうか? 民主党が伸びた理由として、政策がよいというような積極的なものはあまり見られず、「自民党があまりに悪いから」という理由(反射効果とでも言うべきか?)が大きいことも共通しています。

「二大政党化」について、読売新聞の世論調査でも、67.5%が「良かった」と答えています。もちろん、回答した側が「二大政党化」ということで何を考えているのかを問わない質問ですから、回答にどれだけの意味があるかは検討を要しますが、それにしても、有権者が国政選挙に「政権を争う選択」という意味合いを込めるようになってきたことは確かです。そういうなかで、真っ当なことを主張する政党が第三勢力として、どう国民にその存在意義を伝えるか。研究を要する課題だと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください