電通消費者研究センターのインターネット調査として報道されているところによると、「自分を勝ち組だと思うか、負け組だと思うか」という質問に対して、「勝ち組」と意識している人の割合は、年収500万円以下だと20%、500〜1000万円で30%前後であるのに対し、年収1000万円以超の場合は58%と急増したそうです。
電通消費者研究センターの調査についての記事はこれ。
勝ち負けの境は年収1000万
人生の勝ち負けを決めるのはやはり経済力――。人生の「勝ち組意識」を持つ人の割合が、年収1000万円超の高所得者では過半数と、それ以下の所得層と比べ格段に高いことが、電通がまとめたインターネット調査でこのほど分かった。
調査によると、年収1000万円超で、自分が「勝ち組」と意識している人の割合は約58%。500万円超〜1000万円では30%前後、500万円以下では20%前後にとどまった。
男女別では、女性で自分を「負け組」と考える割合は「やや負け組」を含めて約1割だったが、男性は2割を超え「負け組意識」が強かった。(共同通信)[5月6日12時8分更新]
厚生労働省の「仕事と生活の調和にかんする意識調査」(企業に勤める人9000人を対象に実施、2003年10月調査)では、「賃金」について「満足」「どちらともいえない」と答えた人は、収入200〜500万円の人では半数に満たないのにたいし、収入が1000万円以上では約9割に上るという結果も出ています。
内閣府の「国民生活選好度調査」では、「収入や財産の不平等が少ないことが、現在どの程度満たされているか」という質問に対し、「ほとんど満たされていない」という回答が、2002年には22%になり、バブル時の20%を超える水準になっていると言います。
「中流」崩壊論など、日本の所得格差問題については、統計的手法をめぐる論争もありますが、全体として、「格差が拡大している」という意識が徐々に広がっていることは間違いない事実でしょう。
しかし、給与所得者の分布で言えば、年収500万円未満の層は半分を占め、年収1000万円以上は1割に満たない水準です(国税庁「民間給与の実態調査」)。