日本経団連が、7月20日、「今後の防衛力整備のあり方について」という意見書を発表。その中で、武器輸出を全面禁止している日本の「武器輸出三原則」や、宇宙の「平和利用」原則の見直しを求めています。
- 武器輸出三原則
- 1967年に当時の佐藤栄作首相が、[1]共産国、[2]国連決議による武器禁輸対象国、[3]国際紛争当事国、への武器輸出を認めないと表明。1976年、三木内閣の政府統一見解として、3原則以外の対象地域にも武器輸出を慎むとした。ただし、1983年の官房長官談話で、米国には武器技術供与を認めている。
- 宇宙の平和利用原則
- 1969年5月の国会決議および宇宙開発事業団法で、日本の宇宙開発・利用を平和目的に限るとしたもの。
武器輸出三原則の見直しを 日本経団連が提言
日本経団連は20日、武器の輸出を制限した「武器輸出三原則」の見直しなどを求める提言をまとめた。同日の理事会で承認、今後、政府、与党に要望する。経団連が防衛関連問題で提言をまとめるのは、2000年9月以来約4年ぶり。
提言では、テロの活発化など脅威が多様化する一方、装備予算減少の影響で防衛産業の撤退や縮小が懸念されると指摘。ミサイル防衛など国際共同開発に日本企業が参加できず最先端技術に関与できない場合、技術力の低下を招く恐れもあるとしている。
これまで対米輸出の緩和を求めてきた武器輸出三原則については「理念を尊重しつつ、一律禁止ではなく、国益に沿った形で輸出管理の在り方を再検討する必要がある」と、対米を中心に広く緩和するよう求めた。
さらにミサイル防衛の共同開発を念頭に、自衛隊の衛星利用を制限している宇宙の平和利用原則についても見直すよう求めている。(共同通信)[7月20日17時35分更新]
日本経団連:今後の防衛力整備のあり方について (2004-07-20)
武器輸出三原則についての外務省の説明は↓