今朝の毎日新聞によると、旧日本軍が第2次世界大戦中、中国でイペリットを使用したことを具体的に示す資料が公開されたそうです。
これまで日本政府は、非致死性の化学剤兵器の使用は認めていたものの、イペリットなど致死性ガスの使用は「確認できない」としていました。
旧日本軍戦史資料 致死性毒ガス「使用」――防衛庁公開 指揮官、部隊を明記
旧日本軍が第二次世界大戦中、中国で「黄剤(きざい)」と呼ばれた致死性の毒ガス「イペリット」を使用したことを具体的に示したとみられる戦史資料「冬季山西粛正作戦戦闘詳報」を防衛庁が公開した。これまでの資料で特定できなかった指揮官や部隊名が実名で書かれ、「撒毒(さんどく)」の表記で毒ガス作戦の詳細をつづっており、防衛庁は「旧軍の文書には、黄剤の使用を『撒毒』と表現しているものがあることから、本史料の『撒毒』とはイペリットの使用を示唆しているのではないかと思われる」と説明している。
(中略)それによると、1942年2月、中国山西省での燼滅作戦(三光作戦)を展開した第1軍の弘前歩兵第36師団長が同月6日、八路軍(中国共産党軍)の拠点の村落10カ所を指定し、「重要施設ヲ発見セル場合之ヲ撒毒ス」と命令。これをうけた歩兵第224連隊長は指揮下の3大隊に「撒毒」を命じ、大隊それぞれに毒ガスの専門技術を持つ「特種作業隊」を配属させ、同20?21日に実行した。(後略)毎日新聞2004/07/26朝刊
同史料は、民主党の田島一成衆院議員(民主党)が今年3月に請求していたもの。