現代版「朝三暮四」…?

細田官房長官は、今日の記者会見のなかで、小泉首相の任期中に、将来の消費税率引き上げを決めることもありうると発言しました。小泉首相は「私の任期中は引き上げない」と公約してきましたが、細川官房長官によれば、引き上げの方針を決めるだけだから公約違反にはならないということのようです。

費税上げ方針、首相任期中に決定も…官房長官(読売新聞)

これを聞いて、「朝三暮四」という格言を思い出しました。

中国の春秋時代、宋の狙公が、手飼の猿にトチの実を与えるのに、「朝に3つ、暮に4つ」やったところ猿たちが怒ったため、「朝に4つ、暮に3つ」にしたら喜んだというお話です。

ここから、目先の細かいことで相手をごまかすこと、あるいは目先の違いに目を奪われて、結果が同じになることに気がつかないことを言います。消費税引き上げの方針を決めるだけなら、消費税は引き上げないという公約に違反しないというのは、それこそ、現代版の「朝三暮四」でしょう。国民を狙公の猿のようにバカにした話です。

費税上げ方針、首相任期中に決定も…官房長官

 細田官房長官は29日午前の記者会見で、社会保障の財源問題に関連して、小泉首相の在任中に、消費税率引き上げの方針を決める可能性を示唆した。
 消費税について首相は、自民党総裁任期の2006年9月までの首相在任中には引き上げを行わないと明言している。これについて細田長官は「首相は(任期後の将来も)引き上げないとは言っていない。(引き上げの決定は)あり得る」と述べた。
 また、「衆参両院の与野党の協議も消費税を引き上げるべきだという結論に達し、合意されるのであれば、例えば3年後施行というような、首相の(任期中は引き上げないという)約束とは反しないような形でもあり得る」との見通しを示した。
 さらに30日に初会合を開く官房長官の私的懇談会「社会保障の在り方に関する懇談会」に関して、「長い期間を考えた場合、こういう手当てが必要だという議論も必要だ」とし、消費税率引き上げを検討課題とする方針を明確にした。(読売新聞)[7月29日13時43分更新]

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