全国の輸血事例の総数に比べたら、80件というのは本当にわずかな出来事なのでしょう。しかし、輸血が信頼できないとなると、かなり深刻な事態と言わざるをえません。
輸血感染症:3月末以降だけで80件の疑い事例 厚労省(毎日新聞)
輸血感染症:3月末以降だけで80件の疑い事例 厚労省
輸血が原因でB型肝炎など感染症になった疑いがある報告事例が今年3月末以降、80件あったことが厚生労働省の調べで分かった。このうち、献血者の保管検体からウイルスが発見され、輸血が原因とほぼ断定されたのはB型肝炎ウイルス(HBV)の4件。輸血後、劇症肝炎で亡くなった2歳児など死亡事例も3件あったが、輸血との因果関係はいずれも不明だった。10日に開かれた薬事・食品衛生審議会の血液事業部会運営委員会で報告された。
厚労省によると、80件のうちHBVが41件、C型肝炎ウイルス(HCV)が27件、エイズウイルス(HIV)が1件、その他の感染症が11件。HIVの1件はその後の調査で陰性だったため、感染していなかったとみられている。
同委員会ではこのほか、日本赤十字社からウイルス感染の追跡調査のため、献血者に検査などの事後協力を要請する場合、その対象を輸血前は陰性だった患者が輸血後、陽性(感染)となり、死亡か劇症肝炎など重篤な症例に陥ったケースに限定したいとの提案があった。ただ、委員から対象の幅をもっと広げるべきだとの意見が出てまとまらず、今後、同部会安全技術調査会の意見も参考に内容を再検討することになった。【玉木達也】(毎日新聞 2004年8月10日 21時54分)