琉球大学4回生が作る「写道部: 沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落を中心に」というホームページからトラックバックをもらい、琉球朝日放送の↓のホームページのことを知りました。本土にいると、オリンピックのニュースに埋没してしまい、小さな記事で終わってしまっていますが、住宅地の大学に軍事ヘリが墜落したこと、その事故機が日本側の現場検証なしに撤去されたことの意味がよく分かります。
QAB琉球朝日放送Web Site-ステーションQ 緊急特集 沖国大ヘリ墜落事故-1-
QAB琉球朝日放送Web Site-ステーションQ 緊急特集 沖国大ヘリ墜落事故-2-
画像がないので分かりにくいかも知れませんが、大事な記事なので引用しておきます。
緊急特集 沖国大ヘリ墜落事故-1-
民間人への被害がなかったのは奇跡としか言いようがないアメリカ軍のヘリ墜落事故。事故から3日たっても日本の捜査当局は現場検証にも入れない状態が続いています。QABには、事故直後から視聴者の皆さんから情報をいただいているんですが、今回の事故を多角的な面から検証できないかと実際に事故の瞬間やヘリコプターの異常な飛行を目撃したというかたから情報をいただきたいと思います。さらに今回の事故を受けて普天間基地をどうするべきかについてのご意見をEメールとファクシミリでお寄せください。お待ちしています。
アメリカ軍はきょう午後墜落したヘリコプターの撤去作業を始め,現在現場には焼け方が激しく原型をほとんどとどめない,まるで大きな鉄くずのような機体の前の部分が残されている状況です。
まず、午後3時から始まった撤去作業の様子をご覧下さい。
アメリカ軍は機体を運び出す際に障害となる大学の木を切り取った後、民間のクレーン車によって機体の回収を始めました。この作業は、県警がアメリカ軍に求めていた現場検証の同意に対し、返事もないまま始まりました。現場では数十人の迷彩服姿のアメリカ兵が撤去にあたりましたが、その間県警や消防署の署員はその様子を写真に収めるだけで機体には全く触れることがないまま作業は続けられました。
そして、クレーン車に運び込まれた機体がキャンパスを離れる際には現場周辺で抗議行動を実施していた学生などと県警の機動隊がもみ合う場面も見られました。
事故を起こしたのは、アメリカ軍ですが、そのアメリカ軍は当然のことのように、現場に一切近づけることなく、この3日間、事故機をガードし続けました。その間、道路を封鎖するなどまさに住民生活を無視した形です。普天間基地周辺に住んでいる人たちは、いつかこのような事態が起きるのではないかという不安の中で生活してきました。そんな中、起こってしまった事故、その後のアメリカ軍の対応は、この一帯に住む人たちだけではなく、県民全体に不安や不満を与えたばかりではなく、今後大きなしこりを残すこととなりそうです。
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アメリカ軍の大型ヘリコプターが墜落炎上したのが先週金曜日、週末にはあわただしい動きが見られました。
墜落から一夜あけた土曜日、現場はアメリカ軍が管理したまま県警が事故機の処理もあたれない事態が続きました。
沖縄県警は令状を取ってアメリカ軍と合同での検証を要請したもののアメリカ側は回答をせず、事故発生から24時間経っても事故機の処理が出来ない事態となっています。
現場には消化剤とガソリン臭のような匂いが立ちこめ、アメリカ軍が機体に残った燃料を抜き取る作業を行っていました。また、現場周辺の道路の規制も解除されず事故機をアメリカ軍の捜査当局がそして、その周辺を県警が警備するという奇妙な状況が続きました。
一方、機体の一部は民間の住宅の中にまで飛び散っていて地元宜野湾市は土曜日、午後から被害の実態調査を開始しました。その頃、県庁を急遽訪れた外務省の荒井政務官が県庁を訪れます。
普天間基地からヘリコプターを飛ばさないようアメリカ軍に申し入れブラックマン四軍調整官に対し速やかに日米合同で現場調査にあたるよう求めたということです。しかし、その申し入れにも関わらず日曜になってもアメリカ軍は県警の現場検証に同意せず事故から2日たっても現場をアメリカ軍が管理する事態が続きました。
この間、警察と消防が出来たのは事故機と現場周辺の写真撮影だけでした。ジェームズ・フロック准将 「事故機以外の機種は全て徹底した安全点検を済ませ、きょう午前11時以降、飛行訓練を再開する」
宜野湾市・伊波洋一市長 「これは全く許されないことである。もしそういうことをするならば、米軍は県民のものすごい反発を受けるでしょう、もちろん宜野湾市民からも。私たちが求めているのは、このような危険な飛行場を米軍が運用してはならないということです」
そして、きょう・・・ アメリカ軍は事故機種以外の飛行を再開した。[QAB琉球朝日放送 2004/08/16]
緊急特集 沖国大ヘリ墜落事故-2-
私たちは今,ヘリが接触した校舎の中に居ます。コンクリートの破片が入り込みガラスが大きく割れ,そのすぐ外にヘリの残骸が堕ちています。
火災の火は校舎の中にまで及びました,手元のドアの鍵も壊れています。
今回の事故で一番被害を受けた建物は沖縄国際大学の本館でした。しかし,事故直後からアメリカ軍は厳しい立ち入り制限をしいて,大学関係者はおろか,県警までもが締め出されてしまいました。そんななかQABのカメラは建物の中で撮影しています。
ここからは映像を見ながら中を取材した実近記者に説明してもらいます。実近記者 『建物の中はヘリコプターが墜落して,爆発までの数分のうちに職員が全員避難したため無人状態でした。』『ただ火災用の非常ベルだけがずっとなっていました。』『まずは一階部分ですが,とにかくガラスが散乱していました。』『そして,非常に大きなヘリコプターの部品のようなものも入り込んでいました。』『これらは全てガラスを割って中に入っていて,まさに戦場の建物の中に居るようでした。』
本当に事務作業をしているすぐ隣に落ちたんですね。
実近記者 『はい,完全に建物にぶつかる感じで横たわっていました。近くから見ると,まだ煙も出ていて,つよい熱を感じました。』『機体はみしみしと音を立てていて,この時はまだ燃料タンクに残った燃料も抜いていなかったので,我々も緊張しながらの取材になりました。』
実近記者 『非常につよい炎が上がったものと見られます。ここは3階部分ですが,真っ黒に焦げています。ぶつかった衝撃でしょうか,火災の熱の影響でしょうか,校舎は激しく壊れています。』『下からは米軍関係者が出て行けと激しく抗議しています。』『そして私たちはアメリカ兵によって校舎の外に連れ出されることになります。』
実近記者 『この後,我々は,テープを出さなければ,ここから出て行かせないと,アメリカ軍関係者に激しく問い詰め寄られて押し問答になりました。』人の大学で事故をおこしておいて,取材したテープをわたせと強要するというのは考えられない事ですが,現場ではこのような米軍のマスコミへの高圧的な規制が大きな問題になりました。私も取材しながら何度も軍服を着た人たちと衝突しましたが,まさに『占領意識丸出し』という現状を実感しました。
実近記者 『この点は最も大きな問題だと思います。アメリカ軍が現場検証をする意味と,県民がうけた被害を検証する警察の現場検証はまるで違う訳ですね。立ち入りできないまま,証拠物品を次々に撤収してしまったら,我々は被害の実態を知る事が出来ません。それではもはや法治国家とは言えません。今後,アメリカ軍のとった初動態勢は厳しく避難されるべきだと思います。』
こちらをご覧下さい。この写真は墜落事故の1時間前に撮影されたCHー53型機の写真です。このヘリコプターが墜落事故を起こしものと見られます。CH-53D型機は全長27メートル、高さ7・6メートル重量は19トンあります。1960年代のベトナム戦争にも参加した大型の輸送ヘリで、普天間基地にはD型をパワーアップしたE型が15機が配備されていると言われています。
そのCH-53型機の関係する事故は墜落や不時着など18件もあります。そして、この地図をご覧下さい。この×印が墜落現場ですがこの現場を中心に機体の部品が27ヶ所に飛び散りました。最も離れた場所は330メートルです。
大学のキャンパスを突然襲ったヘリの墜落。日が経つにつれ、新たな被害が明らかになっていますが、事故現場からだいぶ離れた場所にも及んでいました。
現場から最も離れた我如古一丁目の雑木林に突然落ちた大きな物体。これは墜落したヘリの後ろの部分のローターとであることが判明しました。引きちぎられたような姿をさらしている後部ローター。大きさは優に2.3メートルを超えており、落下した機体の一部としては最大級のものです。
後部ローターが落下したのは公民館の下の雑木林。ローターは墜落直前に何らかの異常が生じて落下したと思われ、多くの目撃証言から墜落するかなり前からトラブルが発生していたと予想されます。
ヘリはこの住宅のほかに周りにオイルを撒き散らし、一帯の住宅の屋根や壁、駐車していた車にオイルが染みつきました。
今回の墜落事故の被害は広範囲にわたり、住民の不安は未だ解消されていません。
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既に、事故を起こしたヘリコプターは県警の現場検証が出来ないままアメリカ軍が撤去してしいましたが今後の捜査はどうなるのでしょうか。〈中継・比嘉雅人記者〉県警が求めていた日米合同の現場検証に対するアメリカ軍からの回答はなくそれどころか、この撤去作業についても県警に全く連絡のないまま着手しました。民間地域で事故が起きた場合には日米の協力はあり得ず、地位協定さえも守れない事を如実に示したと言えます。
県警では今後、事故の機体はないものの乗組員の3人については逮捕しないまでも航空危険行為処罰法違反の容疑で書類送検する方針です。又、今後、事故原因を解明する為通信レコーダーの提供など県警の捜査にアメリカ軍がどこまで協力するかも不透明です。[QAB琉球朝日放送 2004/08/16]
こっちの沖縄タイムスの特集記事のページも役立ちます。
この特集に紹介されている「県民の声」を読むと、現地の人たちが今回の事件をどれほど重大で深刻な事件と考え、感じているかということがよく分かります。
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