アメリカ大使館が、28日、墜落したヘリと同型機の飛行を当面中止すると発表しましたが、これについて琉球新報29日付が鋭い指摘をしています。
また、事故原因についての米側の説明についても、一方で「事故機固有のもの」としながら、後部回転翼が落下した理由については、構造上の欠陥なのか整備不良なのかは「分かっていない」と答弁するなど矛盾した態度をとっていることを指摘しています。
しかし、事故直後に同型機6機を飛行させており、今回の措置は、当面は米軍側にとって飛行させる必要性がなくなったから、ということなんでしょうねえ。
県民の反発を危ぐ 矛盾対応で米軍迷走
駐日米大使館が米軍ヘリ沖国大墜落事故と同型のCH53Dヘリの運用再開を当面中止すると発表した。27日夜の外務省の申し入れを受けた措置とみられる。背景には、事故に対する県民の反発が日に日に高まっていることへの日米両政府の危機感がありそうだ。
政府は27日夕、急きょ関係閣僚会合を開き、問題に取り組む姿勢を強調してみせた。その中で、同型機の飛行中止については同日中に再度、要請することを決め、外務省に指示。これを受け、外務省の梅本和義北米局参事官は同日夜、駐日米大使館のシェアー公使に「事故原因や再発防止策についての十分な説明なくして飛行させることがないよう」求めた。同公使は「申し入れを真剣に受け止め、関係者に伝える」と答えている。
外務省は23日夜にも川口順子外相がパウエル米国務長官と電話会談し、飛行再開に対し「極めて遺憾だ」と伝えており、それまで飛行再開の構えを崩していなかった米側も、相次ぐ日本政府の要請に折れた格好だ。
ただ、米側は事故原因について「事故機特有のもの」とする説明を変えていない。「事故機特有」と言いながら、後部回転翼の固定器具が外れた原因が機体の構造上の問題か、整備不良なのかは「分かっていない」と、矛盾した返答に終始している。
22日になされた同型機6機の飛行再開について、米側は「安全を確認して飛ばした」と強弁していた。今回の大使館の「適切となるまで飛行しない」というのは、これまでも日本政府や県が求めてきた当然の措置だが、それをこの段階になって取るということは、6機の飛行が適切でない時点でなされたとの疑念を増幅させることにもなった。矛盾した対応の連続は、米軍の迷走ぶりも象徴している。(琉球新報) – 8月29日11時14分更新