オール・ポーランド・プログラム

今日から、日フィルの秋の定期演奏会が始まりました。第1回は、オール・ポーランド・プログラム。不勉強な僕はいずれも知らない作曲家ばかりです。

  • シマノフスキ:夜想曲とタランテラ
  • ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第1番
  • キラル:クシェサニ
  •  《休憩》
  • ルトスワフスキ:管弦楽のための協奏曲(I.序曲 II.夜の奇想曲とアリオーソ III.パッサカリア?トッカータ?コラール)

【演奏会情報】指揮:アントニ・ヴィット/ヴァイオリン:木野雅之/ゲスト・コンマス:後藤龍伸/サントリーホール

1曲目は、カロル・シマノフスキ(1882?1937)が1915年に作曲したヴァイオリンとピアノのための楽曲。それを、ジェゴシュ・フィテルベルクがオーケストラ版に編曲したもの。なかなか派手な曲ですが、残念ながら爆睡していました…。(^^;) なお、オーケストラ編曲版は日本初演だそうです。

2曲目は、ヘンリク・ヴィエニャフスキ(1835?1880)が1853年に作った曲ということで、今日のプログラムの中では唯一19世紀の作品です。そのため、これだけ編成も小ぶりで、安心して落ち着いて聴くことができました。第2楽章がなかなか味わい深いように思いました。

3曲目のヴォイチェフ・キラル(1932?)は、「戦場のピアニスト」などの映画音楽の作曲者として有名(なのだそうです)。ということで、この曲は半音階あり、不協和音ありの完全な現代音楽です。しかし、武満徹さんのようなモワモワ、ゾワゾワでなく、もっと音楽の構成(?)が分かるという印象でした。オーケストラも舞台いっぱい、ティンパニだけでも7つあるという大編成で、どんがらがっちゃん、ずんずんどこどこ、派手な楽曲でした。

休憩後は、ヴィトルド・ルトスワフスキ(1913?1994)が1954年に書いた作品。年代順でいえば1曲目と3曲目の中間で、音楽的にも、3曲目の「現代音楽」と、1曲目のストラビンスキー風の中間という感じでした。第1楽章でチェロが奏でる主題がなかなか面白い旋律です。第3楽章のテーマも、最初にコントラバスがピチカートで演奏するというのがちょっと変わっています。

指揮のアントニ・ヴィット氏はポーランド生まれなので、これらの楽曲はお手の物だったのかも知れませんが、それとは別に難物の現代音楽を暗譜で振って、不協和音の山を破綻させず、見事にまとめ上げていました。とくに前半が終わったところでの拍手は相当なもので、ご本人は何度も舞台に呼び戻され少々面食らっておられる様子でした。

今日のプログラムは、「オール・ポーランド」ということでしたが、19世紀から20世紀初めから現代へという音楽的表現の変化も楽しめるプログラムでした。それにしても、会場の空席が目立ったのが残念でした。

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