在日米軍基地の再編問題で、小泉首相が、ようやく対応策を考えるように、官房長官や外務大臣、防衛庁長官に指示したそうです。米軍の抑止力を維持するとともに「国民の負担軽減に努めるように」ということらしいですが、マスメディアが見逃しているのは、この米軍再編はブッシュ大統領にとって大統領選との関係でも重要な課題になっているという点。むしろ、政治問題化するのを避けようと、のらりくらりした対応しかしない日本政府にたいして、ブッシュ側から「いい加減にしろ、大統領選前に形をつけろ」と圧力がかかったのかも知れません。
「日本の負担軽減を」 首相、米軍再編で基本姿勢指示(朝日新聞)
「日本の負担軽減を」 首相、米軍再編で基本姿勢指示
[朝日新聞 09/10 18:50]小泉首相は10日、米軍再編に関する米国との協議にあたっての基本的な対処方針を、細田官房長官、川口外相、石破防衛庁長官に指示した。(1)主体的に日本の安全保障戦略を構築し、米軍再編問題に積極的に取り組む(2)米軍による抑止力の維持とともに、国民の負担軽減に努力する(3)憲法と日米安全保障条約の枠内で対処し、これに抵触することは避ける――との内容だ。21日に予定している日米首脳会談でも、こうした考えを伝える見通しだ。
米政府は、アジア全域の部隊を指揮する司令部機能の日本への集中や、在日米軍の再配置を検討している。だが、負担が重くなるとみられる地域から反発の声が出ているほか、日米安保条約には米軍基地を日本防衛のほか極東の平和と安全のため使用するという条項があり、広域の司令部機能を持てば同条項に触れる可能性があると懸念する声がある。
このため、政府として憲法や安保条約の枠を超えないことや、日本全体では基地の負担が軽減されるとアピールすることで、米軍再編に国民の理解を得ようとの狙いがある。
小泉首相は10日昼、首相官邸で記者団に「米軍再編、基地の整理・縮小、負担軽減、日本の安全保障を考える場合、外務省と防衛庁長官が緊密に連絡をとる必要がある。外務省と防衛庁が連携をとって日本側の考えをまとめ、米国側と交渉しようという指示を出した」と述べた。