国連のアナン事務総長が、イラク戦争について国連憲章に反した「違法」な戦争だったと明言。小泉さんが開戦時にしばしばもちだした「国際社会が共同して…」云々の口実は、これであらためて一切なりたたなくなりました。
同時に注目されるのは、現在のような治安悪化が続く限り、来年1月の直接選挙は「信頼にたる者とはなり得ない」との認識を示したこと。再び国連の場において、米英占領軍の早期撤退と国連の主体的関与によるイラク再建の方向が提起されることになると良いのですが。
ところでこの発言で困ったのは日本政府。官房長官は、「真意を確かめたい」というので精一杯だったようです。
<国連総長>「イラク戦争は違法」 初めて明言(毎日新聞)
<国連総長>「イラク戦争は違法」 初めて明言
【ニューヨーク高橋弘司】国連のアナン事務総長は15日、英BBCとの会見で、米英が主導したイラク戦争について国連憲章に照らして「違法」との見解を初めて示した。アナン氏はたびたび同戦争に批判的な見方を繰り返してきたが、これほど明確な批判は異例だ。アナン氏はイラク戦争は違法かとの質問に、「私の見解では国連憲章に合致していないと思う」と前置きし、「違法だった」と明言した。また、「国連の承認や国際社会の広範な支持がない、イラクのような軍事作戦が再び起こらないことを望む」と述べた。イラクの旧フセイン政権に大量破壊兵器完全廃棄を迫る国連安保理決議の審議が続く中、昨年3月、米英が一方的開戦に踏み切ったことへの強い疑念が背景にあるとみられ、アナン氏は「新たな決議を目指すべきだった」と振り返った。
一方、アナン氏はテロが頻発するイラクの現状に言及し、「このような治安悪化が続く限り、来年1月の直接選挙は信頼に足るものとなりえないだろう」と指摘、早急な治安改善や国連の主体的関与を通じた選挙の正当性確保が重要との認識を示唆した。
イラク戦争開戦を阻止できなかった「国連の危機」を踏まえ、国連の改革のあり方を問う「有識者諮問委員会」の提言が12月にも公表される。アナン氏の発言はこれを前に、14日開幕した第59回国連総会などでの活発な議論を促す狙いとみられる。(毎日新聞) – 9月16日12時13分更新
真意確認したい 事務総長発言で細田氏
細田博之官房長官は16日午前の記者会見で、国連のアナン事務総長がブッシュ米政権によるイラク戦争の開戦は国連憲章違反との考えを示したことについて「どういう表現で言ったのか、安全保障理事会の決議などの関係でどのような観点で言ったのか、まだはっきりしないので、真意を確認したい」と述べた。(共同通信) – 9月16日12時15分更新