明日からの選手会との交渉を控え、今日、プロ野球組織(NPB)の実行委員会が開かれました。しかし、決まった中身というと、かなり迂遠な感じです。
プロ野球スト:実行委で対策協議 ライブドアの審査を確認(毎日新聞)
加盟料(60億円)、参加料(30億円)を撤廃して、「預かり保証金」に切り替えるというのですが、その額が25兆円。10年後には返却するというのは、逆に言えば、いったん球団を保有したら10年は抜けさせないぞということでしょう。それにしても、「必要経費」に当たる「入会金」5億円というのは、いったい何なんでしょう。残りの球団で分配するというのですから、いまの加盟料・参加料と同じ“つかみ金”なんでは? 60億円が無理なら、5億円で我慢するか…という魂胆が見え透いて、みっともないやら情けないやら…。まったくもってみみっちいですねえ。
もう1つ呆れるのは、ライブドアの加盟申請について。これから各球団で検討するということがようやく確認されたようです。古田選手も、マスコミ記者からそのことを聞かされて、「今から始めるの? 今まで何もやってなかったの」と呆れてましたが、30日以内に結論を出すというのは、現在の野球協約にも明記されたルールです。「時間が足りない」と言いながら、あれこれ理由をつけてぐずぐず引き延ばすやり方は絶対に許されません。
プロ野球スト:実行委で対策協議 ライブドアの審査を確認
史上初めて18、19日にストが行われたプロ野球で21日、日本プロ野球組織(NPB)による実行委員会が開かれた。インターネット関連業「ライブドア」(堀江貴文社長)の新規加盟申請については、経営の健全性、継続性などの審査基準を早急に整備し「公正かつ適正に」審査を実施。野球協約に基づいて、申請(16日)から「30日以内」をめどに決定を通達することを確認した。一方、選手会への損害賠償請求や、ストで中止された試合の代替実施については結論が出なかった。
労組・日本プロ野球選手会(古田敦也会長=ヤクルト)は第2波のストを25、26日に構えている。スト回避に向けたNPBと選手会の協議・交渉委員会(団体交渉)は22、23日に名古屋市、24日に広島市で行われる。交渉期限は24日午後5時が見込まれる。
前回交渉では「来季の新規参入に向けた最大限の努力」を求めた選手会に対し、新規参入の受け入れやその時期は約束できないとするNPB側が「最大限の誠意で審査を行う」との表現を主張し、土壇場で決裂した。
協議では、交渉の妥協点について話し合われたが、内容は明らかにされなかった。NPB側は22日の交渉に先立って改めて会議を開く。
また加盟料(60億円)や参加料(30億円)を撤廃し、10年後に返却する「預かり保証金」(25億円)と必要経費に当たる「入会金」(5億円)に改正することを決めた。
ライブドアについて、豊蔵一・実行委員会委員長(セ・リーグ会長)は「選手会の要求も十分頭に入れて審査したい」と語ったが、来季の参入については「どうなるか分からない」と述べた。【湯浅聡】(毎日新聞) – 9月21日22時38分更新
あと、<プロ野球スト>譲歩案まとまらず団交前に協議へ 実行委(毎日新聞)が指摘していますが、ライブドアの申請が30日以内に審理されたとしても、結論として、「加盟を認めない」という場合もありえます。そうなると、NPBが先週、選手会と取り交わした「新規参入球団の加盟の促進を積極的に検討する」とした暫定合意を、自ら破ることになります。