それでも地球は動く?

小学生4〜6年生の約4割が「太陽が地球の周りを回っている」と考え、半数以上は月の満ち欠けの理由が分かっていないことが、国立天文台の調査で明らかになりました。

天文知識:小4〜6の42%が「天動説」? 国立天文台助教授ら、8都道府県調査(毎日新聞)

いまの小学校の理科は、ぜんぜん系統性がありません。星座の話や三日月はどっちの方角に出ているかという話は出てきても、地球の自転・公転、月の公転などは全然扱われてないですからねえ…。

しかし、今どきの子どもは、そもそも東西南北もよく分からないのでは? 東を向いたときに、右手の方角は?と聞いたら、たぶんあんまり正解率はよくないでしょう。自然に接する機会がなくなってしまったあとで、地球が自転しているかどうかというのを聞いてみても、なんかむなしい気がします。

天文知識:小4〜6の42%が「天動説」? 国立天文台助教授ら、8都道府県調査

◇「学習内容が不十分」――学会で指導要領修正を提案

 小学4〜6年生の約4割は「太陽が地球の周りを回っている」と考え、半数以上は月の満ち欠けの理由を理解していないなど、基本的な天文知識を欠いていることが、縣(あがた)秀彦・国立天文台助教授らの調査で分かった。21日から盛岡市で始まる日本天文学会で発表される。縣助教授は「現在の小学生の学習内容は極めて不十分」として、学習指導要領の修正を提案している。
 縣助教授らは01年6月〜今年6月、全国8都道府県の小学4年生から中学1年生の計1692人に、理科の好き嫌いや天文の知識についてアンケートした。
 このうち北海道、長野県など4道府県の公立小学校4校の4〜6年生計348人に、太陽と地球の関係の理解を二者択一で確かめたところ、「地球は太陽の周りを回っている」と正解を選んだ児童は56%にとどまり、42%は「太陽が地球の周りを回っている」と誤った方を選択した。
 また、6都道府県の計720人に月の満ち欠けについて聞いたところ、「地球から見て太陽と月の位置関係が変わるから」と正解を選んだのは47%と半数以下だった。また、「人工衛星と同じように地球の周りを回っている天体は?」との問いに、月と回答した児童は39%で、他の選択肢の火星が27%、太陽が24%だった。これらの結果から、縣助教授は「4〜5割の児童は地球中心の宇宙像を持っている」と推測する。
 縣助教授は2002年施行の現行の学習指導要領では、地上から見た太陽、月、星の動きの観察といった天動説的な内容しか扱っていない点に問題があると指摘。次回の改定時には「太陽、月、地球が球体であることや、その全体像をきちんと教えるべきだ。地上から見た天体の動きと宇宙での位置関係を正確に理解できるようにしてほしい」と話している。【江口一】[毎日新聞 2004年9月21日 東京夕刊]

しかし、このアンケート、「地球は太陽の周りを回っている」か「太陽が地球の周りを回っている」かの二者択一というのは、ちょっと問題がずれてますね。太陽の日周運動を問題にするのであれば、「地球が自転している」か「太陽が地球の周りを回っている」かという選択肢でないと、正しい二者択一になりません。

また、月の満ち欠けと太陽、月、地球の位置との関係というのは、おそらく大人でもかなりの人が分かってないと思います。

しかし、地球が自転していることや地球が太陽の周りを公転していることの証拠というのは、小学生ではなかなか理解が難しい。フーコーの振り子は、地球上で地球が自転していることを誰もがその目で確かめられる証明の1つですが、なぜ地球が自転していると振り子が回転するかを小学生に理解させるのが、これまた難しい。(^_^;)

フーコーの振り子は、上野の国立科学博物館本館1階(いまは日本館というのかな?)で見ることができるはず。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください