武器輸出3原則の見直しを提言

小泉総理大臣の諮問機関「安全保障と防衛力に関する懇談会」が、アメリカは同盟国だという理由で、武器輸出三原則の見直し・緩和を求める提言を出しました。といっても、小泉首相が設けた懇談会が小泉首相に提言した訳で、まさしく「自作自演」の文書にすぎません。しかし、それを根拠にして、防衛計画に三原則見直しをもりこみ、武器の面からも日米軍事一体化をすすめようというものです。

米には武器輸出制限緩和提言(NHKニュース)
安全保障と防衛力に関する懇談会報告書

米には武器輸出制限緩和提言

 小泉総理大臣の諮問機関「安全保障と防衛力に関する懇談会」は、「武器輸出3原則」についてアメリカとの間では制限を緩和することなどを提言しました。小泉総理大臣は「年内には新たな防衛計画大綱を策定したい」と述べました。
 この懇談会は、政府が年内の策定を目指している新たな防衛計画の大綱に、有識者の意見を取り入れるため、今年4月に設けられたもので、4日、これまでの検討結果をまとめた報告書を小泉総理大臣に提出しました。小泉総理大臣は、「この報告書をもとに、年内には新たな防衛計画の大綱を策定し、様々な脅威に対処できる柔軟な防衛力を整備したい」と述べました。
 報告書によりますと、▽国際紛争の当事国などに対する武器の輸出を認めず、それ以外の国への武器の輸出も慎むとした、昭和51年以来の政府統一見解である「武器輸出3原則」について、「弾道ミサイル防衛に関する日米共同の技術研究が、共同開発・生産に進む場合には見直す必要が生じる」として、「少なくとも同盟国のアメリカとの間では、武器禁輸を緩和するべきだ」と提言しています。▽また、イラクでの自衛隊の人道復興支援活動を念頭に、「国際社会は、紛争の予防から紛争後の国家再建に至る一連の活動を発展させており、日本も積極的に取り組むべきだ」として、自衛隊法で付随的任務とされてきた国際平和協力活動を、自衛隊の本来任務と位置づけるべきだとしています。そして、今後は、自衛隊が、復興支援活動だけでなく「治安維持のための活動の実施も視野に入れるのかを政府で十分に検討すべきで、その際には、任務遂行に必要な武器使用の権限を自衛隊に与えることも併せて検討する必要がある」としています。
 政府は、近く、安全保障会議を開いて、報告書の内容について協議したうえで、年末までには、9年ぶりとなる防衛計画大綱の見直しを行いたい考えです。
 武器輸出3原則は、▽共産圏や、▽国連決議によって武器の輸出が禁止されている国、それに▽国際紛争の当事国に対し、武器の輸出を認めないというもので、昭和42年、当時の佐藤内閣が国会で表明しました。昭和51年には、当時の三木内閣が、こうした国以外の地域への武器の輸出も慎むとした政府見解をまとめており、以来、歴代の内閣によって、日本の平和国家としての理念を体現する原則として尊重されてきました。 [ NHK 10/04 15:10 ]

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