らくだの涙

らくだの涙

昨晩、渋谷Bunkamuraのル・シネマで、ようやく見てきました。

ドイツのミュンヘン映像大学(HFF)に通う学生2人の卒業作品。監督の1人、ビャンバスレン・ダバーはモンゴル出身で、この作品でHFF3作目だそうです。

舞台は、モンゴル南部のゴビ砂漠。春になって、4世代一緒に暮らす遊牧民の一家に、らくだの出産シーズンが訪れるのですが、最後に、難産の末に白いらくだを生んだ若い母らくだは、その子らくだに乳を与えようとしません。子らくだは、他のらくだの乳を飲もうとせず、心配した家族は、あれこれ試してみますが、どうしても母らくだは言うことを聞かず、結局、馬頭琴の音楽を聴かせる特別の「儀式」をやるしかないという結論に。しかし、近所には馬頭琴の名手がいません。そこで、一家の幼い兄弟が、はるばる県庁の町まで馬頭琴の演奏家を呼びに行くことになります。はたして兄弟の旅は…、そして子らくだの運命は…。

ということになりますが、ストーリーはもちろん、映像としても非常に綺麗な作品でした。

砂漠の砂嵐、羊とラクダの放牧、ゲルでの暮らし、などなど。たんたんとした時間が流れていく感じです。同時に、県庁の町(都会?)についた兄弟、とくに弟はテレビに夢中になるし、町の子どもたちは、伝統的な民族衣装ではなく、ジーパンにジャケットという格好で、現代化するいまのモンゴルの生活の一端を覗かせています(弟のかぶっている帽子がadidasだったりするし)。それでも、4世代の家族が協力しながら、自然の中で暮らしていく様子が、ていねいに映し出されているのが印象的でした。

ところで、ル・シネマは日曜日最終回は1000円で見れるんですね。知らなかった…。節約しようと、わざわざチケットショップで前売り券を買っていったのに…。(^^;) でも、1000円で見られるせいか、日曜最終回は満席でした。

【作品情報】監督&脚本 ビャンバスレン・ダバー、ルイジ・ファロルニ/原案 ビャンバスレン・ダバー、バトバヤル・ダブガドルジ/出演 インゲン・テメー、ボトック、オーガンバータル・イフバヤル ほか/制作  ミュンヘン映像映画大学/2003年独

公式ホームページ

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