球界再編どころではなくなりそう…

今日、ダイエーが産業再生機構の利用を認めるというニュースが流れる一方で、西武・コクドの堤義明会長が、グループ企業の全役職を辞任すると発表。話は、球界再編どころではなくなりそうです。

<堤義明氏辞任>西武鉄道Gの全役職退く 株式事務に誤り(毎日新聞)

<ダイエー再建>再生機構の活用を決定 民間主導を断念(毎日新聞)

報道の限りでは、堤会長辞任の理由は、コクドが保有する西武鉄道の持ち株比率を過小報告していたと言うもの。上位10社の大株主の保有合計で88%となり、東京証券取引所の上場基準(80%)に違反していた事実を隠していた、と言われても仕方がない訳です。これは、たんなるルール違反ということではなく、市場で取引可能な西武の株式が、公表されているものより、実際にはかなり少なかったということで、結果として、株価を高値につり上げていたことにもなりかねません。西武鉄道については、総会屋との癒着問題もあったように、株をめぐる“疑惑”はつきないといえるでしょう。

さてダイエーの方ですが、こちらは東京三菱との合併(事実上の吸収)をひかえて、何としても債権放棄額を圧縮したいUFJを中心とした銀行グループに押し切られた格好になりました。「法的処理も辞さない」つまり、倒産させるぞという脅しまで行なった訳ですが、ダイエー側が「倒産させるなら、倒産させなさい」と開き直ってしまえば、銀行側には手も足も出なくなったのでしょうが、ダイエーの高木社長にはそこまでの勇気はなかった…ということでしょうか。

それはともかく、プロ野球球団・福岡ダイエーホークスの“身売り”話が現実化する可能性がこれで大きくなりました。しかし、最大の“1リーグ制推進精力”だったナベツネ氏と堤オーナーの引退で、そう簡単には「もう1つの合併」コースには進まないでしょう。

せっかく、2つの企業が新規参入を申し出ているのだから、このさいダイエーホークスをどちらかの企業に買収してもらったらどうでしょう?

<堤義明氏辞任>西武鉄道Gの全役職退く 株式事務に誤り

 西武鉄道グループのコクドの堤義明会長は13日、都内で記者会見し、コクドとグループ会社の全役職を辞任し、経営の第一線から身を引くことを明らかにした。コクドが筆頭株主になっている西武鉄道の株式保有比率を過少に有価証券報告書に記載していた事実を明らかにし、責任を取った。西武ライオンズのオーナー職も日本シリーズが終了した時点で退任、日本オリンピック委員会(JOC)の役職も退く意向だ。
 説明によると、西武鉄道の04年3月期の株式保有状況は、コクドが43.16%、コクドの子会社のプリンスホテルが0.98%と有価証券報告書などに記されていたが、実際にはコクドに1100人分、プリンスに約100人分の名義所有があり、保有比率はコクドが64.83%、プリンスが4.20%に訂正された。
 堤会長は「株式実務とか法の手続き規定などにノータッチで最近まで何も承知していなかった」としたが、「今回の件は古い体質に起因していると言わざるを得ず、自分が一線をすべて退くことでグループ各社がこうした過ちを繰り返さない企業として発展することを期待したい」と辞任を表明した。西武鉄道も小柳皓正社長に対し6カ月間、30%の減俸処分を下した。
 西武鉄道は99年9月中間期以降の半期報告書と有価証券報告書の株主の記載を訂正。今年3月末のコクドの株式保有比率を43.16%から64.83%に修正し、従来の「関係会社」から「親会社」に関係を改めた。また、グループ会社のプリンスホテル(同)についても同様に記載を修正し、西武株の保有比率を0.98%から4.20%に引き上げた。
 この発表を受け、東京証券取引所は同日付で、投資家の注意を喚起するため同社株を監理ポストに割り当てることを決めた。
 今回の訂正について西武は「株式事務を代行会社によらず自社で行ってきたため、第三者による十分なチェックがなされなかった」と説明している。【町田明久】(毎日新聞) – 10月13日21時35分更新

<ダイエー再建>再生機構の活用を決定 民間主導を断念

 経営再建中の大手スーパー、ダイエーは13日、独自に進めてきたスポンサー選定を断念し、産業再生機構に支援要請することを決めた。主力取引3銀行が再生機構を活用しない限り金融支援を打ち切ると通告したことを受け、監査法人が04年8月中間決算を承認しない意向を伝えたため、再生機構抜きでは法的整理を回避できないと判断した。UFJ銀行が主取引銀行である大口融資先の再生機構による支援は大京に次ぎ2件目。再生機構にとっては過去最大規模の支援企業となる。ダイエーの再生機構活用による経営再建が固まったことで、大手銀行の不良債権処理は大きなヤマを越えることになる。
 同日夕、高木邦夫社長が中川昭一経済産業相を訪ね「(15日の)決算発表延期も考えたが、信用不安を招くので、(決算承認の条件である)金融支援継続のため(再生機構活用を)決断した」と伝えた。経産相も「民間としてのダイエーの判断を尊重したい」と語った。
 ダイエーは今月中にも、同行と三井住友銀行、みずほコーポレート銀行と連名で再生機構に支援要請する。再生機構も要請方針を受け入れ、13日中に打ち切る構えだった資産査定作業を継続し、再建案の策定とスポンサー選びに本格的に取り組む。これに伴い、高木社長の辞任は避けられない見通し。
 資産査定前の再生機構の再建案は、食品スーパーと不動産管理部門の分離▽4100億円以上の金融支援▽再生機構による1000億円以上の出資で設備投資を上積み――などを盛り込んでいた。再生機構は査定結果やスポンサーの再建案も考慮したうえで、より詳細な再生計画を取りまとめる方針。
 プロ野球の福岡ダイエーホークスについては、再生機構は「再生機構ホークスは考えていない」(首脳)として、原則として売却される見通し。ただ、スポンサー企業が本業との相乗効果や広告宣伝効果から保有したい意向を示した場合は、球団を含めた再建案も検討する。
 ダイエーの再建問題については、再生機構活用を求める主力行と、抵抗するダイエーとが激しく対立。経産相は自主再建路線を支持してきたが、最後は監査法人の決算承認拒絶で、事実上法的整理か再生機構かの二者択一に追い込まれる結末となった。
 ダイエーはこれまで民間主導の経営再建を掲げて、丸紅や米国の大手流通、ウォルマートなど3グループによる査定作業が進んでおり、18日にスポンサー選びのための入札が予定されていたが、ダイエーが再生機構の活用受け入れを決めたことで、中止されることになる。(毎日新聞) – 10月13日22時3分更新

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