13日、墜落したヘリと同型の米軍輸送ヘリCH53Dが、普天間基地から飛び立ち、民間地上空の飛行を再開しました。県や市、大学などは強く抗議。米軍側は、米側の事故調査報告を日本側が承認したから飛行を再開したと主張しています。
ヘリ飛行再開 沖国大墜落機と同型 県や市は反発
【宜野湾】米海兵隊は13日午後4時34分ごろから午後5時26分ごろにかけて、沖国大に墜落した事故機と同型のCH53D輸送ヘリ2機の民間地上空での飛行を実施した。米側は12日午後、日本側に飛行再開の意向を伝え、日本政府は米側から事故原因究明の受け入れ可能な説明と再発防止策の実施確認が得られたとして飛行を容認。これに対し県や宜野湾市などは、地元への十分な説明もなく事故分科委員会の勧告が出ていない段階での飛行再開に強く反発している。
13日午後4時24分ごろ、機体に「01」の番号が記されたCH53Dヘリが普天間飛行場を離陸、ホバリングなどの後、同34分ごろ民間地側へ出て普天間上空を通り、北へ向かった。同機は4時57分ごろ、北の方角から戻り同飛行場に着陸した。
2機目は「03」と記されたヘリで、4時48分ごろに離陸、同52分ごろ飛行場を出て北東の沖縄市方面へ向かった。同機は5時26分ごろ、1機目とほぼ同じ経路で飛行場へ戻った。
普天間飛行場駐機場にはこの日、機体番号「01」「03」「04」の計3機のCH53Dヘリが駐機していたが、「04」ヘリは飛行せず午後2時すぎに格納庫内へ移された。
飛行再開について稲嶺恵一知事は同日夕、県庁で「容認できない」と述べ、不快感を示した。伊波洋一宜野湾市長は同日夕、海兵隊司令部を訪れて抗議し、県も海兵隊などにファクシミリで飛行中止を求める文書を送った。
事故後に同型機が民間地上空を飛行するのは米軍がイラク派遣で6機を強行飛行させた8月22日以来52日ぶりで、事故からちょうど2カ月となる。
海兵隊は残る事故同型機五機の基地外での飛行点検を実施した後、数日後に岩国基地に飛行させる方針で、13日の飛行は飛行点検を実施したものとみられる。[琉球新報2004/10/14記事]