西武株、ワコールが買い戻し請求

コクドによる西武株売却に関連して、9月上旬に250万株を28億2000万円で購入していたワコールが、事前に「上場廃止基準に抵触しているといったことはいっさい聞いていなかった」として、買い戻しを請求。

ワコールも西武株250万株購入、コクドに買い戻し請求 NIKKEI NET

コクドが、問題発覚前に、堤会長先頭に西武株売却をすすめていたことは、「毎日」21日付が詳しく報道しています。

西武鉄道の株問題:株売却、8月の社内会議で決定 堤前会長も了承――コクド(MSN-Mainichi INTERACTIVE)

ワコールも西武株250万株購入、コクドに買い戻し請求

 西武鉄道が筆頭株主コクドの持ち株比率を有価証券報告書に過少記載していた問題で、ワコールは21日、過少記載の事実公表前に西武株250万株を購入し、既にコクド側に株式買い戻しを請求したことを明らかにした。購入額は28億2000万円で、ワコールは「東京証券取引所の上場廃止基準に抵触するような内容があるとは一切聞いていなかった」(広報室)としている。今後、西武株の購入企業の間で買い戻し請求や損害賠償訴訟の動きが広がる公算が大きい。
 ワコールによると、9月上旬にコクドグループ役員から「西武株の保有比率を引き下げたい」と株式持ち合い提案があった。ワコールは西武グループのプリンスホテルなどと取引があり、持ち合いで西武グループ全体との関係を強化できると判断して要請に応じた。コクド側もワコール株を購入したもよう。ワコールは10月13日にこの問題が明らかになった直後の同16日、担当者がコクド側担当者と会い、株式売買契約の解除通知書を手渡したとしている。ワコールが購入したのと同じ価格で西武株を買い戻すようコクド側に求めている。 (NIKKEI NET 10/21)

西武鉄道の株問題:株売却、8月の社内会議で決定 堤前会長も了承――コクド

 西武鉄道がグループ会社「コクド」の株式保有率を有価証券報告書などに過少記載していた問題で、株売却は8月に社内会議で決定され、堤義明前会長(引責辞任)も了承していたことが分かった。株の売却は、堤前会長のトップセールスのほか、営業担当者が持ち掛けたケースもあった。過少記載という事実を知りながら、公表前、相手に伝えずに売却しており、証券取引等監視委員会は、こうした取引が、証券取引法違反(インサイダー取引)の疑いもあるとみて調査を進める。
 関係者によると、社内会議には役員や幹部らが出席。この場で西武鉄道株を放出することを決めた。これを受け、9月上旬には、堤前会長がサントリーの佐治信忠社長に購入を打診。その後、役員が同社に出向いて同月下旬、申し入れを行い、同社は260万株を約30億円で購入した。
 サッポロビールも堤前会長から求められ、約10万株を約1億円で購入、日立製作所も堤前会長からの直接の依頼で9月下旬に購入していた。三菱電機もコクド側の求めで、9月下旬に20万株を約2億2000万円で購入。このほか、コクド側が日本航空や全日空、JR東日本にも購入を打診していた。堤前会長から「5%の西武鉄道株を持ってくれ」と打診された企業もあったという。
 8月中旬から9月下旬にかけて売却された西武鉄道株は、7200万株以上になるとみられる。
 堤前会長は13日の会見で「(問題を)いつ知ったのか」との質問に「ひと月もしませんか、まだ。2週間ぐらいで各社にお会いしたり電話でお願いした」と回答。「即座に発表すべきでは」との問いに「ちょっとその認識がなかった。基準に触れるから、発表するまでに売却してほしいと、売却すれば基準に触れないという認識だった。そういうことも含めてちょっと甘かった」と答えていた。
 また、コクドが実質的に保有してきた個人名義の株の中には、堤前会長名の株も含まれていた。
 同社が関東財務局に提出した訂正前の有価証券報告書では、堤前会長の保有株数は00年3月期?03年3月期まで毎年81万株と記載されていた。しかし13日に提出された訂正報告書では、36万4000?41万5000株と大幅に減少していた。【反田昌平、若島正浩】 毎日新聞 2004年10月21日 東京朝刊

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