昨日、久しぶりにすみだトリフォニーで新日本フィルハーモニーの定期演奏会を聴いてきました。プログラムは、
- リーム:出発(1985年)
- マーラー:交響曲第5番 嬰ハ短調
指揮は、同管弦楽団音楽監督のクリスティアン・アルミンク。1971年生まれのアルミンクがマーラーの大曲をどう振るか、注目して聴きました。
1曲目は、ドイツのヴォルフガング・リーム(1952?)の約8分の作品。日本初演だと言うことです。プログラムによれば、「ヨーロッパ主流派の前衛現代音楽」の「行き詰まり」にたいして、「新ロマン主義」と総称される新しい流れが生まれ、リームはその代表格だということなのですが、しかし、僕には、現代音楽と同じように、ぞわぞわぞわぞわ…、もぞもぞもぞもぞ…と、現代音楽とどこが違うのか、ちっとも分かりませんでした。(^^;)
2曲目は紹介するまでもない有名な曲。アルミンクの指揮は、非常にきっちりまとめ上げ、くっきり鮮明な印象を受けました。しかし、マーラーの持つ禍々しさ、デモーニッシュな感じがイマイチ伝わってこなかったので、ちょっと食い足りないというか、なんとなく不満の残る演奏でした。休憩時間にも「彼のマーラーはすごくシャープな感じ」という声が聞こえてきましたが、確かに彼の指揮はシャープな印象がします。しかし、その分、厚み、奥行きというか、深みというか、そういう、あふれ出てくる無定型なエネルギーのようなものが感じられないという感じです。それでも、全曲約80分という大曲を、破綻なくまとめ上げた実力は大したものだと思います。
新日フィルの演奏は、出だしのトランペットも、ホルンも安心して聴いていられ、さすが新日フィルという感じでした。弦はもうちょっと艶があってもよかったかなと思いましたが、アルミンクの指揮ともども鋭角的な音を響かせていました。ただ、フォルテシモでも本当に120%の音を出し切ってるのかな? という感じがして、その分破綻はしなかったかも知れないけれど、マーラーらしい禍々しさが伝わってこなかったという気もしました。そういうところは、日フィルなどの「出たとこ勝負」「一か八か」(^^;)の演奏と違うところですね。
こんばんは。はろるど・わーどです。
私もアルミンクのマーラーを聴いてきました。
ちょっと煮え切らない感想ですが、もしよろしければ遊びにきてください。
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