APECの場を利用して、小泉首相と胡錦濤・中国国家主席との首脳会談が行われました。
小泉首相は「小泉首相は日中間の相互理解の必要性を強調し、共通の利益を発展させたい」と述べたそうですが、日中相互理解にとって一番の懸案事項である日本の総理大臣の靖国神社参拝問題については、胡錦濤主席から「靖国参拝が日中の政治停滞、困難の原因だ」とズバリ指摘されたのにたいし、持論をくり返すだけ。国家主席からまともに靖国参拝問題を持ち出され、日本政府にはもはや“逃げ場”がなくなったかっこうです。
日本政府にしてみれば、中国海軍潜水艦の領海侵犯問題で、悪くても“相打ち”にできると思っていたのかも知れません。しかし領海侵犯問題は、すでに中国側の「遺憾」の表明で外交上は解決済み。また、東シナ海のガス田開発問題でも、もともと中国側が日本側の主張する「中間線」を超えてない以上、「対立」は日本の政治家があおっているだけのもの。この問題でも、それ以上、日本側から主張する中身もなく、終わらざるを得ませんでした。
胡錦濤首相からは、あらためて中国政府として日中関係を重視していること、その「立場」として、あらためて(1)3つの政治文書(1972年の国交正常化共同声明、78年の平和友好条約、98年の共同宣言)の順守。「歴史を鑑(かがみ)として未来に向かい、大局に立って関係を発展させる」立場、(2)地域国際問題での協力、(3)相互理解と信頼関係の促進、(4)共通利益を踏まえた経済交流の促進、の4点(これは中国政府が従来から主張していること)が示されました。これにたいし、日本側は靖国参拝問題を問われ、そもそも日中関係を、日本政府がどういう立場で進めようとしているのか、その根本が問われたかっこうになったのではないでしょうか。
靖国参拝・原潜問題で応酬 日中首脳、チリで会談 – asahi.com : 政治
続きを読む →