国連のブラヒミ事務総長特別顧問が、来年1月30日に予定されているイラクの選挙について、現状では実施不可能と発言。米軍の掃蕩作戦についても、「50人の敵を殺すことで、あらたな500人を抵抗運動に駆り立てている」と批判しました。
イラク選挙実施、現状では不可能・国連特別顧問[NIKKEI NET]
イラク選挙実施、現状では不可能・国連特別顧問
【ブリュッセル4日共同】国連のブラヒミ事務総長特別顧問は4日付のオランダ紙NRCハンデルスブラットとのインタビューで、イラクで来年1月30日に予定される国民議会選挙について、武装勢力によるテロや攻撃が相次ぐ現在の治安状況では、実施が不可能だと語った。AP通信が伝えた。
ブラヒミ氏は、選挙実施を治安の比較的安定した地域に限定した場合、中部ファルージャのような不安定地域に住むイスラム教スンニ派住民を閉め出すことになると指摘し「現在の状況が続けば」選挙はできないと強調。混乱を収拾する方法を探るべきだと述べた。
同氏は一方で、武装勢力に対するブッシュ米政権とイラク暫定政府の強硬姿勢を「50人の敵を殺すことで、あらたな500人を抵抗運動に駆り立てている」と批判した。
ブラヒミ氏はアナン国連事務総長からイラクに派遣され、6月に発足した暫定政府の閣僚人選を担当。その過程で米政府の強い介入を受けたとされる。〔共同〕 (15:00)